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須木奈篇 ソードマンとガンスリンガーガール〜参〜

毎日21時更新します…

シューティングレンジASSHOLE。


とある雑居ビルの二階受付に到着した私。

黒のスキニーパンツにナイロンジャケット、大きめのバックを抱えた早番の仕事終わり。


「ちわす〜」

「あら福祉の人キタ」


カウンターで年齢不詳の超グラマラス、フジコオーナーに声掛けられた。

皮ジャン着てんのにお胸がドーンてなってる人。


「福祉の人違うゥゥ。今日は本当の自分を取り戻しに来まひたー!」

「元気出たのねスッキー。男に抱いてもらった?」


聞こえないフリして受付を秒で済ます。

こういう時の返しが(いま)だ上手く出来ない二十三歳。

ヤバくね私。


プーッ……

パパンパンパンパン……


「カトちゃんが撃ってるわ今」


私は専用グラスを装着すると急いでカウンター奥のドアを開けた。

そこにあるのはゴルフのお庭練習ネットみたいな設備が三つ、横一列で並ぶ空間。


ガスガン専用のシューティングレンジだ。


「あ、福祉の人」


手前のレンジでプレイしてる赤ジャージ男子。

彼の腰には専用のホルスターに競技用のガスガンが収まっていて、床一面には無数のBB弾。


「福祉の人言うなぁぁ。一瞬撃たせてカトちゃん!」

「いッスよー。じゃ俺レンジオフィサーやります」


大学生のカトちゃんは、ほっぺたの田中さんと同い年。

こっちは体育会系で扱い易い。


バックから出したホルスターを腰に巻いて。

一応太ってないか入念にサイズチェック……ここで引っかかると射撃に影響を及ぼしかねん。

よっしゃ、OK!

そしたらレンジのボックスにイン、バックから銃を取り出す、マガジンをロード、ホルスターにセット。


レンジにはCD大の鉄製プレートをスタンドに固定した的が5本。

Wの形に配置されたこれらをブザー音と共に抜き撃ちして最速タイムを競い合う競技。


スピードシューティングにドハマりしてるの私。


「須木奈さん。何かいい事あった?」


フジコさんと同じコト聞いてくるカトちゃんが。

どうやら私はにやけてるらしい。


今日佐部さんの面談結果について、白木さんからお褒めの言葉をいただきまして。

それを脳内でヘビロテしてるだけなのにヘヘ。


『〝ピーーーーーーー〟けど。ご苦労様、瀬見さん』


自分の聞きたい部分以外は〝ピー〟出来ます。

ご苦労様だってグフフ。


ハイ、ご褒美タイムはここまで。

お気にのシュシュでポニテにまとめて、と。

女子力をアピールしつつ今の私は出走前の競走馬。


「アンロード・アンド・ショウクリア 」


ガンのチェンバー内をカトちゃんに見てもらう。

ホルスターに戻してからグリップの位置を触って確認。

この時の感覚が大切なのだ。

ハンズアップ。

はち切れそうなドキ胸で大抵のコトはぶっ飛ぶ!


カトちゃんがタイマーを頭上に掲げてコールする。


「ファーストラン、アーユーレディ? スタンバーイ」


プーッ。

パパンパンパンパン。


全てを切り裂く。

福祉の人。

それではまた…

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