1-6 検査結果は異常な②
気づいたらアクセス1000件超えててビックリです
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前話からそのまま続く文章ですのでつなげ方が微妙かもしれませんがご容赦ください
青、黄、緑、赤、黒、白。どんどん変色していくのが数個続くと、ここでもギルドマスターらしいお爺さんが叫ぶ。
「止めるんじゃ! クリスタルの許容限界を超えてしまう!」
10個程あったクリスタルの内9個が白になり、全てのクリスタルの色が白になる前に止めるように言われたが、止まる気配が無い。
「両手離したのに止まらねぇぞ!」
どうしたらいいんだ。これ、相当やばいんじゃないのか……。
ギルドマスターは瞑想するように考え込んでいる。
「やむをえん……。 緊急魔法発動じゃ!」
そうこういってるうちに、10個目のクリスタルが青から黄、緑へと変わっていく。
「リベレイト マジック!」
ギルドマスターがそう叫ぶと、クリスタルが一斉に輝きを増していく。
「目標空! 発射じゃ!」
そういうと、天に向かって巨大な光が射出される。
辺りは、あまりの空気の振動や、天に伸びる白い光を見て、騒然としている。
そして、先ほどのクリスタルは、全て色を失っていた。
「はぁ……。年寄りをあまり驚かせるでない……」
そう言って、ギルドマスターは尻餅をついた。俺が悪いのか?
「そうは言われても、俺はやれと言われたことをやっただけだぞ」
「先ほどの結果から、こうなるかもしれない。というのを読めなかったワシの責任でもあるな。ともかくじゃ。まずは頼みがある」
「なんだ?」
「クリスタルに魔力を少し補充してくれ。まだ余裕がありそうじゃったからな。全開にせんでええからの。半分程魔力を供給しておかんと、街にある、魔力を使った機能が止まってしまうのじゃよ」
「じゃあ、途中で手離すからな? タイミング言って止めろよ?」
そうこうして、両手を付き、クリスタルの内半分を白色まで補充した。
「お主……、色々と規格外じゃのう。まだ疲れは感じておらんのか?」
「さっき言ってた、枯渇って状態がどの程度かわからないが、疲れは感じられないな」
はぁぁぁ……。っと、大きなため息を付くマスター。俺がため息つきたいところだ。
「取敢えずじゃ。検査結果を伝えようかの。後々、ギルドカードにも記載されることになるが、お主の属性は、全属性の火・水・風・地・光・闇。色が多すぎて判別が出来んかったが、他にもあると思う。取敢えずこんなところじゃな」
「もう、ここまできたら何言われても驚かないな。魔力量の方はどうなるんだ?」
「そっちについてはまだなんとも言えないが、現状世界で1・2を争っとる二人が、ミカエル様で【9650000】サンタン様で【8724000】となっておるんじゃが……。」
ん?なんか、記憶の片隅に引っかかった気がするが、気のせいか?
「そしてお主じゃが……。名前は【京】か。京、お主は現状測定不能数値で99999999じゃな。実質無限なんじゃないかと思ったぞい」
苦笑いを浮かべながらマスターは云う。
やっぱり、記憶になにか引っかかるな……。まぁ、なんでもいいか。
「取敢えず、これでギルドカードの発行はできるんだな?」
「うむ。お主とは長い付き合いになりそうじゃ。ワシはイスタリア冒険者ギルドのギルドマスターで、バリスじゃ。今後共宜しくの」
そう云って、バリスは手を差し出してきた。
「こちらこそ。わからないことだらけだから、世話になることが出てくると思う。よろしく頼む」
バリスの手を握り返し、握手を交わす。
「とまぁ、外にいる連中が騒ぎだしておることだし、説明をしなければの。あとは、受付にいるシアラちゃんに頼んどくわい。それじゃあ、またの」
二階の部屋へと、バリスは戻っていく。
検査をする部屋から出てきた京は、レーミアとレリーに問い詰められる。
「さっきの振動は一体なんなんだい!?」
「お兄ちゃん!またなんか凄いことしたの!?」
レーミアは驚きの表情。レリーは、またしても羨望の眼差しで、こちらに訪ねてくる。
「なんか、マスターから説明があるみたいだから、それを聞いてくれ」
そう答えている内に、受付のシアラさんから呼び出しがかかる。
「京様ー、受付へどうぞー」
「呼ばれたみたいだな。行ってくる。」
二人の元を離れ受付へ。
「京様のギルドカードの発行が済みましたので、ご確認をお願いします」
イスタリア冒険者ギルド発行
名前 京
年齢 24
職業 冒険者
ランク E
魔法属性 火・水・風・地・光・闇
魔力量 99999999mp
先ほど、バリスに言われた通りのことが記載されている。
そして、シアラさんの対応が、何やら最初と違う様な気がするのは俺の気のせいか?
強いとモテるのか?
「京様は間違いなく、歴史に名を刻むに相応しいだけの能力をお持ちです♪是非、今後共イスタリア冒険者ギルドを贔屓にしてくださいね♪」
一つ間違えば、語尾にハートマークがありそうな程の対応だ。そんなに凄い事だったのか。と、思わず結果に感謝する。この人も結構現金な人だな。
「えぇ。シアラさんが受付にいる限り、ここのギルドを利用することにしますよ。」
少しきざったらしくキメてみた。
「まぁ……。いつでもお待ちしておりますわ♪」
ほんのり顔を赤らめ、両手で頬を押さえている。
「取り敢えず、今日は登録だけしに来たので、またきます」
そう言って、受付から立ち去る京を恨めしそうに見ている男が……。というより、ギルドの中にいた男の大半が睨んでいる。お得意の気のせいだろう。
レーミアとレリーの元へと戻る。
「登録は終わったよ。付き合わせてすまなかったな」
「どれどれ新米くんのカードはどうなってるかn……、え!?」
カードを見たとたん、バタッ。と、レーミアが倒れる。そんなに驚く内容だったのか。
レリーが心配して寄るが、カードが気になるのだろう。カードを覗き込んでくる。
「一体何をみてマザーは倒れ……、えぇ!?」
何故か、鼻血を出して倒れたレリー。両手を胸に当てて倒れているのを見ると……、驚きの内容が衝撃的過ぎたのか。なんで鼻血?
「おいおい、勘弁してくれ。宿まで二人を運ぶのは勘弁して欲しいんだが……。」
一体何程、ギルドカードに記載された内容が常識離れしているのか。そのことを理解しきれていない京はそうぼやく。
「ギュウ!ギュウ!」
僕のことは~!というように、頭の上をパタパタ飛びながら、チビがペチペチしてくる。
「すまんすまん。チビも長く待たせて悪かったな。」
そう言って、チビを抱きかかえ、頭を撫でてやる。
「ギュウ♪」
チビは満足そうだ。――単純な奴め。――チビ可愛いな。
波乱万丈の一日を終え、気絶した二人を、チビと二人で宿まで運んでいった。
途中で区切ったにもかからわず文章が多くなってしまいました……
京くんのチート具合は異常ですね!
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