決着
衝撃波からアヴァンの顔が見え、外神を睨んでいる。
アヴァンの顔にはオレンジの気が纏っているが、アヴァンの顔にかすり傷が出来ている。
「今のは少し痛かったぞ」
アヴァンの威圧に距離を取る外神、外神は自分の手を見ると赤い気が消えていく。
「さっきの一発で終わりかよ」
アヴァンかすり傷を触り、一歩ずつ外神に近づいていく。
会場が騒然となっている。
「アヴァンがかすり傷を負っている」
「目がマジだ」
アヴァンが一歩踏み出す度に外神は一歩後ろに下がる。それを繰り返していると、ステージの端まで来てしまう外神。
アヴァンは外神の目の前に立つ。
「どんな負け方がしたい? 再起不能か、致命傷か、粉砕か」
「へっ、おっ俺は勝たなきゃいけないんだ」
外神の目は泳ぎ、足は小刻みに震えている。
「そうか。では、一生消えることのない恐怖をお前に与えよう」
アヴァンは外神に向かい大きく振りかぶる。
シアンはステージに上がろうとするがチャンプに止められる。
「離してよ」
「気持ちは分かる! だがお前には守らなければいけない家族があるだろ。あいつを助けたら、今度はシアンの家族が路頭に迷うことになるぞ」
「それでも放っておけない」
「感情に支配されるな!」
外神は腰を抜かしステージに尻をつく。それを見たアヴァンは憐めな表情を浮かべる。
「終わりだ」
アヴァンが腕を振りかぶろうとした時、宮殿の窓ガラスが割れる。
アヴァンが振り向くと、ユリがゼウスを抱えて、仲間たちと飛び降りている。
「なんだ?」
カルバは宮殿から身を乗り出してアヴァンを見る。
「アヴァン、あいつを捕まえろ!」
アヴァンはユリの前に立ちふさがる。
「お前、何の真似だ?」
「何って勝負に勝ったから王をもらいにきたの」
「あの男は弱い。勝ち目など」
「知らないの、逃げるが勝ちって言葉」
ユリは一瞬にしてアヴァンの後ろに移動する。
アヴァンは驚いたように後ろを振り向く。
「ユリ、あなたは強いわ。ええ、最強よ。このステージの上ではね」
アヴァンは苛立ちユリを殴ろうとするが、一瞬にして場所を移動するユリ。
「あなたは試合で強くても実戦では使えない井の中の蛙ちゃんなの。これからもそうであり続けるといいわ」
「お前は何者だ」
「私は、ゼウス様の護衛」
ユリは顔を見せる。
「ずっとチャンスを伺っていたの。普通に侵入しても良かったんだけど、リスクはあまり抱えたくなくて」
ユリはまた瞬間的に移動をして外神の近くに行く。
「ユリ、能力が使えたのか?」
「使えないなんて言ったかしら?」
「そこまで強いなら何で自分で戦おうとしないんだ?」
「何故って、あなたの役目じゃない。それは」
「俺の役目?」
「まあいいわ。とりあえず私のお願いは叶ったわ。ありがとう外神様」
アヴァンがユリを目掛けて走ってくる。
「おい、待て」
「ごめんなさい。私しつこい男は嫌いだから」
とユリはその場から姿を消した。




