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鉄道恋愛物語  作者: さるきち
3章
29/32

第28話 茨城の道

今度帰省予定!!

いやぁ、楽しみっすね~


話は変わって重いけどこないだうちの区長が帰らぬ人になりました。結構関わりありますしここで言わせてもらいます。ご冥福をお祈りいたします…

——この先、カーブで揺れることがありますのでお立ちのお客様はつり革、手すりなどにおつかまりください。

「ぷはー…アイスうめーっ!」

「どんだけアイスが好きなんだよ…余計にアイスを多く買ってきて正解だったよ」

華に1個食べられたもののまだあと14個入っている。

「リョウ、このゴミどこに捨てる?」

「じゃあこの中に、ってあれっ!?」

カーブで足を滑らせてしまった。

「ちょっ!危ない!」

華は僕の腕をつかんでグッと引っ張った。さすがにこんなことになるとは思ってもなくてどこに飛びつくかよく分からない。

「あっ、ちょっ…」

「あ痛っ」

しかし、思ったより痛くない。何が起こったんだろう。

「ちょっと、早く立ってよ…」

「へ?…あ、ごめん!」

急いでつり革をつかんで立った。

「ごめんね…」

「そっ、そういうことをやるんだったら…け、結婚してからね」

「お、おう…」

「そういうことだから結婚して!」

「え!?い、いやいや今は…」

すると言葉を遮るように

「やっぱり…私じゃ物足りないのね…」

「い、いやそういうわけじゃ…」

「じゃあもっと魅力的になってリョウに振り向いてもらわなきゃね!」

「…え?」

なにかすごい大変なハプニング(?)が起こってしまった。なにか頑張る気持ちがすごく伝わる華だがこれは…なんて声をかけていいんだろう。でもその前に誤解を解かなくてはならない!

「華、何か勘違いしてると思うけどそういう意味ではないからね!」

「じゃあどういう意味?」

「場所考えて!場所!」

「部署?」

「違う違う、場所!ば・し・よ!」

「天皇陛下が住んでるところ?」

「それ御所」

これは突っ込みしなくちゃいけない感じっぽかったから華の右肩めがけてかるくパシンと軽くたたいた。

そして、華のボケっぷりがまだまだというくらい炸裂する。

「古事記とか日本書紀とか?」

「それは古書」

「音ゲーなどにおいて難易度が表記されるものよりも高いこと?」

「それは詐称」

「織田信長とか豊臣秀吉とか徳川家康とか?」

「それは武将」

「ブラックペッパー?」

「それコショウ」

「鍵をちゃんと閉めること?」

「それ施錠」

「多かれ少なかれ?」

「それ多少」

「餃子の~」

「王将~♪…ってそれじゃないねん」

パシン

もう一度叩いた。

「え?なんか違ってた?」

「いや、違ってたもなにも最後のは文字数すら結構間違えてたじゃん」

「やっぱりだめだったか~」

華はにっこりと微笑みながらそう答えた。

「ハハハ…華が楽しんでくれたし、まぁいいか」

——まもなく南流山です。南流山の次は流山おおたかの森に止まります。途中の流山セントラルパークとJR武蔵野線はお乗り換えです。

「そういえば華って昔よくこの路線に乗ってたっぽいけど昔のアナウンスは覚えてる?」

「それって駅の接近?それとも車内?」

「どっちも」

「車内のは実はあんまり分かってないんだよね…車内で席について速攻で寝てるもん」

「すごいチャレンジャーだね…w」

「終点で運転手がおこしてくれるからね」

「いいように使わないであげてよ…」

「別にいいじゃん」

「叩かれても知らないからな」

「冗談だって」

華がそう言ったころには南流山に停車するため減速をし始めた。

「いやぁ、いばらの旅路はまだまだ長いなぁ」

「なんだリョウ、茨城だけに掛けてんのか」

「いやまぁそうなんだけどさ…」

「なんか悩みでもあるのか?」

「これ、守谷まで話題がつながると思うか?」

「いや、まったくそうとは思わないよ」

「じゃあなんか話題でも…」

「豆知識からなんか話広げてみたら?」

「あ、たしかに!」

「この電車に関する知識~」

「え~…じゃあこの車両には全電気回生ブレーキというものが搭載されてます」

「それくらい知ってるよ」

「え…じゃあね…延伸計画は…知ってるよね」

「ほらほら~」

「じゃあ実はTXは最近工事をしたんだよ!」

「守谷の分岐のこと?」

「うぅ…もうないです…」

「ごめんて…ほ~らよしよし」

「ううぅ…お姉ちゃん~」

そう言って華に抱き着いた。なんというか…兄弟のスキンシップだよね。

「じゃあリョウ君はTXの規格がJRのよりも大きいのは知ってた?」

「知らなかった…」

そうして南流山に着いた。思った通り座席が結構空いたから僕は華の隣に座った。

「あぁ…あの時のトラウマ…」

「突然どうしたの?」

「いや、昔華に膝枕してもらったことがあったじゃん」

「あぁ、あれね」

「めっちゃ恥ずかしかった…」

「わ、私だって恥ずかしかったわよ」

「いやぁ、あの時はホントにごめん」

「別に終わったことだし気にしなくていいよ」

「そうだよね」

「まぁ、主犯は私なんだけど」

「そうなんだ~…え?華が主犯…?」

僕はものすごい勢いで驚いた。

「まぁもう終わったことなんだから」

「そうだね…」

もう苦笑することしか出来なかった。


しばらくの間沈黙があった。そしてそれに気が付いたのは駅に着くための車内アナウンスだった。

——まもなく流山おおたかの森です。流山おおたかの森の次は守谷に止まります。途中の柏の葉キャンパス・柏たなかへおいでのお客様と東武アーバンパークラインはお乗り換えです。

「あと少しだね…」

「…」

そりゃあ30分間も座り続けちゃ眠たくなるよな。

「ほら、あと少しだよ」

僕は華の体を揺さぶって起こそうとした。

「むにゃむにゃ…あと5分だけ…」

「あぁ、だめだこりゃ」

パタン

あいにく座ってる席が真ん中なために寄りかかれる場所がなく、自分の膝の上に倒れてきた。可愛い!と思ってる自分とこの状況なんか不安に感じる自分がいる。まぁとりあえずこれだけはやっておこう。

「おやすみ、守谷に着いたら起こしてあげるから」

そうして頭を撫でた。華はニコニコしながら

「よろしくね…」

と、頭を撫でた僕の手を取りながら言った。

誰もが眠りにつくときは単独、または信頼されてる生き物の近くで寝る習性がある。なぜなら動物は寝てる時が1番無防備だからだ。これは…信用されてるってことでいいんだよな…?



それから守谷に着いたときに華に手伝ってくれるくらい足が痺れてしまった話はまた別の時に。


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