第26話 無事終わりました
皆伝6粒なんですよ
めっちゃくちゃ嬉しい
上野と言えばたいていの人は上野動物園と答えるだろう。しかし、これ書いてる中の人としては上野と言えばあゝ上野。そして14番線ホーム。そう、北の玄関口ということだ。すくなくともそうとらえている人々もいる。はたしてこの2人はどう思っているのだろうか。
「上野着いたね~」
「あぁ~、疲れた~」
なんとか華との会話はできててよかったわぁ。もう門前仲町の時から心臓がバクバクだったよ…
「とりあえず西郷隆盛像?に行ってもいい?」
「そうしようか」
そう言いながら僕たちは改札を出た。改札を出るとそこは古いような近未来だった。
「装飾がすごいねぇ…」
「華、銀座線のほうがもっと装飾が派手なんだって…」
「京成行こうか…」
何かに驚いて声がなっていない。
さて、これから上野公園に行くのだが一体なぜこんなにカップルらしき人がいるのだろう。
「早く帰りたい…」
「あともうちょっとだから!」
「アハハ…そうだね」
「これからも一緒にいるからさ!」
「うん、頑張ろ」
そう言って彼女は手を握った。
「早くご飯食べたいよ~」
「ほら、あとちょっとだから」
「ていうか華は腹減らないの?」
「え?お腹なら減ってるよ」
「そうか…そうだよね」
「なに立ちなおしてんの」
「いや、なんかね腹が減ると痛くなっちゃうんだよね」
「じゃあ早くこの回りを終わらせないと…ってこと?」
「…うん」
「じゃあ先に食べに行っちゃおっか」
「ホント!?――――――――――――――――」
「簡単にアイラインが復活したわね」
どうやら僕の目は死んでたらしい。にしても早くご飯が食べたいのは事実だ。
「ほらこっち」
グゥー
え?
「い、今のは聞いてないのよね」
あー、今のお腹が鳴る音は華のだったんだ。
「もしかして華もご飯が食べたいの?」
「う、うるさいわよ」
照れ隠しがかわいい。
「そうと決まったら早く行こう」
「最後の決め言葉取られちゃった」
そう言って二人でJR上野まで早歩きで行った。
ピピッ
改札の中に入ったらあとは14番線の方までかけていくだけだ。
だんだん駅そばの店舗に近づくにつれてそばと醤油のいいにおいがしてくる。
ガラガラ
「いらっしーゃいませー!」
「すいません2人なんですけど」
「ではあそこでお食べください」
そう言って店員さんは角の立ち席を指さした。
「リョウ」
「あ、華」
「これ買ったの?」
そう言って華は食券を見せた。
「あ、やべ買うの忘れた~…買ってくるわ」
「はーい、いってらっしゃい」
「うーん何にしようかな…」
とりあえずどこでも食べてるカレーセットのそばにした。大体安いし食べ応えあるからね。
ガラガラ…
「あ、おかえり!」
「ただいま~」
「2人とも何にしたんだい?」
「「これお願いします」」
「分かりました。カレーセットと唐揚げセット」
「あいよ」
「早くご飯を食べる準備をしましょう」
「そうだね」
華は手元にあった箸とれんげを取って僕に渡した。
「これ」
「ありがと」
「2人ともこれね」
「「ありがとうございます」」
「あれ?これ頼んでませんけど」
「あぁ、2人とも仲がいいからオマケよ」
「本当ですか!?ありがとうございます」
「これくらいのサービスしないと人が入ってこないのよ」
「まぁ何でもそろう上野駅ですからね」
「それはそうと早く食べてね、早く食べないと冷めちゃっておいしくなくなるから」
「「いただきます」」
いやぁ、駅そばってホント速いよなと思いながらそばを食べた。
「ごちそうさまでした」
「はーい、ありがとうね」
僕は空になったお椀をお盆ごとカウンターの一個上にある机に置いた。横から手が伸びてきてもう一つのお盆があげられてた。
「ごちそうさまでした、おいしかったです」
「本当にありがとうね」
「では」
僕と華は出入り口の扉を開けてお店を出た。
「食べたね~」
「いやぁ、たくさん食べたよ…華もそれなりに食べてたじゃん」
「いや、いつもの7割くらいだよ」
「まだいけたの!?」
「まあね」
「じゃあどうする?」
「そんなの聞く必要ないじゃん、ご飯食べ終わったしあの銅像見に行くぞぉ!」
「おおぉ!」
………
とは言ったもののなかなか見つからないなぁ…
「ハァハァ…」
「大丈夫?」
「ねぇ…ま…だ…?」
「もう死にかけじゃん、何か欲しいものある?」
「み…ず…水を…」
「水ね、えーとちょっと待ってね」
さすが華。用意がちゃんとしてあってすごいなぁ…
「はいこれ」
華はキャップを開けて僕の左手に持たせて一緒に上に挙げて水を飲ませてくれた。あれ?でもこれレモンの味しないなぁ。
「僕ので大丈夫だったのに…」
「いやそんなに遠慮しなくていいのに」
いや、遠慮はしてないのだが。
「ていうかリョウが生き返ってよかった~」
「もう見つからないし諦めていい?」
「じゃあびゅうで紹介された上野の大仏を見に行く?」
「そうしよ」
「あ。でもそれ少し高い丘の上にあったんだ」
「えぇ…」
「行く?」
「行ったことある?」
「昔はホントによく行ったものなんだよ、清澄白河だったらまあ一応歩ける距離にあるしね」
「この近くにある?」
「うん、そうだよ」
「じゃあ行こうか」
「やった…」
「うん?何か言った?」
「いや、何でもないよ」
「それだったらいいんだけど」
僕たちは丘を登って上野の大仏に行った。
「昔ここに大仏が建ってたけど戦争の時に体をごっそり持ってかれちゃったんだって」
「うんうん、それで?」
「頭までもっていくのはさすがに罰当たりなんじゃないかっていうことで頭は取られなかっただよ」
「へ~、なるほどね…」
「へへーん♪」
「さすがだね、華」
「ちなみにこの大仏様はこれ以上落ちるわけがないってことで落ちない、つまり合格祈願にもってこいなんだよ」
「だとしたらこれ以上考査の点数が落ちないでください…!」
「いや、いつもすごい点数取ってるじゃん」
「まぁ学校は対策さえすればどうにでもなるものだしね」
「確かにそうだけどまぁこっちも次は負けてられないかな」
「楽しみにしてるよ」
「あ」
「華、どうしたの?」
「写真早く取ろうよ」
「分かった分かったって」
「じゃあこうかな」
彼女はそう言って大仏の頭を撫でた。僕はそれを写真に収めた。まだ冬なのに春のような補正がかかってしまった。
そのあと秋葉原に行って華と一緒にマンガをたくさん買ったり3人でウニやったりして楽しんだ。というかとことん楽しんでやった。




