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鉄道恋愛物語  作者: さるきち
2章
20/32

第19話 で、実践

ヨシッ、遊ぶか

と言って逃げればどうにかなるだろう

僕たちが駅に着いた時、電車が到着した。まるで京成線が僕たちのことを応援しているかのように。

「とりあえずこれに乗ろ!」

僕よりも先に華が話した。

「華って時刻表好きなの?」

「へへ~ん、すごいでしょ」

僕は華が時刻表鉄であることに驚いた。

「やっぱりここは成田空港まで向かってそこからはスカイライナーでしょ」

「やっぱそうなるよね~」

僕たちはそんな話をしながら成田空港へと向かった。

「私、着いたら走るから」

「はいこれ、多分3000円あれば足りるから」

「はいはーい」

「待っとくれ」

「あ、おじいさん」

「そのお金はわしらが出す」

「そんな、大丈夫ですよ」

「いや、これはわしらの時間調整がうまくいかなかったのが原因なんじゃし、未来のある若いおぬしらへの投資じゃと思ってくれ」

「ホントにいいですか?」

「大丈夫じゃぞ。それでこれくらいあれば大丈夫かの?」

そう言っておじいさんは2万円だした。

「わっかりました!」

「多分5分前には締め切られるからよろしくね~」

「は~い!」

そして着いた瞬間に彼女は走ってスカイライナーの切符を買いにいた。

「あと10分くらいあるので落ち着いて歩いてくださいね。倒れたら本末転倒なんでね…」

「転倒だけにか」

「そうですよ」

「ワッハッハー」「アッハッハー」

「君もおやじギャグ言うんだな」

「僕のおじいさん仕込みなのでね」

「それは感謝しないとな」

僕は小さいころ両親が忙しくて家事の面倒が見れなくて祖父母の家に預けられた。そこで祖父と遊んでもらったり祖母と庭仕事をしたりした。その場所で僕はおやじギャグのセンスと料理の腕前を覚えた。今でも両親は共働きでそれに嫌気がさして僕は引っ越しした。だからたまに友達を招いて料理とかを振る舞っている。

「改札出るんか」

「いや、改札は出ません。ただこの改札は出てください。」

「そうなんか」

そう言っておじいさんたちはTOICAを改札にかざした。僕たちも改札にかざして京成線を出た。

「買ってきたよ」

「ありがとう」

そう言って僕たちに切符を配った。どうやらまとまった8席が取れたらしい。僕たちは急いでスカイアクセス線ホームに向かった。

「あと4分くらいかな?」

「3分発の電車だからそうだね」

エスカレーターを下って2分ほど待つとあの電車が来た。

「なんじゃこれ」

「この電車は『京成スカイライナー』ですっ!この電車の特徴は在来線最速の160㎞/hをだせるんです」

「それはすごいわねぇ」

「車内もトイレ完備だし全席指定の座席、仕上げに飲食可能っていう何でもありの電車です!」

「ためらってもあれですし乗りましょう」

「そうじゃね」

そう言って僕たちは車内に入った。意外にも和のような感じのある、それこそリバティのようなイメージをしてたけど実際のところE353系に似ている感じがする。と、いってもかなり独自だと思うが。

「ここらへんだね」

「じゃあ切符の通りに座ろう」

僕たちが座ったのは8Cと8Dだ。華は

「7から10のCD列が取れたんだよね」

と、スカイライナーに乗る前に言っていた。だからどこに座るかを話し合った。おじいさんたちは10にしてもらって7から体力がありそうなペアの順に渡したらしい。

「やった!またリョウちゃんと一緒になれた!」

彼女はボソッと言ったから僕は何を言ったか分からなかった。

「僕は通路側でいいよ」

「なに言ってるの?これからずっと私通路側でいいよ」

「うん、じゃあそうするよ。そういえば次の旅行どこ行く?」

「うーん、私はやっぱり東武に行きたいかな」

「そうだよねやっぱり夢あるよね」

「うん…」

華は悲しがっていた。僕はなんとなく選択を間違えた気がした。僕は外の風景を見た。しばらくして華が

「どうしたの?」

「もうそろそろ100㎞/h超えるかなって思って」

「ほら、もう120㎞/h超えてるわよ」

そう言ってスマホの速度計を見せた。そこには126㎞/hと表示されてた。

「ほんとだ、じゃあ今どこだろう」

どうみてもここは山の中だ。はたして僕たちは無事に時間通りに到着できるか心配になってきた。すると

「大丈夫、日本の鉄道は遅延しないことが多いし京成本線にいないから大丈夫よ」

と、華が励ましてくれた。それで緊張が解けたのか、僕はバッグの中からお菓子を取り出した。

「え…?これなに?」

「いや、スナック菓子だけど…」

「まぁそりゃあそうだけど、そういうことじゃなくてねなんで持ってきたの?」

「いつも買ってるんだよね。ルーティーンってやつ?そんな感じかな」

「なるほどね」

「よかったら食べる?」

「ホント?ありがとう」

そう言ってポテチを取った。

「やっぱりポテチと言えばのりしおよね」

「そうかなぁ、僕はコンソメ派なんだけど」

「たしかにコンソメもおいしいよね~」

「Wのやつで食べた後に指舐めるやつ最高だよね」

「あれはホントにポテチの特権だよね」

「といっても神ポテの指もおいしいんだけどね」

「それね、あぁ、想像するだけでよだれが出てきそう…」

「車内販売してたらなぁ…」

「この中が新幹線だったらなぁ」

「それな」

そう僕は言ってからのりしおを出した。僕は袋を開けてポテチをバリバリと食べ始めた。隣のほうからもバリバリと食べる音が聞こえた。華も食べ始めたんだろう。

「俺にもくれよ~」

手前から柊真が手を出してきた。

「あんたね、リョウ君の気持ちを考えなさいよ。いつもお菓子をもらいっぱなしで返しがないでしょ。次ちゃんとお菓子持ってきて返すのよ」

「は~い…」

さすがだ凛々子。ぼろくそ言った挙句にちゃんと次の行動も考えている。これが学年最上位の力か…

と、圧倒されてしまう。

「お菓子ちょうだい~」

今度は後ろから聞こえた。どうやら人好と未奈らしい。

「ん」

僕は右手に持っていたポテチの袋を机に置き、バックの中に入っていた板チョコを渡す。

「これお礼ね」

そう言って僕たちにじゃがりこをくれた。僕は右手でもらった。すると人差し指に生温かい感触を感じた。僕は指を引っ込めようとするがそれでも指先は生温かいままだ。僕は勢いで右側を向いた。すると華が指を舐めていた。

「ちゅぱちゅぱ…ぷはっ、おいしかった」

いきなりすぎて驚いた。僕はもうどうすることもできないらしい。…ならば

「エイッ」

僕は華の指に飛びついた。しかし捕まえられなかった。

「ちょっと、飛びついてこないでよ///」

「ごめんごめん」

「せめて食べた後に食べてよ…」

「ごめん、聞こえなかった。何か言った?」

「いやいや、何も言ってないから大丈夫!」

「じゃあちょっと手を洗ってくるよ」

「行ってらっしゃい」

「あ、食べたりなかったらバックの中にお菓子まだ入ってるからね」

「うん、分かった」

僕は手を洗うためにお手洗いに向かった。洗面台について僕は鏡を見た。そこにはいつも見ている顔がある。その顔はいつも見てるからとくにこうという気持ちはない。僕は左手の人差し指を加えた。のりしおの味が指についているからそれがもったいない。…しかしいくら舐めても味がしない。そうだった、華が舐めて…え?これ普通にキモくない?なんか普通にセクハラなんじゃない?

「恥ずかしい…」

僕はそうつぶやきながら手を洗った。僕はそのあとポケットに入れておいたハンカチを出そうとした。しかしそこには入っていなかった。しょうがないと思いながら席に帰った。席にはハンカチが置いてあった。

「おかえり」

「ただいま」

そう言い、僕はハンカチを取って手を拭いた。

おバリッ

華の机には1袋の空になったポテチの袋と手元にもう1袋のポテチがある。どうやら2袋目に入ったらしい。

「あ、そうだ、はいあーん」

「あーん…」

僕は華の指を食べた。彼女の指はしょっぱかった。それに少しの甘さと辛さを感じた。

「おいしいでしょ」

「はい、おいしい、です…」

ちゅぱちゅぱ

「!?」

「あー、いつ食べてもおいしいな」

ホントに突然だった。頭のぢょり速度がついていけなくて壊れそうになった。それと同時にこの場から離れたくなった。

「ほら、君も残りを食べたらどうだい」

「あ、確かにそうだね。ありがとう華」

僕たちはもらったじゃがりこや持ってきたお菓子を食べた。

「間もなく日暮里です」

僕たちは日暮里に着いた。そこは僕がよく見てた景色が広がっている。

「じゃあササっと乗り換えていくよ」

「山手線?」

「そうそう」

「それに乗ってどうするんじゃ」

「そしてら品川で新幹線に乗り換えですね」

「どうして品川なんじゃ?」

「品川のほうが乗り換え早いのでそうしてます」

「あれのほうが早そうなんじゃが」

「あ、本当だ!じゃああれに乗りましょう」

「分かったわい」

「孫の顔が早く見たいわねぇ」

僕たちは常磐線の快速電車に乗った。席は空いていなあったが別に上野が終点だから問題はない。僕は怖くて時間ばっかり気にしてほかの人と話さなかった。

上野についた。ここから品川まではほんのすぐだ。別に立ってても大丈夫だと信じている。

「あとこれだけかの」

「あと少しだー!」

僕たちは喜んだ。そして来た電車に乗り込んだ。停車駅は東京、新橋、品川だ。実際は横須賀線に乗る予定だったけれどやっぱり東京駅の乗り換えが長いからやめることにした。ある時突然華が肩をつついてこう言った。

「大丈夫?」

僕は驚いて

「え?」

と、とっさの返しをしてしまう。

「さっき話しかけたけど全然反応してくれなかったからさ」

「あぁ、ごめん」

「そうじゃなくて、なんでそんなに緊張してるの?」

そう華が言って手を握った。僕の手は見るからに震えてるのがわかる。

「実は品川が近づくにつれて乗れるかどうかやっぱり…」

「少なくとも私はあなたを信じてる。だからこそ私を信じて」

「うん」

「大丈夫よ、落ち着いてね」

「ふぅ、落ち着いたよ」

「フフッ、私は怖いのが苦手でリョウ君は緊張が苦手なんだね」

「そうらしいね」

「ほら、もうそろそろ品川よ」

「早く改札通る準備しないとね」

僕が電車を降りる時には笑っていた。

「品川、京急線と新幹線はお乗り換えです」

「あと少しだね」

「シュウ、あまり走るなよ」

「人好、お前も来いよ」

「えー…、未奈…」

「いってらっゃい、その代わり私たちの分も買ってきてね」

「うん」

そう言って人好と柊真は改札のほうに行った。

「私たちは私たちのペースで行きましょう」

凛々子がそう言った。

「そうじゃな」

僕たちはエスカレーターを上って新幹線ホームに向かった。もちろん急ぎ足で。

「買ってきたよー!」

そう言って柊真が帰ってきた。僕たち4人に入場券を渡した。そして

「シュウは脳筋なんだから速いんだよ」

人好が息を切らして帰ってきた。

「そんなこといいから行くぞー!」

「まだ元気あるの…」

まるで電池の2極のようだ。僕たちは新幹線のホームに入った。

「ちょっと切符見せてください」

「これじゃよ」

「のぞみ…53号あるかな…あ、あった!」

「ってことは…?」

「「「任務完りょーう!!」」」

「ところで君たちはどこの人たちなんじゃ?」

「僕たちは成高鉄研部です」

「成高の鉄研部か。覚えたわい」

「お疲れ様だねぇ。それにごめんねぇ、迷惑かけてしまって」

「いいんですよ、困ったときはお互い様っていうじゃないですか」

「そうかのぅ」

「意外と正しいと思いますけどね」

「じゃあ達者でのぅ」

「はい、お元気で」

そしておじいさんたちはのぞみとともに遠くに消えていく。


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