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百鬼と魔王後継者  作者: YUYU
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大人のツノ

意識が薄らとして来ている中でヤケに外が騒がしかった。『若~』『大将~』との声と刀を交える音と陰陽師の唱え声。


状況理解できない。自分の名前はなんだ?俺は……僕は……何者だ?


カラダが焼けるように熱く血がたぎる。そして何を言ってたかも忘れたがあの泉であったアイツは誰だ?

頭が混乱を起こし俺は目をスッと開けこの煮えたぎる血の思うがままに吠えた。

するとプカプカと泉に浮かんでいたらしい俺を囲む泉は浪を作り仲間?敵?味方?も関係なく全部に攻撃をしてしまい力をカラカラに使い果ててしまった俺はそのまま倒れた



そしてまた五月蝿うるさく『若〜』『ハナヅキ様〜』などと呼ぶヤツらに『退散~』と俺を担ぎ込まれそのまま場をあとにした


『ハナヅキ』それが俺の新たな名だろう。転生者ということは覚えてはいても前の名は思い出せない。ただ……『ハナヅキ』という名前は何故かとても気に食わなかった。


だって……女の名前のような『花』と男の名前にたまに付く『月』が合体してんだから当たり前だろ?


この名をつけたのは誰だよ?今すぐ名を改名しろー!って言いたかったけど……頑固そうな妖怪のお爺さんだったので口を出さなかった。



爺『カラスよ……此奴ハナヅキが記憶を失ったのは本当か?』


カラス『はい。しかし多少の事は覚えているようなので問題はないかと……』


爺『今回こそ跡取りの会議に参加させようかと思うたが無理そうじゃな……』


カラス『そうですね……』


ふたりがあーだこーだ話している間に俺は庭に植えられていた大きな桜の木に見惚れてしまい気がつくとカラダが勝手に桜の木まで足が動き来てしまった。


夜の空に映えた月と桜の花がとても綺麗だったのでもっと高いところで見たいと思い飛べるか否かを確かめるため足を軽く弾ませた。

すると、すんなり桜の木の太い枝まで届き座ることが出来た。


桜の木に座り眺める夜の月は絶景で俺の心に潤いをくれた。


もっとじっくりと月を眺めていたかったが、

残念ながら先程までカラスとジジィが話してると油断していた隙に鬼蜘蛛オニグモと呼ばれる力もち者と首の長く綺麗な花魁おいらん姿のろくろ首に『あっ!』とバレてしまいろくろ首の長い首と鬼蜘蛛の蜘蛛くもの糸でアッサリと捕まってしまった



わか!木の上に乗ってはダメですよ?』


『まだ幼いのですから危険です』


幼い?俺はその言葉に引っかかり子供が『ムッ』として拗ねるように『子供じゃないよ』と言うと

2人はクスクスと笑い出した。


『若はまだ7つの子供ですよ。元気ですね』

『体調は大丈夫ですか?若が一気に妖力を放ったと聞いて心配でしたが……』


ハナヅキ(おれ)『ねぇ……鏡持ってない?』


自分の姿を確認するためにろくろ首のお姉さんに鏡をかりて自分の顔を見ると俺はふたりの言ってたとおりのガキンチョの顔となりをしていた。


ハナヅキ『……』


『どうかされましたか?若……』


ハナヅキ『オデコがゴワゴワする……』


『えっ?ゴワゴワですか?』


おでこのあたりからムズムズのようなゴワゴワのようなニョキっとなってるような……太い感覚が出て気になる


『若〜おめでとうございます!』


『えっ?何が……』


『ツノが生えております。酒呑童子しゅてんどうじ特有の綺麗な白銀はくぎんの角です…大人の角ですよー』


『若~おめでとうございます』


『なんと愛でたい』


角がどうした?なんて思ったが褒められる事については悪くは思わなかった為に素直に喜んでその日おれの角が大人になったという祝でオレはお祝いとしてお酒を飲んだ。

酒を飲んだ瞬間にカラダの妖気が一気に回復し夜は宴でみんなと一緒にワイワイとして疲れ果ててそのまま寝た。

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