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獅子国編
――暁の刻、獅子の国にて。
黄金の加護を戴く王家に、
ひとつの喪失が訪れる。
それは国境に咲いた、
若き王女の死。
守れなかった命は、
血に刻まれた因果を揺り起こし、
獅子の王子の内に眠る力と、
決して目覚めてはならぬ影を呼び覚ます。
霊脈は歪み、
国境はざわめき、
獣人国家を巡る思惑が静かに牙を研ぐ。
やがて、
異なる世界に生きるひとりの人間が、
この国の運命に引き寄せられるだろう。
失われた命と、呼び寄せられる魂。
王家の誓いと、抗えぬ恋。
獅子の国において、
喪失は始まりとなり、
恋は世界を試すであろう。




