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新時代ゲーム、始めました  作者: 葛西獨逸
1章 ようこそニューワールドオンラインへ!
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Chapter2 シリウス

スライムの討伐。これが今回のクエストだ。

「えっと、スライムを10体討伐する……だな。よし、やったるでぇ」

装備をしようとしたところで、GMの言葉を思い出した。剣を買った方がいいと言う。

「確か、ここをまっすぐ行ったところに鍛冶屋があったはずだな」

「ここが鍛冶屋だぜぇ」と書かれた木造の建物の中に入った。

「へいらっしゃい!武器のことならおまかせ!鍛冶屋だぜぇ。」

雄大は少し驚くも、冷静になって

「剣を買いたいんですが」

「おぉ!武器っすかぁ!?良いですよぉ!イエース!我の力に任せぇや!どんな武器が良いかねえ?」

「け、剣って言ったのですが?」

「おぉー!剣ですかぁ!ワイルドだねぇ!よし、これはいいんじゃねぇか?」

剣を差し出す。剣の名前は「次なる剣」。名前の通り、「始まりの剣」に次ぐ弱さだ。

「これで良いですよ。いくらですか?」

「150000ツィーですぞぉ?持ってますかいな?」

「一、十、百、千、万、十万……。じゅ、150000ツィーだと?この剣でこの値段だなんて……」

「ハハハッ!冗談だよ冗談!わしが捕まるでぇ!ほんとは150ツィーだ」

「じ、冗談にしては……。まぁ、はい!150ツィーです」

150ツィーを鍛冶屋の大将に出した。手にいれた「次なる剣」を装備し、いざスライム討伐へ!

 


スライムが現れると言う、星の大地へ向かった。そこには緑色のぬめりがありそうな物体がそこらじゅうにいる。そのスライムを10体倒せばいいというクエストだ。雄大は装備してある「次なる剣」を思う存分振り回す。グチャッと言う生々しい音が響く。

「うっわ。音ヤバッ!」

どうやら倒せたようだが、どう見ても剣の切れ味が悪い。さすがWPMMOと言うべきなのか。スライムの材質すら本物と同じだ。効果音も本物に近い。雄大ももうスライムの討伐はこりごりだと思うほどだった。でもクエストを受けたからには仕方がない。

「や、やるしかないか」

スライムを倒す度に生々しい音が響き、雄大の戦う気力が失われていく。30分くらい奮闘し、やっと10体倒せた。そして、クエスト完了の報告が届き、報酬を得た。そこにGMの声が聞こえた。

「ほっほ。クエストクリアか。やるねえ。おっと、ここで先行プレイは終了だ。正式サービスを待っててくれたまえ」

「え、もう終わり!?短かったな。まあ気長に待つとするよ。ありがとな。GMさん」

「じゃあ、またな。正式サービスで待ってるぜ!」

そう言うと、自動でログアウトされた。時刻は午後6時30分。おっと、夕飯だ。正式サービスまではあと、2ヶ月だ。楽しみだなぁと思いつつ夕食を済ませた。明日からは学校だ。学校の準備を済ませ、すぐに寝ることにした。


翌日、目覚まし時計が鳴り響く中、雄大は目覚まし時計を止めると同時に驚愕の声を発した。現在時刻は8時ちょうど。学校の始業時間は8時30分。

「ち、ち、遅刻だぁ!」

高校までは自転車で約40分かかる。急がないと間に合わない。

「行ってきます!」

「あら雄大。やっと起きたの?行ってらっしゃい!」

雄大は自転車に飛び乗り、いつもよりも倍のスピードを出して高校に向かった。8時25分に高校に到着。クラスを確認して教室に急いだ。「ガラガラ」というドアの音と同時にチャイムが鳴った。

「ふう。ギリギリセーフ」

「おお雄大。初日から遅刻とは度胸あるな」

「ああ、拓斗(たくと)か。おはよう。同じクラスだったんだな。よろしくな」

前野拓斗(まえのたくと)は雄大と同じゲームが好きな男だ。

「さあさあ、席につけえ!みんなおはよう。今日からお前らも先輩だぞ!先輩らしいとこ見せてくれ。さて、始業式に行くぞ!」

体育館に向かう。始業式、対面式を終え、ホームルームを行う前に拓斗が雄大に話しかけた。

「お前、ニューワールドオンラインって知ってるか」

「もちろん!面白そうじゃん。予約したよ」

「もちろん僕もやったぞ。ハードも慌てて揃えたさ。あと2ヶ月か、楽しみだなぁ」

「だな。ジャンルとかも不明だから早く知りたいよね」

ヒッヒッヒ。実は知ってるんだよねぇ。先行プレイやったんだもん!……とは言えない。

「続報を待てって言ってたよな」


それから1ヶ月後。ゲームのジャンルについて発表された。そして、ゲームの目標も発表。12体の準ボスを倒し、ラスボスを倒すとのことだ。

「あー。早くやりたいなぁ」

と、拓斗も言っている。


さらに1ヶ月後、ついに発売、正式サービス開始の日がやって来た。

「ワールドイン!」

雄大はすぐにログインした。そして、またもやスライム討伐のクエストを受けてしまっていた。

「もう、嫌だよぉ」

といいつつもスライムを倒し続けた。しかし、先行プレイよりも強くなっている。スライムが斬れない状況にある。すると、後ろからなにやら炎属性の魔法を使っているそうな気がした。辺り一面が炎で覆われ、スライムが倒れていった。

「ねえ!そこの君。俺とパーティーを組んでくれないか?俺はユウって言うんだけど」

女の子だ。

「アタシ?いいけど。どうして?」

「スライムが斬れないんだよね。手伝ってほしいんだよ」

「いいよ。アタシはリン。ジョブは魔道士だよ。炎属性の魔法が得意かな」

「おお、それは頼もしい。じゃあお願いします!」

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