タッグ!
外神はバッグになっているリリを背負い、教会の中に戻るとベータがマムの近くにいて話を知っているところに近づく。
「おう! どこに行ってたんだ? てっきりゴブリンにでもやられたかと思ったぜ」
「ゴブリンって、やっと異世界的なワードが出てきたな」
「こら、そんな簡単にゴブリンという単語を出すものではありません」
「マム、ごめん」
「いや、ゴブリンって序盤に出てくる弱いモンスターだろ? 何も怯えることなど」
ベータは怒りの表情になり、外神に近づき胸ぐらを掴む。
外神は当たり前のことをただ言っただけなのに胸ぐらを掴まれる理解が出来ずにいた。
「この村のゴブリンと人の割合を知って、その言葉を出したんだよな?」
「しっ知らないけど」
「この村ではゴブリンは人の30倍いる」
「30倍!」
「確かに強いゴブリンに会う機会なんて数万分の一だが、一人に対し30匹のゴブリンが来たらどうなると思う?」
「こら、もうそのくらいにしなさい」
「勝ち目などないんだよ。そのせいでマムは...」
「ベータが気を病むをことではないよ。これは私の不注意」
「でも!」
「この方にそんな重荷をかけるんじゃないよ」
マムは外神ににっこりと笑いかけた。
「ごめんなさいね。私のことになるとついカッとなるところがあって」
「その目、もう治らないのか?」
ベータは嬉しそうに外神の両肩を掴む。
「協力してくれるのか?」
「こら、ベータ」
「この人だって行き場に迷っているんだ。ここに住み付く代わりに手伝ってもらったってバチは当たらない」
「あるんだな」
「ああ。実は年に一回、ゴブリンが増えすぎないように各地方から強い人たちを呼んでゴブリン狩りをしているんだ」
「ゴブリン狩り?」
「そう。そしてそこで一番強いゴブリンを倒した人に褒美がもらえる。その褒美があれば、マムの目は」
「いや、褒美があっても治る保証は」
「その褒美で、神の力と言われているなんでも治す人にお願いするんだ。なんでも治す凄腕の医者に」
「何でも治す? それって...まさか」
「私のことは気にしなくていいから」
「マムにはもう一度光を見て欲しいんだ。だから」
「で、でもさ、ベータだけが出れば何とかなるんじゃないか? 俺は結構足を引っ張るかもしれないし」
「それが二人一組での参加なんだ」
「そういうことか」
「頼む。力を貸してくれ」
外神は少し悩む時間はあったものの、一息ついて
「......わかった。協力する」
ベータは大はしゃぎして喜び。
「で、そのゴブリン狩りはいつ行われるんだ?」
「後1時間以内にエントリーをしないといけないんだ」
あまりの時間の猶予のなさに驚く外神。
「急すぎるだろ!」
「決まったのなら、行くぞ」
ベータは外神の手を引っ張り教会を出て行った。




