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魔法少女、誕生 Part.19

前回投稿した『Part.18』の続きをお届けします。

それではごゆっくりご覧下さい。

「ですが、先程の魔法に限った事に関してはとても凄かったです。僕がレクチャーしようとした時とは別人の様でしたよ。」

「え・・・?」


本来の口調で強力な魔法を繰り出した実季(みのる)を称賛するクロード。

先刻までの張り詰めていた空気感から一転し、穏やかな雰囲気へと変わろうとする現状に3人は戸惑いを覚えるもクロードはそれに構う事無く続ける。


「やはりあなたは魔法少女としての素質が十分に有るようです。」

「ほ、本当・・・?」

「ええ、本当ですとも。実季さんならすぐにでも有能な魔法少女になれますよ。(まぁ、『感情のコントロールや発揮したい魔法のイメージのトレーニングをすれば』の話ですけどね。)」

「よ、止してよぉ。そんな事言われたら私、何だか照れちゃうよぉ。」


その言葉の裏に『秘められた本音』が有るとも知らずクロードから煽てられるあまり頭の後ろに手の平を添えながら満更でもない表情を浮かべる実季。

真琴と智史(さとし)にとっては『お馴染み』となっている幼馴染の友人のチョロい素振りを間近で見ながら2人はクロードが早くも実季を手懐け始めている事を察したのであった。


そんな中、未だに魔法少女の姿のままでいる実季を気にしてか智史は窺う様にしてその事について触れる。


「なぁ実季。俺、さっきから思ってたんだけどお前、何時(いつ)までその格好で居るんだ?」

「あっ、そうだ!私、まだ魔法少女の格好のままじゃん?」


今の自分の出で立ちを客観的に見た上でメルシールーのままであった事に改めて気付く実季。

それを受け一同は実季へ何か言いたそうにするもその想いを口にしない代わりに苦笑するに留めたのだった。


「クロード。私、どうしたら元に戻れるの?」

「ああ、それはですね・・・。」


魔法少女の出で立ちから元の姿に戻るべく困った様子で変身を解除する方法を尋ねるとクロードは実季に向け説明を施そうとするもその行為を遮るかの如く真琴が声を上げる。


「ええ!実季、もしかして元の格好に戻るつもりなの?」

「ま、真琴さん?」

「真琴。お前一体、何を言い出してんだよ?」


実季がメルシールーから元の姿に戻るのを惜しんでいる事を感じさせる真琴に困惑するクロードと智史。


「そうだよ。第一、家を出る時の格好と全然違うから家族に驚かれちゃうよ。それにこの格好、私の『キャラ』に無いし・・・。」


魔法少女当人である実季は真琴へ向け訴え掛けた後、自信無さそうな表情を浮かべながら所感を述べた。


「そうかしら?私は素敵だと思うわよ。」

「真琴・・・?」

「お世辞を言う訳じゃないけど実季って元々、整った顔立ちをしてるから今のその格好も『キャラ』とか関係無くとっても似合ってるわ。」

「そ、そうかなぁ?」


初めの内は意味が分からずにいたものの真琴が肯定的な言葉を掛けているのだと理解した実季は照れた表情を浮かべつつ後頭部を右手で押さえた。


「ええ、そうよ。ねぇ、智史くん?」

「・・・!へっ?」


謙遜しているとも取れる台詞を述べる実季に相槌した後、横目で合図を送りつつ同意を求める真琴の言動を予知出来ず智史は吃驚(きっきょう)しながらも気の抜けた声を出した。


「ねぇ、智史はどう思う?」

「ま、まぁ似合ってるんじゃないか?」


意見を聞くべく顔を近付け尋ねられた事で無意識に頬を赤くさせてしまった智史は実季から視線を反らしつつ当たり障りの無い返答をしたのだった。


「もう、智史くんったら素直じゃないんだから。」

「真琴、お前・・・。」

「あはは。怒らない、怒らない。」


少々揶揄(からか)われた事でムキになる智史を軽く笑いながらも宥める真琴。

その光景を傍で見ながらもクロードは真琴が実季と智史を手懐けている立場にある事を悟ったのだった。


一連のやり取りを終えた頃、魔法少女の姿でいる実季を凝視しながら真琴はこんな事を口にする。


「でも、この格好だけ見ると魔法少女って何だか憧れちゃうなぁ・・・。」


物思いに耽る様にして呟く真琴に皆がどういう訳かと視線を送る中、それに気付いた彼女は今の発言に至った経緯を話し始めた。


「ああ、別に深い意味は無いのよ。でも実季なら分かるでしょ?変身ヒロインものの作品を見て憧れを抱く気持ちが。」

「『変身ヒロインもの』?」

「日曜の朝とかにやってるヤツの事か?」


話を区切ったタイミングで相槌代わりに反問する実季と智史への返答を兼ね真琴は再び語り出した。


「そうよ。ヒロインの子が持っている変身アイテムで大人になって色んな職種の仕事に就いたり戦士になって悪い奴らと闘ったりするシーンを見て小さい頃、憧れを抱いたわ。けど私、その感情って皆に備わっていて人によって大きさは違っても成長しても心にずっと残るものだと思うのよね。」


真琴が思いの丈を赤裸々に語り終えた事でその話を一頻り聞き入っていた実季と智史は揃って感心する様な反応を示した。


「(人間界の少女達にはそんな感情が有るのか。これは興味深いデータだ。)」


一方でクロードは今後、魔法少女を育成するにおいて何らかの参考になる可能性を視野に入れると真琴の話を黙って聞いた上で人知れず表情を変えたのだった。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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