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3話 狩られる側を初体験

俺も15歳になり、村を出ることにした


15歳の誕生日を迎えると成人となるので、孤児は15歳で教会を出る、そして村では仕事がないのでそのまま村から出て町を目指し町で生活することになる


俺は1人で旅立った、司祭に可哀想な顔をされ見送られた、


そう俺は1人だ、昔居た孤児も皆村を出て行っている、あの頃はまだ良かった

俺が11歳の頃は


「皆、森でうさぎとか狩って司祭様やシスターに肉料理作ってもらおう」


「いいね、皆行こうか」


俺が提案すると最年長のダンカンが乗っかって皆に伝えて行動するのが定番になっていた


「うん」 「いいよ~」 等の返事があって森に行くことになった


狩りも皆がすごいので順調に進み


「狩りって簡単だね」


一番下のジョンが言い、最年長のダンカンですら調子に乗って頷いている、そんな感じの毎日が過ぎ


俺が12歳になる頃には俺以外の全員は単独で狼を狩ることができるようになっていた、俺自身も狩ることは出来るのだが安全面を考えて単独で狩るようなことはしないあくまでも体は12歳なので限界がある


俺が13歳になる頃には皆は俺を置いて熊狩りに行くようになっていた、俺は身体強化も出来ないからと置いていかれる、神聖魔法が使えないと身体強化はできないので仕方ないかと思っていたが


ダンカンが15歳になった時にそれは起こった

ダンカンが成人して教会を出るのを見送ろうとした時に、俺以外の全員が旅支度をしていたのだ

司祭も知っていたのか俺に目を合わせないしシスターも合わせない、というかシスターも旅支度をしていた、


後で司祭に聞いたらシスターは元々孤児が教会に増えたことで手が足りないので町から派遣してもらっていたのだという


俺は何も知らされないまま、皆を見送りその後二年間孤児院に1人ぼっちの状態にされた

そして1人になったことで畑仕事も増えて体を鍛える時間が全て畑仕事に変わった、畑を耕し、別の畑には種をまき、他の収穫終わった畑の草をまとめたりして、余った時間には狩りをした


俺は2年間畑仕事で自分の体を苛め抜き食事も下手な家より量を食べ立派な体になって旅立ちの日を迎えていた


町へは徒歩で片道5日といったところだ、馬車で2日ってところだ、これを最初聞いたとき馬車早いと思ったんだが


道は馬車が通る程度の幅があり、人は何日も歩くことを想定して荷物を持っていくので、徒歩一日で行ける距離だと荷物を減らして、馬と同じくらいの移動距離も可能らしいが、何日も掛かる道では馬車の方が断然早くなるとのことだが


「村には馬車を売ってないし、馬なんて買う金がないからな~、歩くしかないんだよなぁ」


村を出て一人で呟きながら歩いていた、森に道があるので周りは木と草だらけで森の奥からはカサカサ音がしたり何かの鳴き声なんかもしている


森で狩りをする時は自分から行くので気持ちが高ぶって恐怖心は薄かったけど、一人で道を歩いて何か来るんじゃないかと思いながら歩くのは思いのほか怖いものだった


「くそ、昼間に怖がってどうする、夜も一人なんだぞ」


恐怖心を振り払うように自分に言い聞かせて歩き続ける


休憩を取るついでに朝食を食べることにした、朝食と言っても葉野菜を湯掻いてすり鉢で蒸したイモト練って棒状にして焼いたものを食べている


「やっぱ不味いな、でも調理器具も持ってないし、こんなところで調理なんてしてられないしここら辺は諦めるしかないな」


これの他にも豆と混ぜたものや色々あるが出来るだけ水分を飛ばして固く焼いた芋でそれに小麦粉を焼いたもので巻いてあるものもある


色々種類は用意したけども5日目位からは豆そのものや果物をそのまま食べるようになると思う


「旅の間の食事って大事だよなぁ」


そんなことを考えながら歩いて行った、夜に差し掛かる頃に違和感に気づいた、俺を狙っているような視線だと思う


「流石に襲われないで町まで行けるとは思ってなかったけど、暗くなるこの時間に狙ってくるのか」


呟きながら周囲を警戒する


ほんの数十秒なのだが10分くらいにも感じながら待ち構えていると

道の右側から目の前に狼の様な狼の倍くらいある黒い獣が現れた、そのデカイ狼が吠えると右側の森から3匹の狼より少し大きいくらいの黒い狼がデカイ狼と違って、直接俺に飛びかかって来た


俺の手持ちの武器は木で作った棒だ、本当は剣とかが良かったのだが金が無いので持っていない折れてもいいように3本の140cmくらいの木の棒を持っている


ロングソードが刃渡り80cmくらいに持ち手があるので長さは95cmくらいと考えると140cmは長いかもしれないが槍と考えると140cmは短いような感じなので中途半端な長さとも言えるけど俺はその棒を操って今まで狩りをしてきた


その棒を使い一匹を右に向かって振って殴り付ける


「はっ、せい」


刃が付いているわけではないのでどこでも持てるしどこでも殴れるので左向かって今度は棒の反対側で殴りつけて、最後の一匹は棒に噛み付かせてそのまま棒を回転させて黒い狼が動揺しているうちに蹴り飛ばした


「なんとか、うまくいった」


棒で殴りつけた二匹は首を左右に振っている、その隙を狙ってそのうちの一匹の首に一撃を叩きつける


「払いのけるためのさっきのより効くだろう」


少し興奮しているようだ、黒い狼に向かって声を荒げて何か口走っていた


大型の魔物を狩った経験は無いけど、狼や鹿、うさぎなどの獣を狩った経験が役に立っている

興奮気味だけど、思ってたより動けてる


蹴り飛ばした一匹が右から棒で左に飛ばした一匹が左から両サイドから来る落ち着いて対処しようと思ったら正面からデカイ狼が突っ込んできた


咄嗟に棒を背中から一本を横にして両サイドから来る黒い狼をつっかえ棒のようにして突進を阻み正面の狼に対応する時間を作り出した、そのまま立っててもやられると思ったので


左に飛びながら狼の顔に向かって棒を突き出す、その時に棒の先を右手の手のひらで押し込むようにというか棒に向かって掌底打ちをする感じで棒を力強く放つと


棒がデカイ狼の右目にめり込み、デカイ狼は悲鳴のような声を上げて二匹の黒い狼と共に逃げていった


「怒りに任せて襲って来るかと思ったけど、逃げていったな。俺としては助かった」


こんなにギリギリの戦いをしたのは初めてだったのでかなり厳しかった、何回死んでもおかしくない場面はあったと思う


死ぬかもしれなかった恐怖を思い出したかのように俺は走り出す、この場には居たくなかった


「はぁはぁはぁ」


夜中中走った、恐怖で眠気も無かったしあの狼に夜に襲われたら勝てる気がしなかったため逃げるように走り続けた




読んでいただきありがとうございます

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