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異世界惨殺記録(仮名)  作者: 一海
3/6

おいでませ異世界

風が頬を撫でる、草の匂いがする。

「ん…ん?」

少し重たい身体を起こすと、幸せそうな顔をして眠っている雫がいた。……やれやれもう少し寝かせておいてやるか、

「むにゃ……そーちゃん、暑いからって全部脱ぐのはダメだよ……」

「おいまて起きろ」

どんな夢見てるんだこいつは……

流石にそんな夢は見せててやれない

数分後…

「もう!なんで起こしたのそーちゃん!せっかくそーちゃんが全裸で笑ながらコサックダンス踊ってたのに!」

「どんなカオスだよ……」

いや、ほんとこいつの脳内はどうなっているんだ。おかしいだろう、なあ、自称女神様よ。

「もう…て、そんなことよりここ異世界なんだよね?」

「ああ、そのはずだけど……」

うーん、見事になにもないなあ……そういえばちゃんと自称女神は能力を与えてくれたんだろうか

「雫、能力の確認をしよう。」

とりあえずはステータスが見たいよな。

やり方がわからないのでとりあえずクロスソートと同じように手を下に振ってみた

「お、出た出た」

見事、ステータスが映し出された半透明の下敷きくらいの大きさのプレートが現れた

「ふむ…記憶にある通りのステータスだな」

スキルも確認してみたがなんの問題もなかった。

「次はインベントリか……」

ステータスの欄の1番下にあるインベントリボタンを押すと、画面いっぱいにアイテムのアイコンが現れた

「えーと、装備装備……ん?そういえば……」

あれ?装備ってどうしたらいいんだ?クロスソートでは装備欄で装備の着脱は行っていたからなあ……そのまま着ればいいんだろうか?試してみるか。

「ん?そーちゃんどうしたの?」

雫が不思議そうにこちらを見てくる。

「いや、なんでもない。雫はステータスになんの問題もなかったか?」

「ん〜、私の方は問題ないよ〜。そーちゃんは?」

「僕の方も問題ないよ。ところで装備ってどうつける?」

「え?普通に着るんじゃないの?」

「だよねえ…」

普通に着るか……

僕はインベントリから黒色のワイシャツとタンクトップ、そして黒のズボンを取り出し、それに着替えた。そして、2振りの蒼刀身のナイフをベルト部分に装着して装備は完了した。

実際に着ることになるとは思わなかったな…

そう思っていると

「そーちゃん!そーちゃん!どう?」

着替え終わった雫が僕に装備を見せに来たようだ。

雫の装備は、白のワイシャツと黒いハーフパンツに白い膝まであるコートを着たものとシンプルな作りの黒い杖だった。

「うん、似合ってるね。」

素直に褒めておく、すると雫は

「うへへ〜、ありがと!」

とてもご機嫌に笑っていた。

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