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1.政略結婚の誓約

無事結婚式を済ませた。輿入れ先の事情で、婚約期間もなく顔を合わせることもなく入籍となり、式は執り行われることがなかった。


「まずは急な婚姻に感謝する、ユリアーネ・ベルンバッハー伯爵令嬢、いや、これからはユリアーネ・アードルング伯爵夫人となるな」


「?…はい」


彼女の目の前にいる男はカミル・アードルングといい、この伯爵家の当主を務めている。ちなみに先代伯爵夫妻は王都の中心部にある別邸で生活をしている。


「しかしな、私は君とよろしくするつもりはない」


「はい?」


「ベルンバッハー伯爵にはたんまりと資金援助をさせてもらったし、伯爵とのこの政略結婚の誓約は君を娶ることによる資金援助だ」


「はあ…」


カミルはこの愛のない婚姻に拒否権はないと言いたかったのだろうが、両親の方が反対していたこの縁談の話を聞かされた彼女自身が飛び付いたのだ。


(それに関しては私が了承しているからこうして輿入れしているのだけれど…)



「そして、君との誓約はこれから発表する。さあ、ロッテおいで」


カミルが呼び掛けると、一人の女性が彼の隣に並んだ。


「彼女は私の最愛の人だ。彼女は平民のために伯爵である私は彼女と結ばれることができなかった。しかし、彼女のお腹には新しい生命が宿っていて、どうしても夫人にしたいのだ。そこで、君の貴族の戸籍が欲しいのだ。ロッテはずっとこの伯爵邸にある離れで暮らしてもらっていた。君にはロッテと入れ替わって生活してもらいたい。歳も近く同じく黒髪である君ならばちょうど良いだろう。ベルンバッハー伯爵家ではあまりいい環境ではなかったと把握している。ロッテは離れで衣食住を保証し生活させていた。もちろん君にもその通りの生涯の生活を保証しよう。君に拒否権はないぞ。なぜならもう入籍も資金援助も終わっているからな」




この国では嫁ないし婿を迎える家督が事前に婚姻届けを提出する仕組みになっている。大体の令嬢は政略結婚の場合、ただ言われるがままに輿入れ先に向かうのだった。その為生活を始める前に本人同士で生活内容について誓約を結び、表向きは不利のない結婚生活を送れるようにしている。




「…、生活が保証していただけるのでしたら、私は構いません」


「…お、おお。そうか。素直に受けてくれて感謝する…」


カミルは何の異論もなく計画通りに事が運びたじろいだが、それ相応の者を選んだ為であると特に疑問は抱かなかった。



そして奇妙な入れ替わり生活が始まるのである。


ここまでお読みいただき、ありがとうございます。


作者のモチベーションに繋がりますので、よろしかったら、評価していただけると嬉しく思います。



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