王様、知っていましたか?
誤字報告ありがとうございます。
一部修正しました。
「陛下、まずは一般の方達を……」
「むっ、そうだったな。頼めるか?」
国王陛下に声をかけたのはこの神殿のトップである神殿長だった。同時に入ってきたことから同じ場所で報告を受けたのだろう。
これから起こることは少なくとも見せ物感覚で見せていいものではないだろう。
「皆様、申し訳ありませんが朝のお祈りはここで終わりとさせていただきます。聖女様、祝福をお願いできますか?」
「あっはい。みなさんに祝福が訪れますように」
神殿長の言葉により、今日のお祈りは終わりとなった。
ちなみに祝福は気持ち程度のおまじないである。
聖女様の祝福を終え、この先の展開が気になりながらも広間から出ていく一般の人達。
広間に残ったのは国王陛下、王太子殿下と侯爵令嬢、聖女様と神殿長、そしてそれぞれの護衛達、====であった。
「さて、説明してもらおうかアランよ」
国王陛下が王太子殿下、アラン様に向かって言葉を向ける。
なおこの間、王太子殿下と侯爵令嬢は驚きのあまり固まっていた。
「はっ!そうだ父上!あの悪女は数々の悪事を犯してきたのです!そして偽聖女のくせに聖女を名乗って城にいる人物に変な術をかけているのです!きっとこの国を乗っ取ろうとしてるのです!」
「そうよ王様!あの女は捕まえて殺さなくちゃいけないんです!そうしないとアラン様があの性悪女と結婚しちゃうんですよ!そんなのアラン様がかわいそうじゃないですか!」
硬直から復活した王太子殿下と侯爵令嬢はすぐさま陛下に聖女様が悪女だと罵り、挙げ句には殺したほうがいいとまで言い放った。
「ふぅぅぅぅぅ………まずは聞きたいことがいくつかある。聖女殿が悪事を働いた証拠はあるのか?」
そう尋ねた陛下のこめかみには青筋が浮かんでいる気がした。よく見ると神殿長と陛下が連れてきた護衛にも………
この茶番ともいえる状況で冷静に尋ねるのはやはり大人なのだろう、さすがと言うしかない。ぜひ王太子殿下と侯爵令嬢にも見習って欲しいものだ。その機会があればだが。
「そんなもの私の証言だけで十分です!そんなことより貴様!罪人の癖に壇上にいるなんて不敬だ!今すぐ土下座しろ!」
前言撤回。やっぱり無理かもしれない。
「ふぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ………このバカ息子が……次にお前と聖女殿がまるで婚約しているような言い草はなんだ」
私には聞こえていない、前半の言葉なんて。うん、そう、ため息はよくないよね。
もう、怒りが目に見えてきそうなくらいブチギレてるなんて目の前のバカどもーズはわからないだろう。
「えっ!?アラン様ってあの女と婚約させられているんじゃないんですか?」
「父上、私は無理やり聖女のわがままで婚約者を決められたと聞きましたが」
もうね、うん。これ以上お父さんをいじめないであげなよ。
「……………………………………………神殿長よ、これと聖女殿が婚約している事実はあるか?」
「いいえ、そのような事実はございません。仮に婚約するとしても王家がお願いをする立場になるため、わがままをする必要がございません。神に誓って」
怒りで表情がなくなった陛下の質問に答える神殿長。陛下もわかりきっていることなので周りの人に聞かせるように話したのだろう。
「なっ!?そんなバカなことがあるか!!王族が頭を下げるなんてあっていいはずがない!!」
「あるのですよ。仮に私が陛下の立場でも王太子ごときと聖女様なら聖女様を選びますよ」
でも迷わず聖女様を選びますね。スペアもある王太子と唯一しかいない聖女様では同じ土俵に立つのも烏滸がましいですね。
陛下が聖女殿と呼ぶのも彼が王であるからであり、本心では聖女様と呼ぶのがふさわしいと本人も思っているでしょう。
「……日頃から問題を起こしてばかりであったが、これから成長して立派に学んでくれると大目に見ていたが…………」
これから宣言することは1人の父親として辛いことでしょう。
「アランよ。貴様を聖女殿に対する冤罪、名誉毀損など王太子としておくわけにはいかん。貴様を廃嫡として幽閉する。ついでにそこの共犯者も連れて行け」
陛下の言葉でそばにいた護衛が王太子、いや元王太子殿下アランを取り押さえます。
「なっ!?おい離せ!王族に軽々しく触れていいとでも思ってるのか!」
「そうよ!無礼よ!今すぐその手をはな…きゃ!離しなさい!」
最後まで喚くアランとそれを妨害しようと逆に一緒に取り押さえられたサルフィール。
これにて終わりだろう────
「陛下、女神様からのお言葉がございます」
聖女様の声が響く。
まだもう少し続くらしい。
あれ?王太子、じゃなくて元王太子くん。ちょっとぴょんぴょんしてごらん?余罪が出てくるかもしれないから笑




