4話 仲間ってこうやって出来るもの?
昨日は夜中に走り続けて明け方に体力が尽きて道端の木の根に腰を下ろして休んで朝を迎えていた
「情けないな、恐怖に負けて走り続けてしまった」
少しふらつきながら立ち上がり道に出て歩きながら朝食を取り始める
「昨日はやばかったなあんなの出てくるとは思わなかった」
これからは一人旅はやばいかもしれないと考えていた街に行ったら仲間を見つけたほうがいいかな、そんなことを考えながら歩き続け
2日が過ぎた、丸三日まともに寝ていない
腰を下ろして棒を構えたまま目を瞑り、でも気配は探っている状態での休憩では体はあまり休まらない
今は気が朦朧としてきている、立ちくらみがしてフラっとしたその時、急に森からガサガサっと音がして黒い狼が飛び出してきた、俺はフラフラだった体も頭にも気合を入れてなんとか動かして杖替わりにしていた棒で黒い狼を払いのける
「くそ、あの時の魔物か、ここまでわざわざ追いかけて来たのか」
そんなことを呟きながら頭ではあのでかい狼がきたら死ぬかもしれないと考えていた
気配を探ると目の前の一頭とあと三つ動く気配がした
首に一撃を入れた狼も死んだのを確認していなかったからもしかしたら生きていたのかもしれない
「来い、今度は倒す」
気合とハッタリをかまして自分を奮い立たせてなんとか気持ちが折れないように支える
右から左からでかい狼と黒い狼が現れたので咄嗟に二頭を無視して前にいる黒い狼に向かって走り出す、目の前の狼は飛びかかって来たので棒を下から上に掬い上げて下顎にヒットさせる狼は頭を上に向ける形になりその棒をそのまま奥に押し込む様にして狼を突き飛ばして
俺は残りの二頭に向き直る、突き飛ばした狼は倒せてないけど一頭にかまっていたら後ろからやられてしまう
デカイ狼を見ると右目が潰れている、やはり追っかけて来たようだ、でも何故かまだ一つ森に気配が残ったままだった、俺が逃げたところを襲うつもりなのか?
そんなことを考えながら目の前の黒い狼に向かい
「はぁぁ」と気合を入れて一撃を頭に向けて放つ、渾身の一撃だったためか棒がバキッと軽い音を立てて折れたので折れた棒をデカイ狼の左目に向けて投げる
黒い狼に一撃入れた時にはもうデカイ狼は動いていて、折れた棒を投げる時にはもう目の前に居た、左目に来た棒をデカイ狼が嫌がり避ける
俺は避けるのを見越してもう一本の棒を背中から取り出し、左に体が流れてるデカイ狼の左足に向けて右上から袈裟懸けに叩きつけ、持ち手を少しずらし右手を引くようにしてそのままデカイ狼の下顎を閉じさせるような形で強引に顎をかち上げる、
その間に目の見えていない右側に移り右前足をに突きを放ち横から殴りつけ、反撃をさせないくらいの勢いで殴り続ける
だけど決め手がない、棒が細すぎたか殺すつもりで殴ると棒が折れてしまう、そんなこんなで時間がかかってしまい、もう一匹の黒い狼がこちらに攻撃を加えようとしている、
俺はデカイ狼で手一杯で気をそちらに向けようものなら殺されてしまう
「死んでたまるか」
死ぬ時に言うセリフを言ってしまったかもしれないが俺の心の中では「死にたくない誰か助けてくれ誰か居ないのか助けてくれ、いや助けろ」そう叫んでいたらそのまま口に出していた
「助けろ」
俺はそう叫んでいた
叫んだ瞬間ずっと森に居た気配が動きこちらに猛スピードで向かってきた、しかも黒い狼が飛びつこうとしている所からジャンプする間に目の前に居た
其処にいたのは鎧を来た白骨だった右手にはロングソードを持っていてそれを無造作に黒い狼へと振り下ろし、そのままの勢いで半回転してこちらを向きそのままデカイ狼の頭に一撃を加えていた
瞬きするような時間で二匹を倒してしまった
俺は目の前の白骨、いやスケルトンに礼を言った
「助けてくれてありがとう」
スケルトンは「カカッ」と歯を二回打ち鳴らした、どういたしましてとでも言っているのだろうか
スケルトンの鎧はほぼ無傷で鎧の隙間の布が刃物で切られたようになっている、おそらく生前に盗賊か何かに襲われて死んだ騎士か傭兵なのだろう、俺は騎士を見たことがないし、記憶にある英雄達の来てた鎧とも違うので判断できなかった
ただ鎧に傷は見えないけど汚れていてこの汚れを落としたらきっと錆びているのだろうと想像ができた、なぜならロングソードは錆び付いていたからだ
そんなロングソードで二頭を倒したと考えるとなかなか強いんじゃないかと思ってしまう、もう一回俺はスケルトンに礼を言いデカイ狼と黒い狼の3頭の魔獣の皮を剥いで肉を切り分けていったするとスケルトンが残った骨に触れだした、そうすると骨が次々と消えていった、
俺も前世はスケルトンだったが城から出てないしずっと死霊王の傍に居た作られたスケルトンだから野生の?スケルトンのことを知らなかった
スケルトンは骨を吸収することによって自分を強くするのかもしれないこのスケルトンが強かったのもこうして色々な骨を吸収して来たのだろうか?
「骨を吸収すると強くなるのか?」
気になったことは本人に聞くべきだな、首を振って肯定してくれた俺はスケルトンと会話してるのが面白くなってきていた
今までどこに居たか聞くと気配があった場所の方向を指差す、
「かなり強かったけど最近スケルトンになったのかもな、次は、これからどこに行きたい?」
俺を指差してきた、俺は勘違いをして、こっちに行きたいのかとずれたら指も俺に向かってきた
「俺と一緒に来たいのか?」
カクカクと首を上下に動かして頷いた、肉と皮があればコクンコクンと表現するのに骨は難しいぞ
「じゃあ一緒に行くか」心の中で(スケルトンが仲間になった)とか考えていた
仲間ってこうやって増えていくもんなんだな
「名前決めないとな、スケルトンだから名前はスケさんでいいかな」
スケさんは首を縦に振ったスケさんでいいらしい
「スケさんに大事な質問だ、スケさん睡眠は必要?」
スケさんは首を左右に振った
俺は心の中で喜んだ睡眠不足が解消できると
「じゃあスケさんこの道を進むから行こうか、夜になったら見張りよろしくね」
俺はスケさんと二人?旅をすることになった
俺はマント以外に大きい布を持っていなかったのでマントを使い黒い獣の皮と皮に包んだ肉を包んで持とうとしたらスケさんが片手でヒョイと持ち上げたスケさんは力もあるようだ
夜もスケさんのおかげで安心して眠ることが出来、スケさんは食事も要らない襲ってくる獣もスケさんが蹴散らしてそのままスケさんは獣の骨を吸収して俺は皮と肉を捌いていく
マントがパンパンになっていく
スケさんは俺より大分強かった、俺もまだまだ強くなるつもりなのでスケさんに頼り過ぎるのは良くないと感じているが、街まではスケさんに任せてもいいかもしれないと緩んでいた
そして漸く町が見えてきた、初めて見る町だが結構大きかった
「すみません」
門番に声を掛けてみた
「おう、どうした坊主・・・」
急に門番の顔がこわばったが無視して言いたいことを言った
「すみません、このまま入っても大丈夫ですか?このスケルトンは俺の仲間です」
パンパンになっている布を持ったスケルトンを差して門番は言う
「仲間?使い魔かそれとも魔物使いか?」
俺はどっちかわからないので、使い魔ってかっこいいな
「すみません、違いがよくわからないです、魔物使いだと思うんですが」
「使い魔は魔術師が召喚して使役した魔物を指すんだ、魔物使いは天性のもので野に居る魔物を使役できるんだ、普通は獣とかだと思うんだが坊主は変わってるな」
「じゃあこのまま通っても大丈夫なんですね。よかった」
「確かに大丈夫だが、気をつけろよ、町の中で魔物が悪さすれば坊主は捕まるし、魔物を泊めてくれない宿もある、あとは馬とかと同じ扱いで追加料金とかだな」
この門番の人親切だな
「分かりました、親切にありがとうございます」
と頭を下げて、そのまま街の中に入っていく俺は大した金があるわけじゃないのですぐに冒険者ギルドを目指す
「すみません、冒険者ギルドってどこにありますか?」
近くに居るおばちゃんに聞いてみた、おばちゃんはスケさんにびくびくしながらも冒険者ギルドの場所を指差して教えてくれた
「ありがとうございました、ごめんなさい」
と一礼して冒険者ギルドに向かった、冒険者ギルドの中に入るとカウンターがあった今は昼前で人が居ないのか空いていたのでカウンターにいた人に声を掛けてみた
「すみません、冒険者ギルドに登録にしたいんですが」
「はいはい、じゃあここに必要事項を記入して、字が分からなければ代筆しますよ」
「大丈夫です」
と言って必要事項を書いていく
名前 :ジェス
性別 :男
年齢 :15
出身地:チェロッス山麓の村
出身国;チェロード国
特技 ;棒術
その他;魔物使い 仲間 スケルトン 名前 スケ
必要事項ってなんか微妙だがスケさんが仲間になったので俺はこれから魔物使いとして生きることにした
「これで大丈夫ですか?」
必要事項を記入して受付の人に渡す
「やっぱり魔物使いだったんですね、魔術師には見えなかったので」
とか言いながら、事務処理を行っていた、少し失礼だなまあ格好は見窄らしいから仕方ないかもしれないが、まあそれはいいか待っている間暇なので買取りカウンターに行き、
「すみません、これ買い取って欲しいんですが」
「はいはい、こちらですね」
買取カウンターのおじさんは「はいはい」と言いながら肉と毛皮を見ていく、実は牙や爪の類もスケさんが吸収してしまっている為、お金になりそうなのは毛皮しかない
「はいはい中々いい毛皮ですね、はいはいギーガルのが3000bでガーガルのが二つで1500bで普通の狼のほうがひぃふぅみぃっとはいはい7匹で一個100bで700bのこれが毛皮の金額ですね、で次が肉でギーガルの肉はいい魔力が溜まってて美味しいそうなので毛皮よりお安くなりますが1200bでガーガルのお肉もそれなりに美味しいらしいので二匹分で400bで、普通の狼の肉は売れるんですが安いんで全部で20bでお買い上げさせて頂きます全部の合計ではいはい68cと20bになりますねお売りになられますか?」
大分丁寧な口調だが、「はいはい」言いすぎじゃないか?大きいのはギーガルで黒い狼がガーガルって言うのか知らなかったな、魔物はいい値段になるな狼の肉が安いのは知ってるからいいけど、しかし結構いい値段になったな
金額には問題がなかったので
「はい、それでお願いします」
金を受け取り、血まみれのマントも返ってきた
マントはグチャグチャになったが儲けた金額を考えれば安いものだった村で15bの安物のマントなのだがさらに俺が素材提供して7bで売ってもらった物だからそのマントで包んだおかけで68cも儲けたんだから十分役目は果たしただろう
買取をしている間にギルドカードが出来上がったようだ
「はい、これがギルドカードになります、登録してすぐの方はこちらの青銅のカードになります」
青銅で作られたカードを渡された
「青銅のブロンズカードは錆びやすく壊れやすいのでお気を付けください、ちなみに青銅のブロンズカードは見習い扱いとなります、依頼は見習いの欄からお選びくださいね、
ここからはこれから先の説明になりますが、今お聞きになりますか?」
俺は迷わず、「はい、お願いします」と返答した
「はい、わかりました、昔は皆、鉄のアイアンカードから始めていたんですがタダでカードがもらえるからと子供がアイアンカードを売ってしまうということがあったんです、それから見習いカードの青銅つまりブロンズカードが出来たんです
今はカードに魔法がかかっているのでそんなことはないんですけどね、昔の名残でそのままにしています、なせならアイアンカードからは街の外での活動が出来るのでブロンズからアイアンになる実力がないと困るのでそのままにしています
ブロンズカードは依頼を3つ連続で達成されるとランクアップ出来ます、アイアンになると冒険初心者として扱われます、アイアンの上の銅のカッパーカードになります、カッパーカードは一人前の冒険者という扱いになります、カッパーの上がシルバーカード、シルバーはこの町くらいの大きさだと3組言えれば良い方です
更にシルバーの上がゴールドカードとプラチナカードとブラックカードになります、ここからはシルバーから上がる人に説明するのでランクの説明は終わりです
次に任務失敗ですがブロンズの段階ではギルドが依頼主に補填します、ですがアイアンから失敗した場合はご自分でお支払い下さい
、依頼主に報酬の半分をギルドへの迷惑料で報酬の5倍を支払ってもらいます、疑問はわかりますがこれは昔簡単に失敗してくる冒険者が多かった為に生まれたペナルティなので申し訳ありませんがご了承ください、以上で説明を終わります」
受付の説明が終わり、「ありがとうございました」と俺は依頼のある掲示板に向かった
ブロンズ掲示板には
畑仕事手伝い 10b
害虫駆除 20b
酒の配達 15b
まだあったがこれ以外は10b未満なので見るのをやめた
畑仕事手伝いを持ってカウンターに行った
ちなみに10bのbはブロンズ硬貨のbで10bは定食屋で晩飯を食べれる位の額で1bで水一杯飲める金額でブロンズ硬貨の上がカッパー硬貨で表記が1cで100bの価値があるシルバー硬貨で1sが100cになるゴールド硬貨が1gで10sになる、プラチナ硬貨は1pで100gと同価値である
左から
ブロンズ カッパー シルバー ゴールド プラチナ の順で表記
1b
100b 1c
10000b 100c 1s
100000b 1000c 10s 1g
10000000b 100000c 1000s 100g 1p
1bで水一杯 10bで定食 30bで安宿一泊 100b(1c)で初心者向けロングソード 10000b(1s)で書籍
わかりやすく物価を表すとこんな感じだろうか
カウンターで依頼を受ける許可をもらい依頼の農家に向かった
読んでいただきありがとうございます