さよなら首都 アブラナ
なんとかかぶりつきながら頑張ってます。うううううう
リリは動物姿になり、外神の方に乗る。
「ここでの君の役目は終わったようだ」
「終わったってことは」
アヴァンに勝つことが出来なかった思い、不甲斐なさが外神の顔を複雑にしていた。
リリは淡々と次を見据えているように遠くを見ている。
「次の場所へ向かう準備」
「......なあもし、王を助けられなかったとしたらどうなっていたんだ?」
「助けられなかった未来が待っていただけさ、未来は何通りにも枝分かれしている、後はどこにたどり着くかだけ」
「それは救ったってことになるのか? ほらゲームだって正解は一つの答えしかないのように......」
「ゲームじゃないんだよ。君にとっては異世界だからゲームのように感じるかもしれないけど、彼らはここで生きている。彼らが出した答えが全て今後に繋がっていく。後戻りできる人生。誰かに決められた人生を君は幸せな顔をして過ごせるかい?」
「そりゃあそうだけど」
「君の役目は彼らの選択に手を貸すだけ。決定権はないんだよ」
外神は腑に落ちていない顔をしている。
「そういうこと。ほら戻るよ」
リリは歩き出す。
「おい、戻るってどこに?」
「ユリのテント。あそこに戻る場所があるから」
空を見上げる外神。
「これでこの場所ともお別れか」
「淋しくでもなったのかい?」
「初めてだったんだ。人が俺に期待してくれて、誰かと一緒に強くなろうとしたこと」
「それでも君は強くはなれなかったけど」
リリの一言に傷ついた外神は、全表情がストップする。
外神は大きな厄介ごとから逃げ切れないと悟ったのか、大きなため息をして、歩き出した。
外神がユリのテントの近くまで来るとチャンプがいる。
「よお外神」
「チャンプ」
「そろそろここに来る頃だなと思ってな」
「別れの挨拶ならやめてくれ、そういうのは経験したことがないんだ」
「男同士で熱いハグでもして欲しかったのか? こっちが勘弁だぜ」
「じゃあ何だよ」
「今度外神に会えるかどうかも分からないから。一つだけ忠告してやろうと思ってな」
「忠告?」
「俺がこの世界に住んでいない神に出会ったのは二人目だ」
外神は驚き、チャンプん両肩を掴む。
「二人? じゃあ俺以外に『そとがみ』がいるってことか?」
「ああ」
外神はリリを見るが、リリはリュックになっている。
(こいつ!)とリリを睨みつけるが、チャンプにもう一度目を向ける。
「そいつはどんな奴なんだ?」
「見た目は70くらいの背が低い爺さんだった」
「にしてもどうして『ソトガミ』だとわかったんだ?」
「俺も元研究者だ。この世界は潜在能力で5種類しかない。それは話したよな?」
「ああ」
「だが、その爺さんは俺が見たことのない」
「それは?」
「治癒能力」
「治癒?」
「潜在能力は戦闘における際に必要な能力だが、爺さんの使う治癒は絶対にありえない。」
「どういう事だよ」
「『ソトガミ』はオリジナルの能力を持っている可能性がある」
「オリジナル能力」
「あくまで仮説だが、そう考えると外神がチケットを使い。全ての属性が使える事の説明がつく」
「このチケットも一つの特殊能力か」
笑顔で笑いかけるチャンプ。
「使いこなせないなら意味がないけどな」
ムッとする外神。
「なんにしろ。お前にしか出来ない事を全力でやってこい
「ありがとう」
チャンプは外神の手をぎゅっと握った。
外神が空間の中に入り、始めの位置に戻った時。
一人の少女が立っていた。




