宮殿バトルの王者 アヴァン
外神がテントに戻るとナンやカレー、サラダと豪勢な食事がテーブルに並んでいるのを見て不思議に思う。
外神「この街でテントで生活をしているのはユリだけなのに、こんな豪華な食事、アンバランスだ」
ユリ「外神様とお見受けしてお願いしたいことがございます。宮殿バトルに出てはいただけませんか?」
外神「出るって、まあ俺くらい強ければ余裕で優勝できちまうけどな」
外神にニヒルに笑い。自慢げにする。
ユリ「あの宮殿バトルが始まったのがほんの5年前にございます。それまでは立派な宮殿がありましたが、裕福な生活が出来るほど、水も食料も整っておりませんでした。娯楽の少ない街だったため、穏やかで過ごしやすい街ではありましたが、あのバトルが始まって以降民はバトルに依存をするようになりまして、富と失ったものは去り、富を得たものだけがこの街に残るという形で、この街は発展をしてまいりました」
外神はご飯をほうばっている。
外神「それの何が悪いっていうんだ?」
ユリ、浮かない表情をして遠くを見つめる。
ユリ「そのバトルに王が興味を示してしまったのです」
外神「王?」
ユリ「はい。今、その王は牢屋に入り、捕まっております」
外神「じゃあ今の王は?」
ユリ「外から来た商人。バトルの発案者です」
外神「うまいことやったんだな」
ユリ「お願い致します。どうか王を救ってください」
外神「わからねえな。発展しているのならいいじゃねえのか?」
ユリ「今の行政ではこの国は他の街から侵略されかねないのです。ここばかり潤うということは他の民たちが苦しんでいるということ」
外神はハービス達が住んでいた街のことを思い出す。
外神「まあ変な争いが生まれかねないな」
ユリ「お願い致します」
外神「まあ任せておけ! 俺がなんとかしてやる!」
ユリは嬉しそうに深々と何度も礼をする。
ユリ「ありがとうございます。ありがとうございます」
外から『おおおおおおおお!』という声が響き渡る。
外神「なんだ!?」
ユリ「......メインイベントが始まったようですね」
外神「メインイベント?」
外神はユリと再び宮殿に向かうと強靭な肉体をしているアヴァンという男性が仁王立ちしている。
その反対側には筋肉は細く引き締まった男性が上段蹴りや回し蹴りをしながらアヴァンを威嚇しているようにアピールをしている。
外神は二人を見て苦笑いをし
外神「ああ、まあまあ強そうな人もいらっしゃるのね」
審判がステージ上に上がってくる。
審判「それでは本日のメインイベントを始めたいと思います!」
盛り上がる観客。
心配「賭けは断然アヴァン。賭けとして成立しておりません」
観客1「おい、アヴァンに賭けるなよ!」
観客2「そういうお前があいつに賭ければいいだろ」
外神は周りを見回す。
外神「アヴァンというやつ人気なんだな」
ユリ「はい、このバトルが始まって以来、負けなしですから」
外神、驚く
外神「5年も負けていないってことだよな?」
ユリは悲しそうな顔をして
ユリ「はい」
ステージ上の男性は苛立ちを隠せないでいる。
男性「俺に賭けなかったこと後悔させてやる!」
審判「はじめ!」
と男性は勢いよくアヴァンに近づいていった。




