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5章

・・・・・どうしてこうなった。

目の前では宴会が開かれていた。無論、自分が主役の。

「いやー、嬢ちゃん見た目じゃ考えられん実力だねー」

「あぁ、おまけにあのクラーヴァ商会の会長から直々にAランク推薦もらえるなんてなー」

ははは。私ゃ当たり前だと思うことをしたんですがねぇ・・・

そう考えながらこうなった原因を思い出す・・・


王都「グラーセム」について、やはり感じたのは人の多さと活気、そして広い街並みに分かりやすい標識があちこちにあった。さすが王都、一見さんにも親切な街だ。

門で馬車から降り、王宮に用がある御者と別れてギルドに進む。

とりま、今日の飯代と宿代を稼ぐこととしよう。

案内標識に従い、冒険者ギルドに行く。と、そこにあったのは2階建ての石作りの建物。

日本○行みたいだなと一瞬思ってしまった

ドアを開けて中に入ると、広いエントランスを半分に分け、左側が冒険者ギルド、右側が食堂兼宿屋になってるみたいだ。

食堂のほうはそこそこ冒険者でにぎわってる様で、さまざまな装備・格好をした人たちが昼を過ごしてた。

とりあえずギルドに登録だ。

「こんにちわ~。本日はどのようなご用件でしょうか?」

「あの、冒険者になりたいのですが」

「あ~、登録に年齢制限は無いけど、お嬢ちゃんだとちょっと厳しいかな」

「一応、推薦状ももらったのですが」

とエル公爵からの推薦状を手渡す。瞬間凍る受付スマイル。

「・・・上に確認してきますので、その間こちらの書類を書いてお待ちください」

そう言い奥へ消える受付嬢。まー12の子供が地方領主の推薦状を出してきたらそらびびるわなぁ。

ついでに聞き耳を立ててた冒険者の一部も凍ってた。

「おいまじかよ、あんな子が冒険者になれる実力者なのか」

「じゃねーのか?受付があわてるような貴族様のお墨付きもらってるみたいだし」

みたいなひそひそが聞こえてくる。気恥ずかしいのでおどおどしつつ神眼で冒険者達のステータス確認。

ステータスチェックされるかもしれないから、少し強い程度にしておかないと。

「お、お待たせしました。後ギルドマスターがお話したいとのことでしたので、こちらまでどうぞ」

「ん、了解です」

そう言い受付嬢へついていく。周囲のざわめきもうなぎのぼりだ。


「初めまして、グラーセムのギルドマスターで全ギルド統括もしているアルドだ」

「こちらこそ初めまして、アリスと申します」

「アリス、か。公爵からの推薦状によるとファングウルフの群れすら瞬殺する実力者だとか」

「この年恰好ですので。瞬殺しないとこっちが瞬殺されてしまいますから」

「・・・その年でドンだけ達観してるんだか。後8年森暮らしとも書いてあったが」

「幼い頃、森で両親を亡くしてそれからずっと森暮らしをしてたので」

「なるほど、だからその実力にその胆力か」

「理解いただけて幸いです」

「なかなか、年相応の反応じゃない老成した度胸と物言いだな」

「一応、同年代と比べると規格外という自覚はありますので」

「自覚あるのかよ。まぁいい、エーヤ。彼女の書類を」

「こちらに」

エーヤと呼ばれたさっきの受付嬢から申込書を受け取り一瞥。

「得意は全距離に武器魔法両方いける、か。普通なら冗談だろうとばっさり切るが公爵の推薦だ。冗談でもないだろうし・・・っと。エーヤ、これで彼女のカードを発行してくれ」

「っ、ギルドマスター、これは」

「かまわんだろう。彼女にはそれだけの実力がある」

「かしこまりました」

そういい彼女は退席した。

「さて、カードはすぐ出来るがまずは説明からだな」

「はい」

「まず冒険者はランク制でF~Sまである。駆け出しはFからで、依頼の達成数・評価・どれだけ回数をこなしたかによってランクアップする仕組みだ」

「なるほど」

「しかしそれはCランクまでだ。Bランクからは依頼者からの評価や街などでの素行もランクアップ評価の対象となる。なぜか分かるか?」

「高ランクになるとそれだけ活躍も目立つ。それはギルドの顔という側面も持ち、さまざまな人からの依頼を受けるギルドからすると出来た人間を選ばないといけないから。極端な話、実力だけのSランク冒険者が街中でランクを盾にして傍若無人を防ぐため」

「おま本当に12歳か?的確すぎて不気味だわ」

「わぁいほめられた♪」

「いきなり年相応になるんじゃねぇ!あとほめてねぇからな!」

と雑談してたところノックが。

「失礼します。アリス様のカードが出来ました」

「そうか。ほいアリス、これが冒険者カードだ。名前のトコに血をたらすと登録完了だ」

渡されたのはクレジットカードくらいの大きさのカード。金属っぽい材質で名前とランクが表示されてるだけのシンプルなデザインだった、が

「あの、Cランクってあるんですが」

「あ?そうだろ。実力は公爵のお墨付きだからな。それにさっき言ったろ。実力でいけるのはCランクまでだと」

「なるほど。実力"だけ"はあるからCランク。あとは実績重ねてランクアップと」

「そういうことだ。あとこの水晶に触れてくれ。一応実力に嘘がないかステータス確認もさせてもらってる」

OK大丈夫。さっき食堂で確認したし、ギルドマスターのステもチラ見して設定してるからばっちこい!

・・・世界の加護さんホントに仕事してよ?


「・・・やっぱお前12歳じゃないな。Sランクでも見ねぇよこんなステータス」

あきれるアルドと驚き固まるエーヤさん。

やだなぁ書いてあるじゃないですか12歳って。

ちなみに表示されたステータスは以下のとおり


名前:アリス・レイン(12)

種族:人間ヒューマン

STR:385

AGI:360

VIT:270

INT:389

DEX:412


HPとMPとスキルは表示されないらしく、純粋な能力値だけ表示されるらしい。

「今んとこのSランク最強でも300台なのに、いったいどんな修練を積んだんだ?」

そんな問いかけに笑ってごまかす。ステータス弄れるなんていえませんから。

「そんなぶっ飛んでるお前さんに指名依頼したいんだが、受けてくれるか?」

指名依頼。ギルドとの信用度と貢献度を上げるチャンスか。

「分かりました」と二つ返事したことが事の始まりだった・・・

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