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ヒスティマ Ⅲ  作者: 長谷川 レン
第三章 世界の変異
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 Intermission 忍び寄る影2

すみません。今回訳あって文字数少ないです……。



 彼女に会えた。

 それはとても嬉しい事だった。生きていた中で一番楽しい事が起こった。


「なんだお前、楽しそうだな」


 肩から声が聞こえてくる。大量の血が出ていて自分で動けない為に私に背負わされているのだ。

 邪魔で仕方が無い。でも今は機嫌がいいので運んでいる。

 ちなみに普通に話す事ができるのは私が痛覚を遮断したからで、別に良くなったわけじゃない。


「そう見える?」

「ああ。何が楽しそうなのかはわからないけどな」


 わからなくていい。これは私の目的への第一歩なのだから。

 しかも、かなり大きな一歩だ。

 今のところ私の計画は順調。

 上がなんて言うかは知らないけど、別にどうでもいい。上なんて知らないし興味もない。上官を恐れていては自分の計画なんて進まない。

 でも組織の中では私はそれなりに上の職についているからほとんどの人が私の素行に文句を言えないが。

 肩を貸している竜田以外。こいつは遠慮という物を知らないから困る。


「にしても、聖地様……。いつもと雰囲気が違ったな。お前、これわかってたのか?」

「知らなかった。でも予想はしていたから負けると言った」


 嘘はついていない。


「チッ。聖地様……最後、逆刃刀で攻撃しやがった。舐めやがって……」


 逆刃刀……。普通の日本刀と違い、逆刃刀はそっている内側の方が刃となっていて、外側は斬れないようになっている。通称、斬れない刀だ。

 居合を得意とする日本刀なのに、肝心の刃が抜き放つ外側に無いために斬れない刀といわれている。


 それでも、コンマ秒速の速さで振られたら斬る事ができるだろう。この場合、斬るのではなくて焼き斬るが正解だろう。

 竜田はその逆刃刀で居合斬りをくらったのだ。完全に殺せる状態だったというのに……。

 竜田が、そんなことをされて腹が立つのは仕方が無い。死ぬ覚悟を敵に拾われるのだから。


「でも、生きていて良かった」

「お、何だ? もしかして普段から俺の事結構す――」


 肩から竜田を落とした。ついでに痛覚遮断も無くした。


「イデッ! 落とすなよ!」


 私は気にせず足の歩を進めた。

 振り向く様子が無い私に焦る竜田。


「ま、待ってくれ! いや、待ってください! チョーシに乗りました! 許して下さい!」


 まだちょっとふざけていると思われるが、仕方が無い。こんな所に置いて行っても邪魔なだけだろう。

 私はまた竜田の肩を持って手荒く持つ。


「いててて! もうちょっと優しくしてくれ……いや、してください」

「無理」


 一言で切り捨ててやった。

 私はそれからの手荒く運び始めた。その事に竜田が何も言わないのでこのまま手荒く運ぶ事とした。

 そうすること数時間。何とか自分の自宅へと変える事ができた。


「ただいま」


 帰りの挨拶をしても返ってくる事がない。なぜなら両親は遠い昔に死んでいる。だから、まったく期待してしなかったのだが……。


「お帰り」


 部屋の奥から声が聞こえてきた。

 声の主は……。


「守護十二剣士は倒せた?」


 リビングにあるソファに一人、座っていた。

 ここは組織の人が集まるような場所じゃ無いはずだ。

 私はとりあえず彼女の質問に首を振るった。


「まぁそんなところでしょ。でも、その顔を見る限り何か面白かったようね」


 それはどうだろう?

 私は自分自身の事なのに疑問を持つ。


「まぁ気にしてないなら無視して。それより、次の仕事のプラン」


 そう言って手渡される紙。竜田が邪魔だからそこら辺のソファへと転がす。「イッテェッ」という竜田の言葉を無視して私はその紙を掴む。

 そして広げて書いてある内容を読み始めた。

 大体が『魔石争奪戦』の時の動き方だ。私は不自然に動く事が無いように、よく紙を呼んでから目の前にいるこの人に訂正してもいいかと聞く。今回はそのような物が無かったので訂正してもいい場所を聞かなかった。


「不満は無い? だったらあたしはもう行く。忙しいのでね」


 そう言うと、挨拶も無しにその場から消えていった。


 私は紙を握って、丸めた後、黒い闇の中に入れた。

 ゴミ箱ならぬゴミ空間だ。それも私専用の空間。


 今回もめんどくさい仕事だ。

 一度くらいは簡単な仕事があったらいいなと思ってしまった。


誤字、脱字、修正点があれば指摘を。

感想や質問も待ってます。

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