僕は桃太郎
僕は桃太郎。プロの転生者だ。これまで何度も転生しては、犬猿雉をお供に連れて鬼退治をしてきた。
(次は雉君を中心に据えた戦法でいこう)
正直、転生を繰り返すたび同じ設定で進む話には飽き飽きとしている。
鬼と対峙した際の戦法を変えたり、鬼ヶ島への道のりを変えたりと、なるべく飽きないように話を進めてきたが、何度も転生を繰り返していくうちにそれは限界を迎えていた。
(せっかく転生するのに毎回同じなんて、つまらないなあ)
いつもと同じ村の風景、いつも優しいおじいさんとおばあさん、従順なお供たち、そこそこ強いが最後には倒すことのできる鬼、たくさんの金銀財宝、桃太郎という当たり前の設定はもう面白くない。
ただ全く同じという訳でもないようだ。3回目の転生からは、桃太郎商会という無人の移動販売車が登場して武器や食糧の調達ができるようになったり、5回目以降は出てくる鬼が少しずつ強くなっていったりという変化はあった。
今回の転生は記念すべき10回目ということもあり、少しの期待を抱いていた。
(さて、そろそろかな)
桃太郎は着ている服をその場に脱ぎ捨てると、目の前に現れた光り輝く大きな桃型の棺に入った。
紫かき氷です。「ヒーローズダンジョン」と同時進行で2作目の投稿です。
こちらは見切り発車で書き始めましたが、タイトル通り設定がシンプルなのでスイスイ書き進める事ができてます。
書き溜めなしで気ままに更新してます。
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