カウンターストライク
完全に記憶しているヤツだけで書いてます。
元々10年程前に書いたヤツですので。
「エンジン被弾、オールNOGO。APU、短時間のみ作動可能。状況報告終了」
無線使用できたかどうかはわからない。もう戦闘機の稼働可能時間は少ない。
軌道を確認する。デジタルディスプレイインジケーター、MFDによる表示は・・・あーどこの星にもアプローチ出来ない状況となっている。
レイブ・ランフォリンクス少佐は、追い詰められていた。
「くっそぉ! あの化け物どもが、よりにもよってサブエンジンばかり狙ってきやがって・・・」
サブエンジン、ARF-26E型に搭載されているものは、イオンエンジン4基、対消滅エンジン2基、核融合エンジン1基と、先代より少々豪華になっている。
主翼のウェポンベイはそのままだが、搭載兵器の種類は増え、機関砲ではなくパルスレーザーが標準装備となった。オートエイミング機能は拡張され、以前までの機体より、より扱いやすくなっている。
状況報告。イオンエンジン2基を除き、全て敵の攻撃により、破損、使用不可となってしまった。
「母艦に戻れないし、まともな星も発見できない」
MFDのNAVモードによる表示を見て、レイブは落胆した。
「どーせ戻れないのなら・・・寝よう」
そういい、彼は非常用装置である、コールドスリープするためのレバー、安全装置を解除した。
「んじゃ、あとはよろしく」
オートパイロットを作動し、一応自軍の戦闘艦、もしくは航空母艦へ辿り着けるように設定する。
「では、おやすみ」
レバーを引き、冷凍液と眠剤のミックスされた霧が散布される。
「もう、知らね・・・」
こうして、彼は深い眠りについた。
そして、彼が救出されるのは、2年後のことであった。
オートパイロット:通称おっぱい。高度維持の為によく使われる。ILSアプローチで自動着陸、着艦も可能だが、信頼性が欠けている為、ほぼ誰も使わない・・・と思う。