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12章

メイドさんに案内され応接間へ。

紅茶を注いで退室したメイドさんに会釈をして今後を想定。

紅茶を飲みながら数パターン想定したところでノックの音。

ワンテンポ後でドアが開き、執事さんがドアを開け、その背後から王様・宰相・そしてアースさんが。

立ち上がり会釈をしたところ「楽にしてよい。あとここでは普通にしてかまわん」と陛下からお下知が、ラッキー。

「さて、此度の褒賞としてまず白金貨10枚を贈呈しよう」

と、執事さんから小袋を受け取りこちらへ。

「え、多すぎないですか?」

ちなみに白金貨は金貨10枚に相当し、前世の日本円換算(為替変動が無いから分かりやすい)だと、銅貨1枚が千円で、銀貨が10倍の1万円、金貨は100倍の10万円になり、白金貨になると1枚で100万円。つまりアースさんを助けただけで1000万もらったことに。

「いや、むしろ彼を失ったとした時の損失よりはるかに少ないぐらいじゃ」

「私としては陛下にそこまで買ってもらえることにピンと来ないのですが」

「アースさんのその謙遜が今日までのクラーヴァ商会の発展の礎なのでしょうねぇ」

と和やかムード。

「そういえばアリス殿。わしらが来ても落ち着いていたのはなぜじゃ?」

「あぁ。想定してましたから」

「想定、じゃと?」

「ええ。ぶっちゃけあの場でトップたる陛下が、小娘に言いくるめられて「あぁそう分かった」で放逐するはず無いなと」

「ふむぅ」

「故に褒賞を渡す場に同席し、小娘の真意なり人柄なりを視に来るだろうなぁと思ってましたので」

「・・・流石の才能だ、と言うべきか恐るべき才能だ、と言うべきか判断に困りますねぇ」

「後者でいいと思いますよアースさん。私自身も自分のこと異端であり異常だと思ってますので」

「異常。確かに12歳でその才能と実力は普通であれば異常でしょう」

うん?宰相さんがなんか言いにくそうにしながら言い出し始めた。

「ですが・・・、いえ、はっきり申し上げましょう。アリスさん、貴方は転生者なのでしょう」

お、当てられた。まぁどうせ遅かれ早かればれるとは思ってた。が、確認は大事だ。

「なぜ、私が転生者だと?」

「転生者にはこの世のものとはかけ離れた実力と知識を持つ、神から選ばれた異世界人の生まれ変わり、という伝承があり、アリスさんはまさに伝承通りの人物でしたので」

ふむ、そんな伝承があったのか。しかし

「神から選ばれた、ですか」

「うむ。ただ実際は転生者のかけ離れた実力と、成し遂げた偉業からそう後付けされているだけなのじゃがな」

なるほど。知識チート・実力チートなんてこの世界じゃまさに神の所業に見えるわけだ。が

「確かに私は転生者です。が、自分としてはそんなに特別な、神と同列にされるような存在じゃないと思ってます」

「というと?」

「文字通りの意味の異世界で得た、自身の在り方・その世界の知識・そして死に至るまでに培ってきた自身の経験を持った「自分という魂」が、死後この世界の、この身体という器に入っている。私はそんな認識なので」

「だが、その前世とやらの知識が実力に影響しているのだろう?」

「ええ、ですが歴代の転生者がどうだったのかは知りません。けど私の前世は徹頭徹尾、死の瞬間まで戦闘特化でしたので、今生の異常戦闘能力になってるのは否定できませんが」

「死の瞬間、までじゃと!?」

「はい。最前線で誰より多くを屠ってきてますので。あと前世にはすぐに傷が癒えるポーション類や魔法なんてありませんでした。が、魔法に代わる科学という「力」が広く浸透していました」

「科学、か」

「ふぅむ。過去の文献に、転生者が時折使っていたとあったのう」

「まぁこの世界じゃ、科学の基本である等価交換の原則や物理法則自体が怪しいから成り立たないですが」

「なるほど。つまりその科学の知識を基にしているのも転生者のかけ離れた実力になっている、と」

「大半あると思います。後、私の場合は前世で魔法関連の創作小説を非番のとき読んでたりしましたので、そういった知識と自身の戦闘技術を合わせたのでこんな非常識の化物になっちゃいましたが」

「女子が自分を化物と卑下しちゃいかんじゃろ。しかし創作小説か、その中では魔法とはどんな扱いなんじゃ?」

「大半が「イメージしたものを体内魔力を使って実体化」させるって感じでした。あとぶっ倒れるまで使ったら体内魔力の上限が上がるってのもありましたねぇ」

「イメージしたもの、ですか。意外と的外れではないですねぇ」

「じゃな。そうじゃアリスよ、冒険者カードを渡してくれんか」

「ええ、かまいませんよ」

っとカードを陛下に渡す。と隣の宰相さんに渡すとなにやら水晶にかざして詠唱している。

「陛下。出来ました」

「うむ、ご苦労じゃマークス。さてアリスよ、流石に叙爵はマズかったが此度の件はそれほどの功績なのじゃ。故に叙爵の代わりに王家の信頼の証たる蒼龍の印を授けよう」

「ふぁっ」

あ、驚きすぎて変な声でた。

「ふっ、やっと驚く顔が見れたわぃ」

「いや驚かすために印くれたんですか?てか王家の信頼の証って」

「言葉通りの意味じゃ。ちなみにこの印はギルドマスター保有や領主の館などの上位の鑑定水晶にかざさねば見えぬから安心せぃ」

「いや安心できませんよ。てかこんな子供にあげていいんですか?」

「言ったじゃろう、信頼の証だと。アリス殿を信頼しているからこそ授けたいのじゃ。後は転生者とのつながりを持ちたい思いもあるがな」

ぶっちゃけた!今パイプ欲しいってぶっちゃけたよ陛下が!

「はぁ、分かりました。てかよく考えたら使う機会なさそうなので無問題ですねぇ」

「はは、世の中何があるか分からないよ。特にアリス君は特異な思考と突き抜けた実力があるからねぇ。王家の後ろ盾ほど強力なのはありがたいんじゃないかい」

「そう言いますけどアースさん、商売人なら分かりますでしょ。「タダほど高いものはない」って。ホイホイ使うと後が怖いですよホント」

「はっはっは。そこまでかたっ苦しく考えなくていいよ。むしろ変な勧誘や囲い込みを避ける免状代わりに気軽に使ってもらって構わないよ」

「アリガトウゴザイマス」

その後2,3会話した後お開きとなった。

なおその会話中、蒼龍の印とセットで王城フリーパスが同時発行されてたことを聞かされて頭を抱えたくなった。

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