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ヒスティマ Ⅲ  作者: 長谷川 レン
第五章 魔石争奪戦
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あれと同じのだったら……



 ボク達は一チーム目を倒して魔石を手に入れた後、三十分たち、パネルを見た。

 すると、近くに一チームいた。ボク等はそれを警戒している方向へと視線を向けたが、アキの指示によってハナの張った罠だけを残して戦闘を回避した。

 その行動に、ボクは不思議と思ってアキに訊いてみた。


「あの、どうして戦わなかったのですか?」

「ふふん。リクちゃん。これをただの『魔石争奪戦』だなんて思わない事だよ! これはね。『魔石争奪戦』とは名ばかりの『バトルロワイヤル』なんだから!」


 バトルロワイヤル?

 それって、最後まで生き残った人が勝ちのサバイバルゲームだよね。


「……なるほど。……さっきの罠はただの足止め?」

「私は思いっきり攻撃用の罠を張ったのね! しかも結構魔力込めたから一発で気絶なのね!」


 ハナが笑顔でそう言うと、突然、ボク達が歩いてきた方角からとても大きな音が聞こえた。つい目を向けると、そこには木々の合間から蔓のような物が見えていた。それもとても大きな。


「…………」


 しかもその蔓の先の方に何やら人が捕まっていて、動いていない。


「正直言って、あの大きさはすごいわね」


 ソウナが素直に感心しているが、ボクはコメントする事が出来なかった。

 ちなみにこの時、他の場所からこの蔓を見ていた生徒達は……。


「うわっ。あれ絶対に【緋色の花】じゃね?」「確かに……」「あいつ以外にあんな大きな罠張れないよな?」「無駄に魔力消費してるけどな」「俺も捕まって酷い扱いされてぇ」「「「…………」」」


 などと言われていた。

 そうしていると、地面がいきなりひび割れて、そこから蔓が生えてきた。その先に橙色に光る魔石が握られていた。


「はい! 魔石なのね!」


 とても便利な蔓だった。

 再利用が可能だと言うので、ハナは生えていた蔓を元に戻してまた元の場所に罠を設置し終えたという。

 ……かなり便利だと思ってしまった。


「だからハナには戦闘では使わないって言ったでしょ? そこら中に罠を張れば楽勝よ!」


 なんとも汚い手だった。


「でも、あんな大規模な魔法いくら設置できるの?」

「あれと同じのだったらもう使えないのね!」


 自信満々に言うことじゃないと思う。確かに、あの大きさの物だったら生徒だったら何個も設置できないだろう。


「……作戦を考え直すしかないね……」


 本当にハナの罠だけで突破するつもりだったのか、アキは。


「ところでアキさん。ここから湖のほとりはそれなりに歩きますが、その間に敵と出会ったらどうするんですの? また逃げますの?」


 バトルロワイヤルだとアキは言っていたから逃げると言う可能性が出てくる。


「ううん。さすがに出会っちゃったら戦うけど……その時はまずは白夜ちゃんが防いで、リクちゃんが特攻。出来なかったらリクちゃんも防ぐ。森でなら基本マナちゃんが攻撃して、湖についたらマナちゃんよりもレナちゃんが攻撃する。わかった?」

「了解~」「了解ですわ」


 アキが指示を出すと、それにマナとレナが従う。

 最初、ボクは防ぐだけでは無かっただろうかと思うが細かいことは気にしない事にした。

 ボク達は湖のほとりへと向かっていた途中、人の気配がした。


「待ってください。誰かいます」


 ボクがそういと、他の人達が止まる。アキが目だけでボクを見てくるのでボクはこっちと言って木の影に隠れながら近づいて行く。

 木の影から覗くと、そこに他の一学年のチームが休んでいた。誰もボク達には気づかずに休んでいる。見張りらしい人も他の生徒の目を盗んで休んでいる。


「これなら楽勝だね。マナちゃん。思いっきりやっちゃって。その後に白夜ちゃんとリクちゃんが特攻」

「わかった~」


 マナが目配せをする。ボクと白夜はそれぞれ頷く。


「いくよ~。〈火弾〉〈火連弾〉〈火渦〉!」


 マナがいくつもの魔法を同時に発動。突如として現れた炎の魔法が休んでいた生徒達を襲う。


「うわぁ」「なんだ!?」「て、敵! 敵だ!」


 見張りの生徒が慌てて言い始めるけど残念ながら遅すぎた。すでにマナの魔法で七人中四人が戦闘不能となり、残りの人数が三人となってしまった。

 ボクと白夜がそれぞれの生徒へと攻撃して気絶させ、もう一人の見張っていた生徒にマナが魔法で止めを刺した。


「やっぱり奇襲だと楽だね」

「そうですわね。やるなら奇襲は大切ですわ」


 今回は奇襲が大成功したために簡単に倒す事が出来た。奇襲に成功しなくても特に強い人がいない一学年のチームだったので簡単に勝てる事が出来た。


「お。やっぱり一学年はリーダーが持ってるねぇ。はい、終了」


 そう言いながらアキは魔石をポケットへと入れる。

 すると、白夜が槍を構えて……。


「……そこに隠れて漁夫の利を得ようとしてる人も片付ける?」


 銃弾を撃つ。


 銃弾を撃たれた場所はただの草むらだったというのに、ガサガサと揺れながら草むらから三人の生徒が出てきた。


「バレてたか。仕方ない。作戦Bに移行するぞ!」「「おう!」」


 ネクタイを見る限り学年は二学年。今指示を出した人がリーダーなのだろう。その人はその手に小刀を逆手に持って構えていた。


「白夜ちゃん! リクちゃん! 頼むよ!」

「わかりました!」

「……了解」


 ボクと白夜が前に出て、マナとレナが魔力を練る。


「行くぞ!」


 小刀を持っている男の指示により同時に三人とも特攻してくる。

 ボクは素手では戦えないだろうと考え、仕方なく武器を創造する。


「空白魔法。〈クリアブレード〉」


 手に何か堅い感触がする。ボクはそれを握りしめ、特攻してくる三人へと攻撃しようとすると――。


「リクちゃんの相手は僕がしよう!」


 目の前に現れた炎の拳にボクは慌てて身を逸らした。


 ボクのお腹のあった場所へと炎の拳が通り抜ける。ボクは身をひるがえして持っている透明な刀を振るったが、何かがあると感じたのか、攻撃してきた生徒は身をかがめて避けた先で更に攻撃してきた。

 ボクはその拳の当たらない場所まで下がると、刀を構えた。


「グレンさん……。まったく気がつきませんでした」

「しょうがないよ。あの三人が注意をひきつけてたんだから。それでも僕は初撃を回避されるとは思わなかったな」


 初撃を回避したと言っても紙一重だ。炎がボクの皮膚を少しだけ焼いた。

 これで白夜が三人と同時に戦う事になってしまったが、グレン相手じゃボクのすぐに助けに行く事ができなさそうだ。


「レナちゃん! リクちゃんの支援! 水属性ならグレン先輩相手でもそれなりに行けるはず!」

「わかりましたわ!」


 どうやらこちらにレナが支援しに来てくれるようだ。おかげで少しは楽になりそう。


「水属性か。さすがに厳しいかな?」

「ロピアルズに入る人がそんなこと言ってもいいんですか?」

「それもそうか」


 からかいの言葉をかけると、苦笑するグレン。


「リクさん。行きますわ! 〈ウォーターランス〉!」


 レナが魔法を放ち、水の槍がグレンへと向かう。


「残念。こっちにも後衛がいるんだよ」

「〈サンダーランス〉!」


 属性の違う、雷の槍がレナの放った水の槍へとぶつかり合い。そして雷の槍が勝つ。しかもそれは勢いを劣らせずにレナへと接近する。

 さすがにマズイと思って、ボクは雷の槍へと走り出して手に持つ透明な刀で真っ二つにする。


「わぁ。さっき何か感じて避けてみたんだけど……なんか持ってるみたいだね」


 さすがに今のを見られてしまえば言い訳の使用が無い。

 ボクは刀を両手で持ち、構える。そういえば、この魔法は一回に使える時間が一分だった。

 ボクは一度魔法を消す。そして再び魔力を練って、刀を握る。


「行きます!」


 ボクはいつまでも白夜一人で三人を相手にさせてはいけないと、早めにグレンを倒すべく突進した。


 グレンはそれに答えて拳を構え、まずは真正面へ攻撃。下へと避けたために足で蹴り上げる。

 ボクはそれを横によけながら足でグレンの腹へと蹴ると、力を入れていたのかあまりダメージが見えない。そんなことはお構いなしにボクは刀を水平に斬りつける。

 だがグレンはジャンプしながら回し蹴りを放ってきたのでボクは刀から左手を離して左手で受け止める。相殺しきれなかった分によってボクは地面をずりながら滑ると、ボクが今までいた所に水の槍が突き出されたが、雷の槍がまたも妨害する。今度はレナの方へと向かわなかったが、これではグレンに攻撃が届かない。

 ボクは滑った後に足にすぐに力を入れて接近。片手で刀を振るい始める。グレンはボクの手を見ながら来ように避けて行き、途中途中で拳を返してきた。


 そういえば、グレンはあまり魔法を使ってこない。魔法を使った方が強いのに、拳だけで戦っているグレン。それはつまり、魔力の出し惜しみをしているということだろう。そして魔力の出し惜しみをしているということは……。


(ボクの速度に追いつけない!)


 ボクは身体強化魔法を使い、風となってグレンへと近づいた。


「はや――ッ!」


 ボクはその速度のまま刀を振るいまくる。それにグレンは拳を合わせて来て、防ぎ始める。


「お願いしますわ、ソウナさん! 〈ウォーターランス・散槍〉!」


 レナの声が聞こえる。水の槍が三方向からグレンを挟み打つように接近。ボクが攻撃している所に撃ってくるということは難しいが、ボクはタイミングを計り、グレンから遠ざかる。


「くっ、避けれない」

「任せて! 〈サンダーブラスト〉!」


 そう言って雷が拡散して三方向から来る水の魔法に向かって行く。


「〈サンダーキャンセラー〉!」


 アキが、拡散した雷をほとんど解除する。


「〈ラスト・コントローラー〉!」


 続いてソウナの声が聞こえたと思われると、それぞれの水の魔法が雷から逃げるようにして動き、グレンへと向かった。


「なに!?」

「ぐぁ!」


 まともに三つの水の槍がグレンへと直撃し、拳に纏っていた炎も先程よりも弱くなっていた。

 ボクは勝機だと思い、跳躍。そしてボクは刀を振るう。

 グレンはそれに気がついて拳を振るって応戦するが、態勢が悪かったのか、ボクが打ち勝ち、グレンの拳ごと体を切り裂くようにして攻撃した。


「よし!」


 一番厄介なグレンが気絶すると、レナが水の魔法を白夜が戦っている生徒の方へと攻撃する。マナがそれを見て先程から雷を使っている後衛の方へと火属性のオンパレードを見舞った。

 奥に居た後衛が倒れると同時に、白夜を襲っていた三人組も倒れた。


「あれ? 五人? もう二人は……」


 アキがその事を不思議に思う。だけど、一向に姿を見せようとしない二人。いや、元々二人は空席だったのかもしれないと思い、アキはボクらに周囲の警戒をさせておいて、魔石を探し始めた。

 結果、後ろで雷を放っていた生徒が持っていて、それを取ると、グレンのチームは消えていった。


誤字、脱字、修正点があれば指摘を。

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