戦いの後に
数日が経ち、ゼウス、ユリ達は反逆者扱いとして、街の至る所に張り紙が貼ってある。
街を見渡している外神。
「なあリリ」
バッグのままのリリ。
「何?」
「俺はユリに手を貸して良かったんだよな?」
「さあ」
「さあって、犯罪者に手を貸し神って変だろ?」
「君の言っていることは民の考え。神は全てに平等でなければならない。カルバが不平等だとするのでいれば、ユリのとった行動でバランスが取れたのかもしれない」
「納得いかねえな」
「腑に落ちなくて当然だよ。正義も悪も状況や環境によって変わってくるんだから」
一人の街の人が慌てて紙をばら撒きながら走ってくる。
「号外だ! 号外」
外神は地面に落ちた紙を拾うと『アヴァンと引退』の文字。
「あいつが引退? どういうことだよ!」
宮殿に走っていく外神。
宮殿の中を歩いているアヴァン。
アヴァンの後ろを怒った表情でついていくカルバ。
「引退など許さんぞ」
「俺はあんたのものじゃない」
「俺がお前の村にどれだけ金をかけてやったか忘れたのか?」
「十分な利益は出ているだろう」
顔をしかめるカルバ。
「うるさい! 絶対に許さん! おい、お前ら!」
アヴァンのいく手を兵士たちが阻む。
「どけ!」
怯む兵士たち。
「お前ら! 束になればこんなやつ大したことないだろ! さっさと捕まえろ! 言うことを聞くまでゼウスと同じ檻に入れてやる!」
アヴァンに攻撃をしようとする兵士たちだが、刃物や弓さえも弾いてしまう。
「カルバ様! 歯が立ちません」
「おい! 誰か止められるやつはいないのか!」
ゆっくり姿を表すイーボン。
「オレガトメル」
「おおお! イーボン! 頼んだぞ」
「止めとけ。今のお前では勝てない」
「エラソウナコトヲイウナ。クラエ」
イーボンは緑の気をまとい、手が伸びる。
アヴァンは体の全体を濃いオレンジで纏い、イーボンの攻撃を通さない。
「俺は絶対に負けない。だからこそ勝つ方法を覚えなければいけないんだ」
イーボンを通り過ぎていくアヴァン。
「こらあ! イーボン何をやっている!」
「カテナイ」
イーボンは意気消沈してしまう。
宮殿を出るアヴァン。
宮殿に着く外神。
「アヴァン」
「......何だお前か」
「バトル、やめるのか?」
「ああ」
「どうして? あの場所に入れば最強でいられるのに」
「お前は最強でいたいのか?」
「なったことねえからわからないけど、最強で入れる環境なら捨てない」
「捨てなければ、新たな最強は手に入らない」
「どういうことよ」
「ここでの最強は俺にとって小さくなってしまったんだ」
アヴァンは歩いていく。
「最強が小さくなることなんてあるか?」
「底辺で育ってきた君に理解してもらおうとしてないよ。彼」
「だろうな」
外神はアヴァンの歩く背中を見ている。




