試合前の
街から少し離れた場所、星が良く見える夜空。
砂漠に寝転び、空を見ている外神。
動物姿のリリは外神の顔の近くに来る。
リリ「負けたことで落ち込んでいるのかい?」
外神「それもあるが、自分が情けなくてさ」
リリ「自分が?」
外神「現実世界じゃあ、何一つまともに出来なくて努力したってその差は埋まることがないような人間でさ」
リリ「知ってるけど」
外神、驚く。
外神「知ってたの!」
リリ「いまのなし。話を続けて」
外神「ああ、えっと、だからこの世界に来た時頼りにされて嬉しかったんだ。少なからず何かしら役に立てるかもしれないって。でも蓋を開けてみれば、何にも貢献してないんだなって」
リリ「君は問題を解決した。それ以外救う必要なんてないんだよ。あとはそこに住む人たちが解決すればいい」
外神「そう言われたって、俺、誰にも勝ったことがねえんだぞ」
リリ「チュートリアル君には勝ったじゃない」
外神「そこで負けるやつなんているのかよ」
リリ「君は勘違いしているようだから言うけど、出来る人のように全てを救えるのなら救えばいい。でもそれが出来ないのであれば出来る範囲内で救えばいい。自分の許容範囲を超えてまでやることにどれだけの意味があると思う? 優しさもね、度を超えればお節介なんだよ」
外神「それでも俺はそこまでたどり着きたい」
リリ「君も強情だね。まあいいや。君は底辺の人間だ。それに間違いはない」
外神「少しはオブラートに包めよ」
リリ「底辺には底辺の戦い方がある。それを掴めば君はどんな強敵だって立ち向かうことが出来る」
外神「勝てるとは言わないんだな」
リリ「まあ嘘はつきたくないから」
外神「......アヴァンに勝てると思うか?」
リリ「勝てないと思う」
外神「俺も。あと二日じゃあ差は埋められるわけがないよな」
リリ「でも、君にはチケットがある」
外神、チケットを取り出す。
外神「チケット。俺の切り札か」
チケットを握りしめる。
二日後の宮殿。
ステージ上には人だかりが出来ている。
客引き「押さない、押さない。さあ注目の対決。外神vsアヴァン。どちらに勝つか、ここが賭け時!」
ステージ裏の控え室で緊張をしている外神。
ドアを開けてシアンとチャンプが入ってくる。
シアン「外神君、体調はどう?」
外神「不安と疲労と寝不足でも最悪だ」
チャンプ「すまんな。アヴァン対策を考えてやれなくて」
外神「これは僕がやらなければいけませんから」
シアン、外神に右拳を突き出す。
シアン「安心して負けてもいいから。仇は必ず私が取る」
外神「試合はこれからなんだが。、頼んだっていておくよ」
審判「外神さん時間です」
外神「じゃあ行ってくる。自分の全力を知りに」
控え室から出て行く外神。




