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ヒスティマ Ⅲ  作者: 長谷川 レン
第二章 ルクセル家
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買い物

前回から第二章が始まっていました……。書くのを忘れていてすみません(==;



「お待たせしましたわ」


 病院から出てきたレナはボクの隣へと並ぶ。


「それじゃあ、途中まで一緒に……」


 帰ろうと言おうとしたボクの言葉を遮ってレナがボクに言った。


「これから、少し買い物をしなければなりませんの……手伝って欲しいですわ」

「え? 買い物……ですか?」

「えぇ。そうですわ」


 ボクが聞き返すとレナは頷いて肯定する。

 ボクは特に買い物をする必要は無いのだが、何か切れていた物が無いか頭で考えた後、そういえばと思いだす。

 冷蔵庫の中身がもうほとんど残っておらず、材料を買っていかなければ料理を作れないのだ。

 昨日の夜、母さんが好き勝手に一品一品を五人では食べきれないほど作ったおかげで材料がほぼ無いのだ。あまりものならば残っているが。

 それはともかく、ボクは買い物をしなければいけない状況だと今わかった。


「レナさんはどんなものを? ボクは母さんが好き勝手に作ったおかげで材料が無いので食料を買っていきたいのですが……」

「奇遇ですわ。わたくしも食料を買っていかなければいけないんですわ」


 それならば召使いにやらせればいいのになぜ自分で?

 当然にそういう疑問が浮かんできたが、ボクは別にいいかと考える事を放棄した。


「それでは、まずはこの近くにあるスーパーから行きましょう」


 ボクはこの地にはまだ疎いので、ここはレナの案内にただ付き従うだけだった。

 その途中、ボクはレナの弟であるカンマの事を聞いてみた。


「そういえば、カンマさんは一体どうして病院に?」


 すると、レナはピタッと脚を止める。

 聞いてはいけなかっただろうかと思いながらボクはレナの隣へと並んだ。


「カンマは……今の魔法では治せない、不治の病ですわ……」

「不治の……。それって……」


 ボクは最悪の状況を想像すると、レナは頷く。


「えぇ。助かる見込みはありませんわ。それでも入院させているのは何とかして治る方法が無いか探しているからですわ」


 これまで探してみても無駄であった。

 そして、魔法は係っているようには見えなかったので本当のウイルスなのだろうかと当たりをつけてみる。ウイルスは魔法で治す事が出来ない。

 魔法も万能ではないのだ。魔法で治す事が出来ないからこそ病院という建物があるらしいのだが。


「もって後一年ほどらしいですわ……。初めは三年もありましたのに……時が経つのは早いですわ」

「そう……ですか……」


 後一年しか生きられないのか……。

 ボクは脚を動かし始めると、レナも同じように脚を動かして近くのスーパーへと入って行く。


「リクさんはどうして病い……」


 そこまで何かに気がついたようでレナは「あぁ」と一人納得する。


「リクさんの目的はシーヘルさんでしょうか? 大事件があったと聞きますし……」

「えぇ。そうですよ。今日はリーナさんも来ていましたが」


 あまりリーナと一緒になることは少ない。それはリーナの仕事の都合上、あまりシーヘルの居場所へといる事が出来ないリーナのためにもボクはシーヘルの隣に居るのだ。


「あの【双竜の左翼】が……」


 レナは絶句する。


「一目見ればよかったですわ……っと、これ安売りしていますわね」


 レナが買物籠へと食料の材料を入れていく。

 何だろう……。レナは高貴な喋り方だし、雰囲気もそれなりを出しているおかげで今安売りをしているお肉を取っている彼女とはかなりのギャップの差がある。

 ボクも、安売りとなっているお肉を籠に入れると、他に何か欲しい物は無いかと当たりを見わたす。


「あ、これも欲しいですわね」


 レナがまた籠に何かしらを入れる。


「あと、もう一つ質問なんですけど……」

「なんですか? わたくしに答えられる事でしたら」


 レナの堂々とした態度にボクは考えついた事をレナに訊いてみた。


「レナさんはどうして買い物に? 召使いに行かせればいいじゃないですか」


 そう質問してみると、レナは「そんなことですの。ただのきまぐれですわ」と言って先に進んだ。

 それぞれが食料の買い物を済ました時、ボクは片手に袋を持ち、レナは魔具の袋を持っている。

 魔具の袋は無造作にたくさんの物を入れる事が出来るのだ。ただし重さはどうにもならない。


「そういえばリクさん」

「はい? なんですか?」


 レナが話しかけてきたのでボクはその方に顔を向ける。


「今日の午後の授業、かなり気合があったように見えましたが……何をしていたんですの?」


 今日の午後の授業? 確か空白魔法を習得しようと四苦八苦していた授業だ。


「えっと、魔法の練習を……」

「魔法の練習? それにしては魔法が何も見えませんでしたが……」


 レナは少し考えるようにしているが、どうも答えが出ないのか、ボクに視線を向ける。

 その目を見ていると、どうもこのままでは引き下がってくれそうもないので、ボクは仕方なく話した。

 ただし教えるのは空白魔法だけ。それ以上の事は何も話さなかった。

 いや、話せなかった。自分も未だよくわからないで使っているのだから。


誤字、脱字、修正点があれば指摘を。

感想や質問も待ってます。

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