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民よ!知っているか!

 この国の神殿では女神様を、祀っている。

 不可思議な力で信者からぼったくっている、というわけではなく朝女神様に祈り、夜寝る前に1日を無事に過ごせたことを感謝する。ただそれだけをしているだけだ。

 もちろん、ただそれだけというわけでもなく、日頃から健康のために手洗いうがいを推奨したり、親がいない、捨てられた子どもを保護したり、ときには貧民街で炊き出しや、医者の手が足りないときに医者の真似事をするなど、慈善団体としての認識が強い。


 そんな神殿での朝の祈りとは、神殿の大広間にて女神像に向かって祈るだけである。

 女神様は我々を見守っており、善なる行いには幸福を、悪しき行いには罪を与える。

 そんなあやふやなことを聞くだけだ。

 まぁ、もっとも、神様が本当にいるかどうかはどちらでもいい気がするのだけど……


 それはさておき、朝のお祈りは一般の人も参加でき、身分善悪問わず祈れるが、仮にも神聖な行いである。

 そんな神聖な行いに乱入した王太子殿下に向けて聖女様は──


「王太子殿下、今は祈りのお時間です。個人的なことはまた後で──」

「黙れ!偽聖女め!それにこれは個人的なことではない!国民にも関わる重大なことだ!」


 やっぱバカだろこいつ。

 おっと、私がでしゃばっては………


 聖女様が優しく嗜めようとしたのを王太子殿下が大きな声で遮る。

 この場には聖女様と王太子殿下だけではなく、朝のお祈りに参加していた一般の方もいたのだが、その顔には全員?の文字が浮かんでいた。


「聖女様が悪事?そんなのありえるのか?」

「だが王子様とやらが言ってんのならあながち……」「もしかしてこれハインドのになるかな?」

「はぁ、はぁ、せ、聖女たんがそんなことするわけ、な、ないんだな、このあんぽんたん」


 一部やばいひとがいますが、無視しましょう。


「聞け!皆のものよ!そこにいる偽聖女は数々の悪事を犯した!そんなやつが聖女でいていいのか!?そんなことは断じてない!しかもそこにいる悪女はいずれこの国を乗っ取り、我が国を破滅させるつもりだ!」


 王太子殿下は聖女様を偽聖女だと辱め、ついには悪女だと罵りました。


「そのようなこと、この場で言わなくても王宮に呼び出して取り調べするなりが普通──」

「そんなことあなたが逃げるからに決まってるじゃない!」


 聖女様の言葉を遮ったのは新たにひろまに入ってきた女性な、言葉でした。


「聖女にぶたれた、暴言を吐かれた、って人がゆうきを出してこの私、サルフィール・グランバル侯爵令嬢に密告してくれたのよ!悪逆非道のあなたはきっと口封じのために殺すに違いないわ!」


 密告を聞き、聖女様を悪逆非道だと貶しながら現れた彼女は、今現在最も注目せれている不倫侯爵の娘でした。

 彼女は王太子殿下に熱を上げているともっぱらの噂で、今回のことは王太子殿下に気に入られようと頑張っているそうです。

 だから、彼女が喋っているときに「羨ましい」とかなんて聞こえていません。えぇ、絶対に。


「それだけじゃないわ!この神殿の寄付金を着服して贅沢をしたり、変な術を使ってお城にいる人達を操っているのよ!」

「聞いたか!皆のものよ!そこにいる悪女はそれだけの大罪を犯したのだ!そんな者が生きてていいはずがない!よって偽聖女ハルよ!貴様を、処刑する!」


 聖女様がやったとされる悪事を並べ、ついには処刑宣言までしてしまいました。

 当然、聖女様が黙って見ているだけではありませんでした。そばにいた護衛に王城に知らせに行かせ、神殿長にも知らせるように人を向かわせていました。

 そんな聖女様がすることは………時間稼ぎでしょう。


「私を悪様に罵りましたが、まず証拠がございませんね。それ以前に、聖女は法律によって王族と同等、場合によってはそれ以上と定められております。」

「証拠なんて貴様が握りつぶしたんだろ!それにこっちには貴様の悪事を知る者を保護している!しかもなんだ!貴様が私より偉いはずがなかろう!」


 丁寧に諭すように話す聖女様を大声で喚きながら証拠がないと言っていることに気づかない王太子殿下。

 一般の人はそんな王太子殿下を見て呆れ顔、もしくは落胆や怒りの表情を浮かべていました。


「理解していないことは許されないはずですが……法律で王族と同等だと定められている以上、私は裁判をする権利があり、また、同行条などがない限り私を不当に拘束したり罪を勝手に決められるなどはできないはずですが、どうお考えですか?」


 聖女様は呆れ顔をしながらも丁寧に説明をしました。

 しかしそれでバカが納得──おっと、王太子殿下が納得するはずもなく──


「黙れ!私を侮辱する気か!もういいさっさとこいつを拘束しろ!」


 ついに我慢できなくなり連れてきていた護衛に命令しだした。

 護衛が王太子殿下の命令通り、聖女様を拘束しようと近づく。王太子殿下の命令によって場の緊張感が高まっていった。



「なんの騒ぎだ!」


 場の注目を集めたのは新たな乱入者、王太子殿下の父親であるこの国の国王だった。


王様はまともか否か!?

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