第29話 まぁ…オチがやっぱり弱いですね
1日に500文字ずつ単行小説を書き進めている今日この頃
——まもなく守谷です。
いやぁ本当に長かったもんだな…
「着いたね」
「ん…?あ、おはよう…」
まだ華は寝ぼけてるらしい。
「うん、おはよう」
僕はそう言って背中を支えて華を起こした。華はその席で背伸びをしてから席を立った。
「ほら、降りる準備するよ」
「そうだね…」
華にそう言われて僕はその席を立った時に何か足に違和感があった。なんていうか右足が地面に触ってる感覚がなくなってるっていうような感じで。
別に困ることはなかったけれどその時、事件が起きた。車両が分岐を渡るときに車内が揺れた。その時だろうか。僕は何が起こったのか全く分からないが勢いよくさっき座ってた席に顔をぶつけた。なんなら顔がリバインドするくらいの速度だ。
「…え?」
ホントに気がついたらという言葉があるのを再確認させられた。
「え?」
「うん?」
「いやいや、なんできょとんとしてるのよ!ほら、ちゃんと肩につかまって」
華も一体あきれてるのか介抱してくれてるのか…
自分がなにをしたのかよく分からないまま守谷のホームに出る。するとだんだん足がピリピリ感じてきてそれは電気を通したような痛みに変わって行った。
「あ、これ足痺れたやつだ」
「どういうこと!?」
「多分華が膝の上で寝たから…なのかなぁ」
「いやぁ、ホントにごめんね」
「これ反省の感じが見られないな…」
「いやぁ、リョウが可愛くってね」
華は僕をエスカレーターに乗せながら言った。
「それにしても長かったね」
「これでも結構早くなった方なんだけどね」
ピピッ
「それでも30分はかかるんだよね」
ピピピッ
僕たちは改札を出て急ぎ気味で関鉄の改札に入った。
「とりあえずいつの車両に乗るの?快速?普通?」
「そこは自由にやってください」
「そんなこと言って~」
華はなぜかすごい喜んでいる。だけどここでひとつ疑問が浮かんだ。
「あれ?そんなことよりトイレ行かなくていいの?」
「あ!忘れてた!」
「もう、我慢しすぎると膀胱が爆発するよ~」
「ごめんごめん。じゃあ私、トイレ行ってくる」
「僕もトイレ行こうかな。ちょうど時間空いてるし」
シャァァァ…
あぁ、頭が痛いな…やっぱりさっきのやつ響いてるんだな。なるべく座るようにしていかないとね。
ジャァァ
本当に大丈夫かな…
僕は鏡をのぞいた。そんなに腫れてはないがまぁ腫れてるということを言ったら腫れている。あと右側の頬がかなり赤い。たぶん内出血だろう。
僕はハンカチで手を拭いてトイレを出た。と、同時に華がトイレから出てきた。
「あ」
「どうしたの、華?」
「なんか突然華ちゃんって呼んでほしくなった」
「えぇ…なんだよそれ…」
ポタポタ…
「うぅ…ごめんなさい…」
「どうしたの?」
「私のせいで…」
「え?ちょっと待って、なんでそんなに悲しがってるの?…そういえばなんかさっきからポタポタ垂れてる音がするような…ここ屋内だし、今日は晴れなのに…」
華はティッシュを取り出して僕の鼻を抑えた。そのまま鼻の先をぎゅっと押して駅員室まで行った。
「すいません」
「はーい…って懐かしいね、元気にしてた、嬢ちゃん?」
「いっやぁ、もう学校でぴんぴんですよ」
「ところでその子はどうしたんだい?」
「あぁ、私の連れでして…さっきトイレの前で結構な鼻血を出しちゃったんですよ。それで止血手伝ってくれるかなぁって思ってきたんですけど」
「とりあえずティッシュってことかな?」
「そういうことです」
「分かったよ。駅長さん、箱ティッシュここに持ってきてくれないですか?」
「ちょっと待ってろや、今渡しに行くからな」
そう言って駅長さんが持ってきてくれた。
「ほいこれ…って華ちゃんじゃん」
「あっ、こんにちは!」
「こっちに戻ってきたってことは帰省してきたのか?」
「まぁおじいちゃんちに行くだけだから帰省なのかなぁ」
「とりあえずあとで三国家に電話入れとくわ」
「ありがとうございます。にしても押さえるの大変だなぁ…ってめっちゃ鼻血出してたの忘れてた!」
「血が床にすごいついてるじゃん!」
「早くしないと!」
なんか話についていけなかったうえにいろんな迷惑をかけてしまった…
そうして4分くらいで血が止まってまともに話せるようになった。
「ホントにごめんなさい」
「まぁまぁ、坊ちゃん、気にしてないし顔上げなよ」
「今回初めて鼻血だしたんですよ…対処が分からなくて…って!」
「「あぁ~、涼雅くん!」」
「どうしたの?もしかして華ちゃんとなにかするの?」
「駅長、華ちゃんはそんなに男垂らしじゃないですし」
「あぁ、華と一緒になにかするんです」
「もうしかして例のあれ?」
「あー、そうです」
「いやぁ、今年はホントにたくさんあるらしいよ」
「ホントですか…まぁ頑張ってきますよ」
「ほーい、いってらっしゃい」
「鼻、ちゃんと気をつけてよ~」
そうして華と一緒にエスカレーターを下って待合室のほうに移動した。
ここからは本編とは関係のないオマケな話です
「駅長、それにしてもあの二人、付き合ってるんですかね?」
「そんなに好きなんか、お前」
「いやぁ、一目惚れでしたし…」
「多分華ちゃん、涼雅くんのことが好きなんだと思うよ。すっごいスキンシップしてたし」
「そんなにしてないように見えたんですが…」
「そんなことは空気とにおいで感じるんだよ」
「どういうことですか?」
「あの子、香水してたよ。多分涼雅くんに振り向いてほしいんだろうなぁ」
「さすが駅長、人生経験長いんですね…」
「なんだよお前、それよりもあの二人同じ高校に通ってるんだとよ」
「じゃあもしかして…」
「同じ部活なんだろうな。二人とも趣味が同じだからね」
「それよりもあのあのやつやるんですよね、あの二人」
「まぁ、あれ結構きついもんな。でも大体あれやった二人はその後結婚する運命になるのが多いんだよな少なくとも俺はそうだったな」
「じゃあ涼雅くんなりのプロポーズ…!?」
「多分そうだろうけど華ちゃんが気づけるかねぇ。あの子すごい天然だからなぁ」
「うちの妹よりも天然ですもんね」
「ホントだよね。鉄むすのモデル、彼女だったのに本人は全然気がつかなかったし名前まで同じとはね」
「ホントですよね、寺原ゆめみってね…ていうか彼女義妹だからこないだ僕に求婚してきたんですよ」
「なんだそれw」
カララン
「ほら、寺原」
「はい、なにかお困りでしょうか」
一応言っておきますがこの中に書かれた人物は一切の現実と関わりはありません☆




