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魔法少女、誕生 Part.23

前回投稿した『Part.22』の続きをお届けします。

それではごゆっくりご覧下さい。

人知れず書いていたノートの内容を音読という形で暴露され複雑な気持ちを抱える羽目になったクロードは手の平に乗せた『ワンルーム カプセル』を目線へと近付け中に居る真琴へこんな要求をした。


「あのぉ、真琴さん。こう言うのも難ですがそろそろ出て来てもらえませんか?」

「ええ?クロードくんが中に入れってフッて来たんでしょ?その言い方だと私が無理矢理入ったみたいじゃない。」


恐縮しながらも要求するクロードに自らの言い分を述べつつ少し不満気に返答する真琴。


「お願いです、真琴さん。じゃないと僕のメンタルが崩壊しそうです!」

「んもう、分かったわよ。」


音読された事に加えそれを耳にした実季(みのる)智史(さとし)から意味深な視線を送られ耐え切れない心境に陥ったクロードは真琴に向け切なる要望を投げ掛ける。

一方で真琴は僅かながらに罪悪感を覚え始めると一先ず彼の主張を受け入れるのだった。


「ハイ真琴、これ落としていったよ。」

「ありがとう、実季。」


『ワンルーム カプセル』に吸い込まれる様にして入っていった際に落とした帽子を実季から差し出され礼を言いながらそれを受け取る真琴。

そして、ツバの先で位置を整える様にして被り直すと改めて家主であるクロードへ室内の感想を述べた。


「クロードくん、とっても素敵な部屋だったわよ。それにインテリアとかのセンスも良かったし。」

「そうですか・・・。」


肯定的な意見にも拘らず真琴に対しクロードはあしらうかの如く素っ気ない返答をする。


「でも、アイドルのCDが割と多かったのはちょっと頂けないわね。」

「ま、真琴さん!?」


今の反応について面白味が欠けると思ったのか真琴は先程のやり取りを蒸し返す様に家主であるクロードの趣味について言及した。

それを受け真琴に便乗する形で智史は冗談交じりにノートの件を引き合いに魔法使いの少年を揶揄う。


「あと、自叙伝みたいなヤツを書いてるのも引かれるかもな。」

「智史さんまで!?」


動揺する様な素振(そぶ)りを見せるクロードがこの後、自分達に向けムキになって反駁(はんばく)してくるだろうと予測する真琴と智史。

だが、その想いとは裏腹に当の本人が示したのは全くもって異なった反応であった。


「何も2人してそこまで言わなくても・・・。」


やや大人びて見える部分が有るもやはり年相応の少年であるクロード。

先の出来事を引きずっているのに加え年上の少年少女2人からの言葉を真に受けるあまり顔を俯かせ徐々に瞳を滲ませるのだった。


「(うっ!)」

「(ヤベェ!)」


クロードの表情が曇り出した事で思わず動揺する2人。

そして、真琴が智史の腹部辺りを軽く小突いたのをきっかけに彼等による小声でのやり取りが始まった。


「智史くん、幾ら何でも言い過ぎよ!」

「はあ、俺のせいかよ!?元はと言えばお前がクロードをイジリ始めたのが原因だろ?」

「だからって乗っかって来る事ないでしょ?」

「真琴、この期に及んで責任転換するつもりかよ!」


罪の擦り付け合いをするが故に痴話喧嘩になりかけた頃、この空気を断ち切るかの如く実季が口を開いた。


「でも偉いね、クロード。」


状況を把握しての事かクロードへ何かを伝えようとする姿に真琴と智史は小声でのやり取りを中断するとそのまま実季の方へと首を傾ける。

同時にクロードは伏せていた顔を上げると滲んだ瞳を魔法少女へと向けた。


「だって知らない世界に来て独りで生活してるんでしょ?それなのにやるべき事もちゃんとこなしてるみたいだし。私だったらとても出来ないよ。」

「実季さん・・・。」

「(おお、実季。何時に無く気が利く。)」

「(ナイスよ、実季!)」


魔法少女の言葉を受けクロードの表情に変化が見られた事を確認すると智史と真琴は実季の機転の利いたフォローに救われ安堵すると共にその言動を称えた。


「あ、それとクロード。今、半ベソかいてたでしょ?」

「み、実季さん!?」

「(あっ!)」

「(拙い!)」


突如として発せられた実季の問い掛けにより再び微妙な表情を浮かべるクロード。

その傍らで真琴と智史は不穏な空気感を察知するもそれを他所に実季はクロードに向け続ける様にして語り掛ける。


「幾らイジられて辛くなったからってあそこで泣いたら真琴と智史が悪者になっちゃうよ?」

「え?あ、はぁ・・・。」

「(実季、あんた何考えてんのよ!?)」

「(折角良い雰囲気になり掛けたってのに!)」


友人達をフォローしようとしてるつもりの実季にクロードは些か困惑しながらも相槌を打つ一方で真琴と智史は暴走気味の彼女に戸惑いながらもその行為を()められずにいた。


「それとさっきのクロードの顔だけど私的に一部の人達から絶大な支持を得られると思うんだ。所謂(いわゆる)、『ショタ萌え』ってヤツ。」

「何ですかその『ショタ萌え』って?」

「(ちょっともう()めて!)」

「(ってかどさくさに紛れて変な事言うな!)」


一見して『少年』と分かる風貌ではあるが『少女』と言われればそんな印象も感じさせる中性的な顔立ちをしているクロードを受け実季は今し方目にした表情から先日SNSを介して知った言葉を用いて彼へ入れ知恵を吹き込む。

片や真琴と智史はそんな実季に対し嫌な予感がしてならないでいるのだった。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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