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転生、もしくは転移の初体験

ー動けない、痛い、死にたくない

ー動けない、痛い

ー痛い

ー痛い

ー痛い

ー痛い

ー動けない、痛い

ー動けない

ーうごぉ


ああ、神様


あなたは理不尽だ


僕は頑張った。頑張ったはずだ。一生懸命勉強した。それなのにテストの点数は上がらなかった。一生懸命友達を作ろうとした。なのに一人もできなかった。一生懸命に、一生懸命に、一生懸命に、、、

なのに、あなたは何一つくれなかった。残ったのはただ息を吸うだけの廃人だ。


・・・

・・・

・・・


もし次があるなら、その時は、何にも考えなくて良いようになりたい

そうだ・・・例えば・・・


************?????************


「え?」

目が覚めた。周りを見渡す。鬱蒼とした森。

「あっ、え?」

手を見る。視線が下を向く。足が目に入る。トラックに轢かれたはずの・・・

「ああっ、ああああああっ」

そうだ、トラックだ。俺はトラックに轢かれたはずだ。全身が粉々になったように感じたあの痛みが・・

「な、ない?」

ない。傷がない。服も、リュックも。多分、塾の勉強道具が綺麗なままそこにあるだろう。

「どこ?ここ」

そうだ。どこなんだ、ここは?

とにかく、今の状況を確認しなくては。そう言い聞かせとりあえず現状確認を行う。


************************

「とにかく、だ。直前の記憶が街中でトラックに轢かれたということ、スマホが繋がらないことを考えれば誰かが救助に来てくれる可能性は極めて低い。」

と、御年15歳の高校1年生、キタノ・コウは自分に言い聞かせる。高校生といってもまだ高校生活が始まって二ヶ月と経っていないのだが。

「ここの場所がわかない以上、とにかく歩いてみるほかないか」

これも自分に言い聞かせたものだ。何しろ周りに誰もいないと心細くて仕方ない。

「よし!ほんじゃぁでっぱ・・・・・「フシューーーーー」え?」

右にいるのは狼のような生き物。そいつがこちらを爛々と目を光らせて睨んでいる。

「ひっ」

動けない。怖い。蛇に睨まれたカエルのように動くことができない。動きたいのに、体が、足、それを拒否して・・・『いや、動けるはずだ』

「っ!」

誰かがそんなことを言った。いないはずだ。さっき誰もいないことを確認したはず・・・、ああ、いや、そいつは「いる」はずだ。そんな信頼感が彼の胸に漂う。

『いけるはずだ。安心しろ。落ち着け。まず奴をじっくりとみるんだ。あとは、隙をつけば逃げ切れる』

そうかも。きっとそうだ。できるはずだ。と自分に言い聞かせる。

「いち、に、さん!」

駆け出す。後ろからナニカが追い縋ってくる。

「!!!!!!!」

目もくれず、ただ前へ前へ前へ・・・走って走って走って・・・

「道だ!!!」

道を。見つけた。


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