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魔法少女、誕生 Part.21

前回投稿した『Part.20』の続きをお届けします。

それではごゆっくりご覧下さい。

「あ、そう言えばクロードくん。あなた、魔法界から来たって言ってたけど何処かでアパートとか借りてるの?」

「いいえ。この世界に来てからというものある一定の場所に居を構えた事は有りません。」


軌道修正を図る目的も兼ね散らかり始めたこの場を静めるべく述べた先程の言葉に続ける様にして投げ掛けられた真琴からの質問にクロードは飄々としながら答えた。


「クロード。お前、もしかして野宿してるのか?」

「ええ!?幾ら何でもそれは危険だよ。」

「『野宿』?まさか・・・。僕にはこれが有るのです。」


今し方、放った言葉に仰天する智史(さとし)実季(みのる)を可笑しく思うクロードは『タッチパネル テレフォン』と同様に魔法界から持参して来た或る代物を取り出した。


「何だこれ?」

「ガチャガチャのケース?」

「あ!それ、さっきの。」


誰がどう見てもカプセルトイの空ケースにしか思えない形状をした代物を魔法使いの少年によって提示され不思議そうに見詰める智史と真琴。

その傍らで実季は吉岡パンにて購入した菓子パンを食べる為、公園にやって来た際に目にした代物を再び見た事で指を差し喰い付く様にして反応する。

そして、クロードは人間界の少年少女達が今、自分が手にしているこのアイテムに興味を持っていると判断すると彼等に向け誇らし気に『ワンルーム カプセル』の特徴について説明を始める。


「ふふん。これは魔法界から支給された『ワンルーム カプセル』という物でこのカプセルの中は文字通りワンルームの様になっており快適に過ごす事が出来るんですよ。勿論、水道やガス、電気等といったライフラインも備わっています。」

「それってそんな優れものだったんだ。」

「何だかSF映画とかに出て来そうなアイテムだな。」


冒頭に含み笑いを浮かべ『ワンルーム カプセル』の性能についてクロードから解説を受け実季と智史がそれぞれ異なった感想を口にする中、ふと素朴な疑問を覚えた真琴がそれを解消すべく魔法使いの少年へ問い掛ける。


「でも、これって一体どうやって中に入る事が出来るの?」

「良い質問ですね、真琴さん。では、このケースの上に手をかざして下さい。」


まず真琴が自分へと投げ掛けた問いの内容について称賛するとクロードは差し出すかの如く見せている『ワンルーム カプセル』の上部に手をかざす様に指示する。

すると言われた通りカプセルの上部に手をかざした真琴は頭に被っていたツバ付きの帽子をその場に落としていく形で瞬く間に吸い込まれる様にケースの中へ入っていったのだった。


「ま、真琴!?」

「おい、大丈夫か!?」


突然の出来事に動揺するもカプセル内に居ると思われる真琴へ向け安否を確認する実季と智史。


「心配無いわよ、2人共。どうやら私、今このケースの中に居るみたい。」

「そうなんだぁ・・・。」

「その感じだとどうやら何とも無さそうだな・・・。」


呼び掛けに応じる声の調子から真琴が無事であった事が分かり実季と智史が安堵する横でクロードは人間界で生活するに於いて自身の住まいとしている『ワンルーム カプセル』の内装についての印象を尋ねる。


「どうです真琴さん。結構中は快適でしょ?」

「ええ、そうね。それに案外広々としてるのね。」


コンパクトな外観に反し開放感の有る室内を一目し問い掛けに応じる真琴。

その上で今度は自分が今居る場所を改めて理解するべくゆっくりと周りを見る事にした。

向かって正面に在る調理場や右側に見える浴室、トイレが一緒になったサニタリールームと思わしきスペースから察するにごく普通のワンルームの構造と然程違いが無い様に感じられる。

レイアウト類を確認すると冷蔵庫や洗濯機といった家電類と就寝時に使用しているのであろうベッドの他に壁際に書籍等が陳列された本棚が配置されていた。

また、全体的に掃除が行き届き整理整頓が施されている室内からはクロードの性格が見て取れる様だ。

そんな室内の真ん中辺りに折り畳み式のテーブルが置かれておりそこには本棚から取り出した数冊の書籍と筆記用具、A5サイズのキャンパスノートが乗っておりクロードが日夜、勉学に励んでいる事を窺わせるのだった。


「クロードくん、あなた普段から何かしら勉強をしてるのね。」

「え?ま、まぁそれ程でも無いですけど・・・。」


クロードが勤勉家である事を察した真琴はその労を称えると当の本人は謙遜しながらも満更でも無い表情を浮かべた。


「それに本が棚に一杯並んでるわ。」

「いやぁ、勇士の魔法使いとして関連書籍には常に目を通すべきかと思いまして。」


無数の書籍が並べられた本棚に目をやりその事について触れる真琴に対しクロードは照れながらも尤もらしい言葉を述べた。


「へぇ、クロードって普段からそういう努力してるんだ。」

「俺の身体を宙に浮かす程の魔法を繰り出すぐらいだからな。」


室内の様子を実況する真琴の言葉を受けクロードが有能な魔法使いである事を理解した魔法少女とその男友達から称賛され高揚した気分を覚えるも次の瞬間、そんな彼の心境を掻き乱す出来事が起きるのだった。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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