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新時代ゲーム、始めました  作者: 葛西獨逸
1章 ようこそニューワールドオンラインへ!
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プロローグ

「新たな出会いと冒険が君を待っている!さあ、この世界に足を踏み入れよう!ニューワールドオンライン。今日から2ヶ月後の2052年6月発売予定!続報を待て!」

各種雑誌やテレビ番組で情報を公開しているこのゲーム。杉野雄大(すぎのゆうた)はその情報を聞いてすぐにネットで予約をした。

「ハードも揃えないと!よし、今から買うか……けど、金がぁ」

雄大は財布を開くも1000円しかない。雄大は1階に降りて母親である由梨(ゆり)にお金を借りて買いに行こうと考えた。

「母さん、俺今金がないから貸してくれないかなぁ?」

「あらあら何に使うのぉ?」

聞き方が怖いほど優しい。

「ゲ、ゲームのハードを買いに行くの」

「あらあら、そんなことだったのね。いいわ、貸してあげる。いくら?」

「25万円」

「た、高いわね。よ、よし、私が買ってきてあげるからちょっと待ってなさい」

由梨は駆け足で家を出ていった。そして数時間後、由梨は帰ってきたが雄大は驚くことしかできなかった。

「パ、パチモンだよこれ」

「んなぁぁぁ!?そ、そんな馬鹿な。ゲーセンで同じのあったから頑張って1000円で取ってきたのに……」

「ゲ、ゲーセンって……。そりゃパチモンだよ」

「お、終わった……」

絶望に浸る。部屋の中をテレビの音だけが響く。

「さあもうすぐ発売のニューワールドオンラインについて今日は特集していきましょう。ゲームマスターをしていらっしゃる総合ディレクターは未だ誰かもわからないこのゲーム……」

雄大は無言でテレビを消す。由梨も察したようで家事を黙々とやりはじめた。それから何時間たっただろうか。家のインターホンのチャイムがなった。最近では珍しいコンビニの入店音だ。

「はーい?」

「お届け物です。杉野雄大様はいらっしゃいますでしょうか」

「はい、います。向かわせますね」

「わかりました」

雄大は無言で玄関へと向かい、ドアを開ける。

「あ、雄大様ですね」

「はい」

「こちらお届け物です。こちらにサインをお願いします」

「はい」

差出人不明。大きな段ボールだった。

「はい、ありがとうございます。では、またのご利用お待ちしております」

雄大は家の中へ入り、由梨のいるリビングに入った。

「なんなのこれ?」

「俺もわからない。なんだろう」

ガムテープをとる音が響く。箱を開いてみると、雄大は驚き、由梨は頭に?を浮かべた。

「Congratulation(コングラチュレイション)!」

その文字が書かれている。なにかに当選したようだが、なにも応募してないし、当たるわけがない。何せ全員当たると言われたものでさえ、手違いで当選メールが来なかったほど運がない。雄大は紙を1枚取り出す。それを読んでみる。

「おめでとうございます。貴方は先行プレイ正式版に当選されました。これは、誰よりも先に当ゲームがプレイできます。当キャンペーンに応募いただきありがとうございました。なお、予約分は取り消しとさせていただきます。初回限定版の特典を同封させていただいております。ニューワールドオンライン開発担当一同。ゲームマスター、コードネーム「DRAGON(ドラゴン)」より」

あれほど欲しかったニューワールドオンラインが今手元にある。さらに中を探っていくと、ハードと思わしきリモコンの物体がある。これは!正真正銘のニューワールドオンライン専用ハード「WARPAC(ワーパック)」だ。雄大は早速部屋に戻り、ゲームを始めることにした。

 

WAPACにニューワールドオンラインのメモリーカードを差し込む。すると、アナウンスが流れた。

「ニューワールドオンラインをご利用いただき、ありがとうございます。当ゲームの正式サービスは2052年6月です。もうしばらくお待ちください」

雄大はがっかりした。電源を切ろうとしたとき、

「ちょっと待ったぁ!先行プレイの当選おめでとう!さて、このゲームについてのチュートリアルを始めようか。このゲームは自分の体力などが反映されるタイプのゲームだよ。おっと自己紹介がまだだったね。俺の名前はDRAGON(ドラゴン)。このゲームのゲームマスターだよ。じゃあチュートリアルを続けよう。まず始めにジョブを決めるよ。剣士、魔道師、魔道剣士、テイマーの4つから君の体力とかからランダムで決まるよ。楽しみにしててね。さぁ、君の新たな出会いや冒険が待ってるよ!おっと、ログインの仕方をいい忘れてた。ワールドインって言ったらログインできるよ。初回ログインで名前とか聞かれるから好きな風にしてね。容姿は決められないからそこんとこよろしく!では、健闘を祈ってるよ!」

ブチッという音が鳴り、アナウンスは終わった。よし、やってみるかと言わんばかりに

「ワールドイン!」

と叫んだ。電子音が鳴るかと思いきや、自分の体が光り始めた。体全体が光ると、

「名前はどうする?」

「ユウ」

そういうと

「登録完了です。では行ってらっしゃい!」

目の前が真っ白になった。

「えぇぇぇ!?」

これは、転移だ。VRでもARでもない。これはワープ。つまりこのゲームのジャンルは……。

「よく気づいたね。このゲームのジャンルはこれまでのとは違うよ。WPMMORPGだよ」

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