表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ヒスティマ Ⅲ  作者: 長谷川 レン
第三章 世界の変異
16/77

またやってしまった……。



 ゲートをソウナと一緒にくぐった時、街は普段よりも一段と騒がしかった。


「一体どうしたんですかね?」

「さぁ? でも、街の人々の顔を見てみて」


 ソウナに言われるままに街の人々を見てみる。

 武器を持ってたりする光景はもう見慣れてしまっていて、今ではどんな武器を持っているのかななんて思ってしまう。

 そしてこれまで生活していて気がついたことはほとんどの人は刀や太刀を持っている人が少ないのだ。

 大体の人が剣や銃、短剣を選んでいる。

 そして、ボクはソウナに言われたように人々の顔を見てみると……。


 ――ほとんどの人の顔が暗くなっていたり騒いでいる人がいた。


「何が……」

「わからないわ。でも、私達は運がついているようね」


 そう言って前に指を指すソウナ。

 指の先を追っていくと、そこには何か紙のような物を撒いている少女が一人とその少女を一生懸命追って行く少女が一人いた。


「アキさん?」

「【情報師】を名乗る彼女はもう新聞を撒いているみたいね。それもタダで。つまり余程の事ってことよ」


 確かに。よく見れば新聞にも見て取れる。

 するとそのまま走っている彼女の新聞を次々と群がるようにして人々が取って行く。


「あれ? リクちゃん? ハナストップ!」

「はいなのね! ……っていきなり止まれないのねぇぇええええええ!」


 キュッと止まったアキに対しハナは止まれずに過ぎていった。


「ハナ~? どこ行くの? そっちに私はいないよ?」


 すると、ズドドドド! っと音がして戻ってきたハナは開口一番に言った。


「アキちゃんがいきなり止まるのが悪いのね!」

「あははは。しょうがないじゃん! リクちゃんに会っちゃったんだから」


 その理屈はおかしい。

 まぁ止まってくれてうれしかったが。


「それじゃあリクちゃんとソウナさん! 私に何か訊きたいことは無い?」

「それじゃあさっそくだけど、どうして街が騒がしいのか訊いてもいいかしら?」


 かなり単刀直入ですね。


「それがね! スクープなのスクープ!! 闇系統属性の弱体化とトラップ魔法の無力化されちゃったの!!」

「!?」

「……もう少し詳しくお願いできないかしら?」


 いつになく真剣な表情になるソウナ。

 だけどボクは夢で聞いたあの言葉を思い出していた。



 ――一つは電光の中心から八時の方向、知を司る〝ヒナ〟。もう一つは電光の中心から十時の方向、闇を司る〝阿偽(アギ)〟。



 ――この二つを黒い悪に消されてしまった。



 ――世界の声が悲鳴をあげている。それは知と闇が消されてしまったから。



 夢の彼女はこの事を……。


「それがね、よくわからないんだけど……。朝起きたら突然そうなってて……。集めた情報の話だとね? 具体的に午前1:30分ぐらいだったんだって」

「……起きた原因はわからない訳ね……」


 ため息をつくソウナ。

 ボクはその夢の事はアキの手前言えなかった。

 それから、ソウナは携帯をみる。


「そろそろ朝のSHRが始まるわ。アキさん達は行かないの?」

「もちろん行くよ! これだけの騒ぎ……。朝の緊急集会が開かれるに決まってるからね!」


 アキが目を光らせる。

 ボク等は学校へと真っ直ぐに走って行った。



 案の定、朝の緊急集会があり、ボク達はそれにぎりぎりで間に合う事が出来た。

 それも開始一分前だった。


「何やってたの~?」

「アキさんにつかまってました……」


 マナの質問に対し、ボクは素直に返した。

 すると、マナは納得と言ったようにして壇上で話している真陽に言葉に耳を傾けた。


「みんなも……特に闇系統属性を使う人やトラップ魔法を得意とする物は実感したと思う。これはそして、もうすでにロピアルズの方で動いているみたいだから安心しなぁ」


 だけど、その言葉に生徒達はざわざわと騒ぎ始めた。

 それはそうだろう。

 いくらロピアルズが動いているからと言っても、これでは『魔石争奪戦』に支障が出てくる。

 特に、闇系統属性を使う人にとっては最悪な事態だ。

 『魔石争奪戦』で絶対に勝ちぬける事が出来ない。


「静かにしなぁ。そして安心しなぁ。『魔石争奪戦』の最中はこの桜花魔法学校区域の中は特殊なフィールド魔法を発動させるから闇系統属性やトラップ魔法は発動できるよぉ」


 どうしてそんなことが? だって世界の盾が壊されてしまったのに……。


「信用ができないなら今日の放課後、この体育館に来る事ぉ。これから放課後の体育館は完全下校時刻より十分前まで開けておく事にするからねぇ。以上。私からはこれで話しは終わりだよぉ」

「起立! 礼!」


 司会をする先生の指示の元、ボク等は礼をする。

 真陽はそれから壇上を下りて、脇へと避けて行った。

 その後は他の先生のお知らせのような物を聞いて、緊急集会は終了したのであった。


「あんまりおもしろいスクープ無かったぁ。つまんないの」

「もう少し教えてもらいたかったのね!」


 情報をこよなく愛するアキとハナは朝の緊急集会に少し残念がっていた。


「でも、特殊なフィールド魔法って気になるなぁ」

「私もなのね! どんな特殊か見てみたいのね!」

「ちょっと日本語がおかしいけど見てみたいよね! もうここは真陽先生に取材かな!?」


 先ほどとは一転して今度は騒ぎ始めた。

 他の人達よりも十分に目立つためにどこに居てもわかりやすい事この上ない。

 スペ組とイク組とネイ組なのだ……って二人はいつの間に一緒になったんだろう?

 アキはイク組なのにハナはネイ組なのだ。と言うより、ボクはあの二人がそれぞれ別れている時を見た事が無い。

 どちらかがいればもう一方もいるのだ。


「それじゃあ、ボク等も教室に戻りましょうか」

「そうしよ~」


 答えたのはマナだけで同じ組でよく喋るソウナとレナはすでに先に戻っていたようだった。

 ボク等は揃って二人で教室に戻る。

 教室にはもうほとんどの生徒が揃っていて、教材を用意していたり、友達と喋っている人がたくさんいた。


「あら、二人とも遅かったわね」

「そういうソウナさんは早かったですね……」


 ボクの記憶通りであればソウナは緊急集会が終わった瞬間、体育館から抜けていたような気がした。


「リク君はわかってるでしょう?」


 ソウナは何を当たり前だと言わんばかりに言ってきた。

 元々ソウナは箱入りで育っていたので人が多い所はあまり好きじゃないらしい。


「そういえば今日の集会で思い出したのですが、リクさんはチームを決めまして?」


 レナが思い出したようにそう言った時だった。


「リクちゃん! 俺のチームに!」「こんな奴のチームよりも俺のチームに!!」「男なんかに任せられないわよ! 野郎チームよりも私のチームに!」「何言ってんのよ! リクちゃんは私のチーム!」


 思いっきりクラスメイトに囲まれた。

 マナ、ソウナ、レナは全員弾かれた。


「え? み、みなさん? 待ってください。もう授業が――」


 ボクが集まったクラスメイトをなんとか治めようとしたが……。


「そこどかないと燃やすよ~?」「わたくしたちが話していましたのよ? 礼儀知らずではなくて?」「あなた達。今すぐどかないと斬るわよ?」

「く、今日という今日は!」「今日のために俺は鍛えて来たんだ!」「絶対に渡せないわ!」「イツメンなんて面白くないでしょ? だから私達が組むのよ!」


 ボクの言葉などをまる無視で燃え上がる二チーム(?)。


 今ここで〈フローズン・クリスタル〉を使えば両社のチームは固まり、すぐに収拾がつくだろう。そして授業が始まる。魔力をちゃんとコントロールすれば少なくとも保健室送りにはならないはずだ。

 そして、ボクはどうするか悩みに悩んだ結果。やるしかないと思い、魔力を練り始める。

 そして――、



「〈フローズン・クリスタ――」

「おーい、授業始まるから席につ――」







 え?








 スペイレイトハンドゥ組の最初の授業は、実習になりました。


 出席した人数。一人。


 仕方ないので勉強しながら頭の中で三人の騒がしい神様たちといろいろな話をして時間を潰したのだった。


誤字、脱字、修正点があれば指摘を。

感想や質問も待ってます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ