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鉄道恋愛物語  作者: さるきち
3章
26/32

第25話 まあ心配ですよね

今ね、考査2日前☆

まもなく1番線に——

この気持ち、何なんだろう。…いや、その気持ちは知ってるか。なんでこんな気持ちが出てきたんだろう…この気持ちは僕が第一線を退いて言おうと思ってるのに。あと1年以上あるんだぞ。どうするんだ…


私、やっぱりリョウ君のこと好きなんだ。でもきっとこんなこと思ってるはずがない…だからこそ私の告白という言葉で好きって思わせたくない。でもこの思いを伝えないでほかの女の人と付き合い始めてほしくない…一体この気持ちはどこにやればいいんだろう…


次は門前仲町です

あ、次か、でもどうしよう。

(僕、)(私、)さっきので意識しちゃってどういう風にふるまえばいいんだったっけ!?

「え、えっと次だね…」

「そうだね…」

「…」「…」

すごい不穏な空気…きっと僕、好かれてないんだろうなぁ。

「…ほら、早く出ないとドア閉まっちゃうよ」

「あ、うん、ごめん」

「で、ここからどうするんだっけ」

「茅場町に向かって日比谷線が一番早いかな」

「じゃあそれで行く?」

「僕は別にいいけど」

「じゃあそうと決まれば早速行こう!」

元気だなぁ、僕もあんな感じに元気に話せたらいいなぁ。

僕たちは乗り換え改札を通って東西線に乗った。

「そういえばさ…」

「どうしたの?」

「今日はどこまで…?」

「なんでそんなに緊張してるの~」

そう言って肩に手を乗せた。この時はまだ気づかなかったけど乗る寸前に彼女の手が震えてることに気が付いた。

「あれ…?」

彼女はその手をはなして服をつねるように持って

「早く行くよ」

と、言った。

「お、おぅ」

車内はそんなに混んでないけど空いてる席はなかった。まぁね、乗り換えがとなりだしね。

「さっきの答え教えてくれない?」

「ごめんごめん、今日は最後の豊島園まで行こうとは思ったけど今工事中だし豊島旧役所はつまらないし上野が最後になるのかな」

「じゃあさ、それ終わったらどこ行く?」

「いやその前に飯だろ」

「いや華、そうだけどさ…」

「何か案があるの?」

「駅そばとかはどう?」

「それ、どこで食べるの?」

「どこだと思う?」

「え…?上野のどこかで食べるんだよね?」

「え?北千住だよ」

なんか挑発したみたいになってるかな…?

「あぁ、あそこね」

「そうそう」

「じゃあそれ終わったら秋葉原まで戻ってゲーセンだね」

「あ、忘れてた…」

「リョウ君が提案したでしょ」

「もうね、なんか疲れたんだよ」

「はぁ、明日は学校か…」

「ホントにね…水曜日に休みあるけどね…」

「だから!なおさらっ!ゲーセン行こ」

「すごい理論だねぇ…」

「ほら行くよ」

また先導されてしまった…と思いながら電車を降りて日比谷線に乗り換えた。

「上野ね、たしか後ろの方じゃなかったっけ」

「そうなの!?」

僕たちは次の駅で降りて乗車案内表を見た。

「うわ、本当だったんだ」

「そりゃあ私だってそういう事は分かるんだから」

「にしても上野かぁ…」

「上野がどうしたの」

「いやぁ、なんか上野ってなんもないイメージなんだよな」

「そうかな、結構あると思うよ」

「たとえば?」

「旧博物館動物園駅舎とかかな」

「そんなのあるんだ」

「え?もしかしてリョウ君、知らなかった?」

「う、うっせーな」

「うそ、リョウ君でも知らないところあったんだ」

「そりゃあある…でしょ… ///」

「そんなに照れないでよ~、まぁでもそんなリョウ君も好きだけど」

「まぁまぁ…」

次の電車は東武車なのかメトロ車なのかワクワクする華とさらに華のことが好きになってしまった涼雅であった。

そんな中たまたまデートを見てしまった人がいる。

「あれ、あの2人何してるんだろう…でも2人しかいないからで…デートかな」

この人の名前は…凛々子である。

「いや、なんか2人が付き合いそうな雰囲気はあったからそうなるかなぁとは思ったけど…」

ここは出ていいものなのか分からなくなってしまっている。

「今日は秋葉原でラノベ買おうと思ってきてみたけどやっぱり2人の行動が気になるからそっちの方について行ってみようかな」

そう言い、柱の後ろに隠れた。

ちらちら様子を確認するがやっぱり何かを話し続けている。

「今、11時回ったくらいかな…開店は12時だから早すぎるよ」

凛々子、それをお前が言うか。

「いったいどこに行くんだろう…」

凛々子は考えた。電車が着いたことに気づかないくらい。気づけば発車メロディーが鳴り始めてた。

「やっば」

と、言い凛々子は電車の中に乗り込んだ。

「ふぅ…何とか間に合ったぁ~」

「…」「…」

「?……えー!?」

乗ったら目の前に華と涼雅がいたのである。

「しっ、電車の中は静かにしようね!」

「あっ、はい」

「『あっ、はい』じゃないよ、なんでここにいるの?」

「あ、確かに!なんで?」

確かにじゃないぞ、華。多分こういうのは実は計画知ってたパターンのやつだぞ。

「ちょっと送り迎えでね」

「どういうこと?」

「今日人好が羽田行くって言ってたじゃん」

「あぁ…なんか『徳島に行って気動車旅行だー!!』って言ってたなぁ」

「それでここに来たのよ」

「なるほどね…」

「いやいや華、納得するんじゃないよ。この人出身が横浜の方だよ」

「え…?…あぁぁぁー!!確かにそうだよ。なんでここに来てるの?」

「いや、ちょっと漫画買いに行く予定でね」

「あれ?確か秋葉の大手販売店は12時からじゃなかったっけ?結構早くない?」

ギクッ

「い、いやぁ」

「どうせたまたま僕たちのこと見つけて『あ、華たちだ~』とか言って近づこうと思ったら話の内容とかから近寄りがたい雰囲気が出ててそれで『暇だしついて行ってみるか』ってなったんじゃないの?」

「い、いやぁ、そんなわけ…」

「あ、そうだったの?」

「うん、まぁそうだけど。ていうかその偏見はどうやって出した」

「あぁ、人好が言いそうなことと華の鋭さを混ぜてみた」

「それってどういうことなのかな?」

「あ、いや、その…」

一気に形成逆転!

「華、今何してるの?」

「今ね、この本の聖地巡りをしてるの」

「で、本当は?」

「本当はそれを口実にリョウ君とデーt…」

華もものすごく恥ずかしくなってしまった。

「若いわねぇ」

「いやいや近所のおばさんかよ」

「そんなそんな」

「早く帰りなよ」

「いや、私、あなたたちについて行く!」

「「えぇ~…」」

「まぁまぁいいじゃないの」

「だから近所のおばさんかよ」

「そんなことは置いておいて」

「いや、置いておかないで」

「とりあえず聞くけどどこに行く予定なの?」

「上野公園行ってから北千住でご飯食べてアキバの予定かな?」

「うん、そんな感じだよ」

「それならなおさらついて行った方がいいじゃん」

「いや、だから今はリョウ君と二人で楽しもう!ってことの話だからついて来てほしくないの」

「うんうん」

「しょうがないわねぇ。でもここまでできるようになったのは嬉しいわ」

「う、うん」

「ありがとう…」

「いい、リョウ?あなた、鈍感すぎるのよ」

「そ、そんなわけないだろ…!」

「じゃあ華ちゃんの考えてることわかるでしょ」

「一緒にいて楽しいとか?」

「ハァ、まったく、鈍感なの自覚してよね」

「え!?なに?何か間違えたの!?」

「華、あなたも奥手すぎるのよ」

「うぅ…返す言葉もありません…」

「まったく、もう…2人とも、ちゃんとしてね」

「「はい…」」

「分かればよろしい。じゃあ私は邪魔にならないようにとっとと逃げるわね」

そう言って凛々子は秋葉原で降りた。そして

「用事終わってゲーセンに行くならRINEで読んでね」

と言い残し、出口へ向かったのであった。


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