第29話 水無月麟斗という人間
「お前はなぜゲームを極めている?」
いきなりそんな質問をしてきた
オレがなんで極めてるのか……ね
もう1人のオレならわかってるはずだけどなぁ……
なんでそんな簡単な質問してくるんだろう
「そんな安直な質問してきてなんのつもりだ?
本当のもう1人のオレならわかってるだろ?」
「だからこそ答えるんだ」
「だからこそ……ねぇ……」
ここは嘘を話すのもいいがあえて本当のことを話してみよう
「人は誰しも得意不得意がある
オレは元々の家の血の影響があんまないみたいで家の得意とするのが不得意だった
だけど代わりにオレの場合はゲームが得意だった
人間 得意なものは追及して極めるものさ
そしてそれで活躍して有名なりたいからね……
だからこうなったんだ」
「そうだな」
こんなことは黒歴史だ
オレにとっても家にとっても相当な黒歴史
オレは家にとって失敗作であり不良品だろうな……
もう何もかも期待されてない……何も求められてない……完璧な失敗作だ
こんなに酷い失敗作なんてあるだろうか?
「次の質問に移る」
コイツはオレに質問してなにがしたいんだ?
進化とか覚醒とか……
少し意味がわからない
「お前はなんで強くなりたい?」
「強くなって賞金とかいっぱい貰って最強としてチヤホヤされたいから」
「えぇ……」
いやなんであんた困惑するねん!
もう1人のオレでしょ?
困惑なんて普通しないでしょ!
おかしいなぁ……
「お前さぁ……いやお前さぁ……本当にもう1人のオレなの?」
もうワケがわからない
どうなってるんだ?
「もう1人のお前であることには変わりない……
が、それはオレは今のお前じゃないからだ」
「なんだこれまでデータでも取ってたのか?」
「ねぇすぐに当てるのやめてくれない??」
一体コイツは何なんだ?
これまでのオレ……
つまり数ヶ月前から数年前の可能性もあるわけか
できれば比較的新しいデータの方がやりやすいな……
「お前が目指すものは何だ?」
「強さ 強くなって有名になってチヤホヤされたい」
「あ〜……大体わかったかも……」
「何がだ?」
「お前のことだよ」
何がわかったのだろうか?
まぁなんでもいいか
「お前は天性の才能もあるだろうが所詮は人工物だからな 伸びるには伸びるだろうが血がアレだから……」
「まだ1つあるよ あいつらを絶対に見返してやりたい……」
「でも血が……」
「オレはこのクソみてぇな血と呪いから脱却する
だからそこで爪でもかじって待ってろ」
コイツも血か……
どこに言っても血のことばかり……
なんでこんなことになってんだよ……
「おい、いつもの冷静さを欠いてるぞ
お前はそんな奴じゃないはずだ」
「はぁ……?」
なんなんだ?
コイツは一体何がしたい?
もうオレはわけがわからないよ
「覚悟を決めるんだ
これから絶対に勝つという覚悟を……
負けを恐れるんじゃないよ
「はぁ……?」
「お前には素質はあるよ
その血の呪いを容易く断ち切ることができるほどね」
コイツは自分で自分のことを絶賛しているな
……なんかシュール……
「そろそろ時間だね
頑張ってきな もう1人のオレ」
「結局何がしたかったんだ?」
「自分で考えるんだな
けどお前は血や遺伝子を越えるんだよ」
最後にそのような言葉を残してそいつは消え去った
依然として周りは黒いままだが
「調子はどう?麟斗」
ウィリーがいきなりそんなことを聞いてきた
「もちろん、ばっちりだ」
オレは絶対にいつか有名になってやる
たとえ今じゃなくても、
この血の呪いを断ち切ってやるさ
もっと伸びてくれたら
いつか過去編とか作りたい




