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第二話 いざアジトへ

さっきからひたすらに聞いていたのだが、どうにもこうにも首領の話は激しく長かった……

ハッキリ言って無駄にしか思えないような所があまりに多かったので後半は適当に聞いていたのだが、どうやらアジトにヒロインや他組織の資料があると言う事なので首領と一緒にアジトへと向かう事にした。


ひとまず戸締りをして外にでてみる。

さて車を用意しようかと思った時に、スタスタと景気良く首領が歩き始めたので何気に聞いてみる。

「おや? もしかして、ここから近いのかな?」

それに笑顔で答えた。

「えぇ、8時間も歩けば着きます」

「はぁ、8時間ね……って、おいっ! そんなに歩く気?」

驚いて聞くと、首領は当たり前のように答えた。

「えぇ、最近ウォーキングに凝っておりましてね」

凝りすぎだよっ! って、歩いて来たんか! この爺さんはっ!

私は、おもむろに駐車場を指差した。

「いや……向こうに私の車があるから、それで……」

「はぁ、そうですか……」

妙に残念そうな表情を浮かべて居るが、さすがに8時間は付き合いきれないって……


私の車と言っても、知り合いから激安で譲ってもらったオンボロの中古車だ。

もうあちこちヘタっているが、肝心な部分はまだ壊れていないので助かっている。

まぁ、無理な走りが禁物であるのは……確かだと思うが……


実の所を言うと、本当はメッチャかっこいいバイクが欲しい……

ほらっ! 改造人間って言えばアレじゃありませんか!

いや、別にこだわってる訳じゃないんだけど~……

まぁいずれにしても金が無いので、このオンボロで我慢するしか無いのだが……

いかん……なんだか微妙に悲しくなってきた……

やはり、夢など語るものでは無いな。



首領に道を指示されながら辿り着いた場所は、意外にも普通の商業ビルだった。

しかし、ここまで車でも一時間以上は掛かってるのに……歩いてきたって……


ひとまず車を駐車場に入れてから建物の中へ入って行くと、数人の人々が首領に頭を下げて通り過ぎて行く。

あまりに普通すぎて微妙に緊張感が無いが、こうでもしなければ秘密結社として成立させるのも大変なのだろう。



案内された部屋の扉を開けて驚いた。

資料と言っても2~3冊程度のファイルかと思っていたが、予想を遥かに超えている。

壁に沿って左右に備え付けられた大きな灰色のスチール棚に、ビッチリと分厚いファイルが詰まっていた。

真ん中に縦長の折り畳みテーブルが広げておいてあるが、机の表面の木材が暗い焦げ茶色なので、やたらと地味な雰囲気だ。

そして、それほど広い部屋では無いので相当に圧迫感を感じる。


試しに一冊のファイルを引っ張り出して、中身を確認しながら首領に尋ねる。

「この資料は、いったい誰が?」

「はい、調査はエビキラーが担当しております」

エビキラー? それって怪人?

名前からしてエビの怪人なのかな~?

いや、エビキラーだろ? 自分を殺してどうするよ……

まぁ、それは置いておこう。


ひとまず先へと資料に目を通して行く。

ふむ、なるほど……これはヒロインの資料みたいだな。

しかし、それにしても……

住所に名前と……学校名も書いてあるよ。

一丸中学校2の2……って中学生かよっ!

おいおい、友達関係まで網羅してるじゃん。

良くもまぁ、こんなに調べたよな~。

ストーカーじゃ無いんだからさ~……


ん? それに何だよ、相手の弱点まで書いてあるしっ!

ってか、これで勝てないってどう言う事よ……

私は、おもわず首を傾げてしまった。


だが、いずれにしてもこの調査力は半端じゃないな。

「そのエビキラーと言う者に会いたいんだけど、どこに居るのかな?」

「では、ご案内致します」

私はファイルを元の場所に戻してから、首領の後ろを着いて行った。



















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