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白い言葉とコドクと

作者: 白井クロ

オレが例えば、過酷な状況にいるとする。誰にも相談できないし援助を受けられない。はち切れる感情と混乱する思考。環境に圧迫されていく自分。自分の心が裂かれるような。ああ、オレは一人ぼっちなんだなと思う。この広くて巨大な世界に、外敵だらけの世界に、小さなヨタヨタとした頼りない自分の身体しかないんだな、と思う。次第になのか急になのかはわからないけれど、自分の存在価値がものすごく希薄化されていくのを感じる。オレは生きている価値などない。オレの人生は無意味だ。なぜならば、こんなに辛くて辛くて、窮屈なところに居て何になる。いや、何にもならないし、苦痛しか生み出さない。苦痛だらけの生存に意味なんかない。


オレが生きている意味?それはきっと、いや、オレには価値はない。オレがやりたいことをやって生きているのがベスト、それがかなわないなら意味はない。多分。だって、オレがオレ自身を殺して、食うために不本意な仕事に就いて、それで食いつないでいくことで何になるんだ。やりたくないことをしてまで生きていこうとは思わない。だって、やりたくないことに心血を注いでもしょうがないだろう?無駄な労苦というか。そんなことをオレは感じ取りたくないんだ。無意味な苦痛は味わいたくないんだ。それだったら死んでも構わないと思う。オレが居ても居なくても、誰も何も思っちゃくれないんだろう?だったら居なくなるよ。ああ、そうしたいね。


オレは誰かと分かち合いたいんだ。どんなことがあっても、そばに誰かが居てくれたら頑張れるんだ。ちょっと困難があっても、その人のことを思えば乗り越えられるんだ。毎日毎日、自分と近しい存在と話をして楽しく暮らして・・、そうでないとオレがオレと対話出来ないっていうか、とにかく誰かが傍に居ないとさみしいんだ。孤独ということがイヤなんだ。だから、誰か来てくれよ。だから、誰か居てくれよ。だから、誰か話をしてくれよ。だから、オレの話を誰か聞いてくれよ。だから、誰かオレを導いてくれよ。


みんなみんな、オレの言葉を聞いてくれない。オレはこんなにも話をしたいのに。こんなにも言葉を感情をいっぱいいっぱい、吐露しているのに。なぜだ。なぜ聞いてくれないんだ。オレの言葉を受け止めてくれないのはなぜなんだ。わかってくれない。みんなわかってくれない。オレは発しているのに、受信してくれよ。嫌いなのかオレのことが。そうか、そういうことか。こんなオレじゃあ、しょうがないのか。だったらそう言ってくれよ、言ってくれないとわからないだろう?そうだろう?ああわかったさ。オレは消えるよ。消えればみんな幸せなんだろう?そう言えよ。そう、言ってくれよ。そう、言うべきだろう?身だに期待してしまうじゃないか、オレが。みんなみんな、なんて優しくないんだ。最低だな。そんな風な仕打ちをするなんて。


え?アイツが消えた?まあしょうがないよね。アイツさあ、何だかんだ理由つけて全然仕事しねーしさ、そのクセにペラペラ、本当にどうしようもない面白くもないことばっかりしゃべってくるしよ。仕事ぐらいしろよって感じだったじゃん、もういい年こいた大人なんだしさあ。そこらへんガキみたくうざったかったよな。オレ?アイツと?いや、別に表面上は仲良くしていたぜ。でも、面白くねーから適当にあしらっていたよ。まあやたら話かけられたしさあ。しょうがなかった感じだね。居なくなった事自体は残念だけど、まあ想定内だな。


あーあ、なんか楽しいこと、ねえのかなあ。最近なんか良いことあった?いや、オレ全然ないんだけど。なんか良い事ねえのかなあ。

独り言といいつつ、対話方式。

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