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怪物兄妹の復讐劇  作者: 壊れたジュークボックス
絶望編
1/14

襲来

しばらくは胸糞だと思います。けっこう残酷です。

「セラ!早くー!」


「待ってよトール!」


少年が少女の手を引いて、二人の兄妹は丘を駆け上る。


「ここまでくれば大丈夫だ!」


二人は岩の上に座って下を見た。眼下には小さな街と小麦畑が見える。


「でも大丈夫かな?ジョージさんすっごく怒ってたよ?街を歩けば絶対に会うことになるし。」


「うーん、やっぱりそこだよね。どうやってごまかしたものか。」


「やっぱり素直に謝ったほうがいいんじゃないかな?」


「えー、無理無理。ここは知らないふりして、少し遠回りして裏の畑から家に帰ろう。」


「うん、そうだね」


二人の顔に夕陽が差す。やがて兄妹は立ち上がって歩き出した。



「やっべ、結構暗くなっちゃった。急ごう!」


「うん!もっと早くから家にいたよ作戦、だね!」


少年は裏口の扉を慎重に開けて、閉める。


「よし、大丈...」


「何こそこそしてるのかな?二人とも?」


二人の動きがピクリと止まる。恐る恐る振り向いた先にはとても大人っぽくも美人な、けれど顔立ちはどこか少女に似た女が仁王立ちしている。彼女の名はソフィア。セラとトールの母親だった。


「えぇ?どうかした?ちょっとトイレ行ってただけさ!」


「へぇー、兄妹でトイレ行ってたの?」


「「うっ」」


兄妹は二人して顔を赤らめた。


「そ、そうなんだ!」

「え、えぇ!」


もっともっと顔を赤らめた。


「ふーん、つまり二人はこんな遅くに帰っておきながらただいまも言わないでトイレでいちゃいちゃしてたってことかなぁ?」


「い、いや、ずっと家にいたよ?」


「じゃあもちろんセラかトールのどちらかが壊れてたトイレを直して、しかもさっきジョージさんが家に来た時も部屋で居留守を使ってた。そういうこと?」


二人の顔はみるみる青ざめていく。


「覚悟、できてるわね?」


「「.........はい」」





次の日、街でソフィアに連れられた二人は笑いものになった。ジョージと呼ばれた老人はあまりの二人の憔悴ぶりに、怒る気も起きないどころかむしろ心配した。


「本当に申し訳ありませんでした!ホラ!早く頭を下げなさい!」


「「ご、ごめんなさい」」


「ま、まぁわかってくれたならもういいわい。二人とももうするんじゃないぞ。」


その後、ソフィアは用事があると街の反対側へ繰り出して行った。


「よぉ、二人ともあの頑固爺に怒られに行ったんだろ?どうだった?」


二人が視線を横に向けるとそこには三人の少年と二人の少女がいた。


「どうもこうも、あいつのところに行く前に母さんにめちゃくちゃ怒られてもうヘロヘロだよ...」


「でもジョージさんはそんなに怒らなかったよ?」


「そりゃきっと二人がさっきここ通った時にはもう死にそうだったからなぁ。きっと慈悲をかけてくれたんじゃね?」


「そうよ、あのジョージが憐れむってどれだけだったのよ」


ふと少女が聞くと、兄妹は目に見えて青ざめ震えだす。


「お、おう。なんか悪かった。もう聞かねぇや。けどよ、お前ら一体何したんだ!?」


「ジョージさんの松を割っちゃったの」


「あーあ、やってんなぁお前ら。」


「けどさぁ、二人が震えるほどにまでソフィアさんが怒ることじゃなくない?」


「いや、俺たち二人は夏休暇に入って相当いろいろやらかしてるからなぁ。一週間に三回は怒られてたけど、昨日のは...」


「今までにないほどだったね、お兄ちゃん」


「ま、二人とも叱られすぎて死ななくて良かった!」


そう少年が言うと、みんな笑い出した。



夕方、二人は帰り道を歩いていると、畑の方から土煙が上がっている。


「ん?なぁセラ、なんだあれ」


カンカンカンカンカンカン!!!


その時、異常を知らせる警鐘が街中に鳴り響く。


「おい、見に行くぞ!」

「うん!」


だが二人は言葉を失う。そこにいたのは帝国の軍隊と、倒れて頭を踏みつけられている自分たちの母親、ソフィアだった。



「帰りなさい!!!ここはアークロンド王国タリス領、帝国がこんな軍隊連れてくるなんて、領土侵犯よ!」


「やかましい女だな。俺にとってそんなことどうでもいい。やれ!」


「「は!」」


すると突然控えていた兵士が剣で隣に立っていた村長を刺殺した。


いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!


家の中に隠れていた小さな子供が泣きわめき飛び出すと今度は別の兵がその子を撲殺した。ソフィアは顔色を変える。


「あ、あんたたち!!よくも!!!その手をどけなさい!!!!」


『Lrh Filtet Bratta!!!』(炎霊よ、彼の者を吹き飛ばせ!!!)


「うわぁぁっ!!」


ソフィアの放った魔法は村人を刺殺した兵士の顔面を直撃、そばにいた五人の兵を巻き込んで建物の壁に当たって動かなくなる。


「みんな、早く逃げて!!」


ソフィアは叫ぶがあまりの出来事に多くが固まり、家から動けなかった。


「こんのクソアマが!!!やれ!さっさと殺せ!皆殺しだ!」


その命令に数人の兵が切りかかるがソフィアは難なくかわし、体を魔力強化で高めながら向かってくる兵を蹴り飛ばし、遠くの敵には遠距離魔法で対応した。だが村人を殺された怒りでいっぱいになっていたソフィアは周りが見えていなかった。


いつの間にか手近な家をけ破って中の住人、特に子供を人質に取った兵士は刃物を突き付ける。


「そ、そこの女!こいつらがどうなってもいいのか!」


兵士は震える手で叫ぶ。


「でかした!おいお前、人質連れてここまでこい!」


「は!」


ソフィアは歯噛みする。だがそこで最も最悪なことが起こった。


「お「母さん!!」」


そこに現れたのはセラとトール、彼女の何よりも大切なものだった。


「え?」


『Mana Inperl Bllat!』(マナよ、衝撃をもって打ち倒せ!)


このわずかにソフィアが気を取られた瞬間、魔導兵の放った魔法は威力は低かったがソフィアの頭を直撃、意識を刈り取った。


「は!ははは!あの女もバカだなぁ!まさか人質作戦がこうも効くとは!どっちみちお前ら全員皆殺しなのになぁ!」


「よくも、、、よくも母さんを!!!」

「お兄ちゃん!」


「母さん?あぁ、そんなこと言ってたなぁ。ん?待てよ?てことは、お前らを殺せば...ふはは!面白い!」


「殺してやる!!!」


「ぶっひゃひゃ!いいよその目!俺は絶望に染まった顔を見るのが大好きなんだ!」


『Teghr Liv Ror!!』(彼の者を破壊せよ!)


だがトールの放った魔法は大きく外れ、木を粉々にする。さらにトールは魔力枯渇で倒れてしまう。


「お兄ちゃん!」


セラが駆け寄るがトールも意識を失ってしまっていた。


「バカめ!おい!そこのガキ二人をひっとらえろ!いいことを思いついた。そこの親も縛り上げろ!」


「お兄ちゃんとお母さんに近づくなぁぁぁぁぁ!!!!!」


バタバタッ!


「おい、何事だ!」


少女に近かった兵士10数名が一度に倒れたのだ。

それを見て、一人思案する者がいた。


男の方は破壊の呪文、しかも外れたとはいえ既にあの威力...それに女の方は、あれは威圧か?生まれ持った才能ということなのか...あの暴れまわった母親も、ただの村人にしては魔力も戦闘力も高かった。ガキは、男が8歳、女が6歳、といったところか?少し大きいが、使えるかもしれないな。


『Hlgmatet Suplt Teghr』(人霊よ、彼の者を眠りへいざなえ)


その男の放った魔法はセルの意識を刈り取った。


「よ、よくやった、ヘルマン!」


「当然の任務にございます、ギルバート様。時にギルバート様。この二人の子供、並みよりも相当魔力が強いと存じます。情報部が人体実験のサンプルを欲しがっているのはご存じと思います。そこでこの者らを持ち帰ることを具申します。」


「おいおいおいおい、こいつらは俺を怒らせたんだぞ?俺の手でなぶって殺さないと気が済まん!!」


「しかしながら、道中で発見された魔力の高い子供を拉致することは帝国軍司令のお墨つきの命令です。無視するわけには...」


「あーはいはい分かったよ!めんどくせぇな。だが道中なぶることは確定だ!この世に生まれてきたことを後悔するほどにな!それとあの女はダメだ!おもちゃにして遊んでから処刑だ!」


あーあ、何とかなったか。ヘルマンは思った。任務とはいえ、なんでこんなアホの副官なんてやっているんだろうな。


「ところでギルバート様残った村人はいかがなされますか?」


「うーん、せっかくここまでしたんだ、あいつらの絶望の顔がもっと見たい。よし、あいつらが起きたら目の前で殺そう。それで最後は母親だ!これは見ものだぞ!少しずつ剣で抉るんだ!」


「は!残った村人を一人残らずひっとらえて縛り上げろ!食料や金品も全て押収せよ!」


「「「は!」」」

初めての投稿だったのでいろいろわかりませんでした。相当テキトーに書いてます。結構描写がギリギリなのでアウト判定を受けてしまうかもしれません。

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