表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
百鬼と魔王後継者  作者: YUYU
4/4

悪魔

僕の家(屋敷)に居るのは殆どが父とジジィの配下となった家来や同族、護衛、幹部とたくさんの従者にまみれあんなに優しいと思ってた家の者達が悪だなんて思いも寄らなかった。


確かに僕のお世話係のろくろ首は置いといて鬼蜘蛛オニグモや地に埋まって待機をしてるガシャドクロなどが当たり前のように家にいるだなんてことが普通の妖怪の家だなんてことはある筈ない。よって僕は悪に染まる気なんて無かった。

だから……大脱走を試みた…。


しかし、この屋敷の外には子供の姿の僕には出ることが叶わなかった。

屋敷の周りには巨大な魔法陣によってバリアが張り巡らされており、人間も通さない、逃げ出すものも通り抜けさせないという酷いものだった。


あの悪魔の名を轟かせている父も僕の将来には差支えなんてないように次期頭領にするためにまだ幼い僕にたくさんの修行を行わせた。


酒の力によって強くなる最強の鬼『酒呑童子』の幼子だとしても酒の使い方などまではよく知らず、酒の無駄使いで蒸発したり、妖気を使いすぎたりして倒れることが頻繁ひんぱんにあった。


そんなある日のこと僕はふと思ったのだ。父は立派で『悪魔』の異名を持っていて妖怪も人間も関係なく襲い血肉を喰らう恐ろしい人。


だが、父には鬼のツノは無い、悪魔の尻尾も無い。父がいつも手に持つのは剣でも槍でもなく戦争で優勢に立てる【銃】だった。



『ねぇ……父は僕の本当のお父さんなの?』


鬼なら鬼の子。悪魔なら悪魔の子。酒呑童子の子なら酒呑童子の親。それが本来の事だった。

でも、父は酒呑童子でもなく鬼の角も見当たらない。僕は何者だ?と不安になった。


ろくろ首『あっ当たり前ですよ!若は魔王サタン様のちの繋がった子供です』


本当なのか不安は強まるばかりだった。僕は転生者ということだけしか頭には殆ど残っておらず、自分が成すことさえも忘れてしまったいま、のんびりと生きていても自分のことは知りたいのだ。それが、子供の本心だ。知りたいからこそ悪さをする。知りたいからこそ素直になれる。


そんなここのが不安定な時に僕にささやく声が聞こえた。『キミはひとりぼっち……あの人は父親ジャナイよ?』『君の本当の家族は俺たちサ!』っていうザワザワとしていて五月蝿い。でも、どこか懐かしく思う、ホットすること声はなんなんだ?と思った時だった。


ろくろ首『若っ!お気を確かにっ』


目は充血し黒い血が目からタラタラと落ちる。そして目元から頬にかけて魔王サタンも爺さんも見覚えのあるあの独特な刺青いれずみのようなあざ


血が騒ぎたてる。ここに付け込まれて幼い僕は思考を強制的に止められて支配されてしまった。

『キミは俺達の希望のお姫様……』『違うよ……王子様だよ』『お姫様だって』としょうもないことで言い争う悪魔共。

何も出来ずにいる僕はいま、どんな行動を取っているのだろう?倒れているのかな?それともぼーっとしてるのかな?答えはどちらもNOだった。



鬼蜘蛛おにぐも『ろくろ首っどうしたんだ?』


ろくろ首『早く……魔王サタン様かおジジ様をお呼びなさいな』


鬼蜘蛛おにぐも『分かった。すぐ呼んでくる』


ふたりが焦ってトロトロとしている間に騒ぎをいち早く察知し駆けつけたのは魔王サタンだった。

魔王サタンは懐かしくもとても嬉しそうに笑い珍しく戦争では全く使うことのない家での素振り程度しか手にしない剣を子に構えた。



魔王サタン軟弱なんじゃくな奴だな。そして金の卵だ……コイツは……だが、妖気がえげつない……妖気を断ち切る他ないか……』


ろくろ首『たっ断ち切るって……ヘタしたら……』


魔王サタン『死ぬな……目覚める事は一生来なくなるな』


ろくろ首『そんな……』


魔王サタン『ハナヅキは俺が鬼の力を悪魔に明け渡した代わりに得て手に入れ愛した魔の女王の子だ。死ぬことは俺が許さん』


ろくろ首『……魔王サタン様……』


魔王サタン『悪魔共よ……引け。そしてカラダから出てゆけ』


その言葉と共に敵を払い子を助けた。しかし、魔王は魔王。『男か女かわからん奴を抱くし趣味はない』


と、スグに手をぱっと離し後のことはろくろ首や鬼蜘蛛たちに任せ去っていった。


ろくろ首『若……ご無事で……。』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ