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三回目の正直

「二対三なら、勝ち目があると思わない?」


というベータの目は死んでいなかった。状況を冷静に見れば完全なる負け戦である。手負いの仲間が一人、後一度しか力を発揮出来ないポンコツ。それに対し、あちらはほぼノーダメージで戦闘に慣れているときている。

大人対中学生くらいの差はあるんじゃないか。これ。でも、ベータを見ているとなんとか出来る気がする。残り一回....。俺は謎のバルブからもらったチケットを手に取り、もしかしたら....もしかするかもしれないと。ない頭で思考を巡らせた。


「ベータ。ちょっと変な感覚になるけどいいか?」

「変な感覚?」

「体が軽くなったり、急に相手が吹っ飛んだり」

「なんでもいいよ。今、この人たちに勝てるなら」


ベータはまだ希望があると思っている。なら、神である俺が希望を与えなくてどうする! 使い方も何もわからない、この友情チケットというもので危機的回避が出来るのなら。


「ベータ! 走れ!」


ベータは男性達に向かい走っていく。俺は異世界チケットをポケットにしまい、友情チケットを握りしめる。


「俺の潜在能力よ! ベータの速度を上げてくれ!」


というと友情チケットから青い気が飛び出し、ベータを纏う。ベータは体が軽くなったかのように、縦横無尽に動いている。


「あいつも能力が使えたのか!」


驚いている男性達をよそにベータは蹴りにかかるがオレンジの気により弾かれてしまう。


「くそ、速度だけではダメか。なら!」


一回の戦闘に対して二回。これは誰が決めたルールだろう。確かに三度目の能力を使おうとした時、発動はしなかった。ただ、今はあの時とは違う。少しくらいは成長をしているはずだ。一瞬でもいい、相手を怯ませることが出来れば。俺は目をつぶり、潜在能力の解放だけを考えた。勝つこと、明日につなげること、今、考えられる結果を変えること! 微かにだが、チケットに変化があった気がしたんだ俺は目を開け。強く強くチケットを握る。


「俺の潜在能力よ! ベータに力を与えてくれ!」


俺はチケットに目を向けるが友情チケットは反応することなく、ただ俺に握られている。俺の限界はこんなものかと一人戦場に赴いているベータを見守ることしかできなかった。ベータが青い気の男性に殴りかかろうとした時、オレンジの男性がベータの前に立ちふさがった。


「お前の攻撃では俺を破れない!」

「やってみなきゃわかれねえだろ!」


ベータはオレンジの気の男性を殴りかかった瞬間。オレンジの気が割れ、ベータの拳が顎にクリーンヒットした。

オレンジの気を使う男性は倒れ、驚いている二人。

俺はベータを見ると、拳に微かながら赤い気が纏っていたように見え、泡のように消えて行った。


「まずは一人」


とベータは男性達との距離を縮めていく、防御の要がやられたことにより、精神的にダメージを食らった二人に戦う気力はなく、逃げ去って行った。

ベータは追いかけようとしたが、早い動きに筋肉が耐えきれず体が動かなくなり、その場に倒れた。俺も同じように倒れた。


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