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4章

書斎に着くと、なにやら書き物がひと段落した様子で、「まぁ座りたまえ」とすすめられた。

「まず始めに、この世界のことを教えて欲しいとのことだったが、その前に1つ確認したい」

「確認、ですか?」

「あぁ。アリス、あの狼王の件なんだが、足止めせずとも君なら楽勝で倒せただろう?」

「なぜそうと?」

「その後の牙狼の瞬殺劇をみたら一目瞭然だ。なのにボスは足止め。こうなると突貫した俺に華を持たせるためか?って考えるのが自然だと思うんだが」

やばいばれてた。

「その辺はご想像にお任せします」

「まぁそういうと思っていた。とりあえず、教えることにやぶさかは無いんだが、ちょうどココ以上に適した場所がある。」

「ん? どちらですか?」

「ココから馬車で1日ほどの王都にある冒険者ギルドだ。アリスの実力なら問題なかろう」

なるほど冒険者か。実力で世界をまわり、実地で学ぶのに適した職業である、がひとつ不安が

「確かに、しかし私は基礎的なこともあまり分からないんですが大丈夫なんでしょうか?」

「その辺は大丈夫だ、メイド長のマリサに教えさせる。一応マリサは王都の学園で教鞭をとったこともある優秀なメイドだ」

紹介されぺこりと一礼するメイドさん。

「ご紹介に預かりましたマリサです。アリス様、よろしくお願いします」

「こちらこそ。お手柔らかにお願いします」


そうして1ヵ月半みっちり仕込まれたのだが、マリサいわく

「アリス様は教える端から理解されるのでどこまで教えていいか加減が分からなくなります」

と苦言をもらった。実質新鮮で新しいことばかりだったから色々と聞きすぎてしまったらしい。反省。

そして王都に発つための馬車に乗るときにエルさんから

「アリス、王都に行けば冒険者ギルドがある。生活費等の資金援助は君なら断るだろうと思ったから、ギルドでこの紹介状を渡してくれ。王都に旅立つ君に、せめてコレくらいはさせてくれ。」

「ありがとうございます、エルさん。何から何まで世話になりっぱなしで申し訳ありません」

「構わん構わん。むしろあの日、牙狼や狼王を君が倒してくれなかったら俺たちは壊滅的なダメージを負っていたんだから。それから、君の帰る家はココだから。暇なときはいつでも帰ってきてもいいよ」

「アリス様のお部屋は、いつ戻られてもいいように掃除しておきますので」

「エルさん、マリサさん・・・・・・。ありがとうございます」

深々と礼をして、馬車に乗り込む。

「では、行って来ます!」

「気をつけて、は君に言う言葉じゃないな。頑張ってこいよ」

「アリス様、立派な冒険者になれるよう応援しています」

「「「「がんばれよ!!!」」」」

エルさんやマリサさん、そして街の人たちに見送られて馬車は一路王都へ。アリスは、これからの生活に期待と不安を抱えて。

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