神秘の泉の正体
この世には神秘の泉と呼ばれる怪我をすれば傷は癒え、チカラが欲しくば魔導師の魔境を頭脳が欲しくば冴えた脳を長けた能力が欲しくば魔法の武器をとRPGの世界でしか叶わなかった幻の神秘の泉が存在していると言われていた。
この世には妖怪が住まい人間を喰らい陰陽師が妖怪を退治してきた。しかし、神秘の泉は今や陰陽師の者が所有権を持っており、凡人には届くことはなく喉から手が出る程に欲深い金持ち共は金を出し特別に出入りが許されたという。
そんなチートのような神秘の泉に一度は行きたいと考える凡人はとても多いが、この国では貧困の差が激しく食べ物を得るだけでもやっとで恵んでもらえず餓死する者も多い。
僕はその貧困な庶民のひとり。何でも出来てなんでも叶ってしまうためにこの世は異能力持ちや超人な力を持った者などの特別な力を持ったものが居る世界となった。そしてその力を得たものは神の加護を得たものとされた。
そんな神の加護を受けたくて見張りが手薄な時に神秘の泉のある王宮に忍び込み神秘の泉にたどり着いた。
神秘の泉は人間を認識し『願いは?』と問いた。しかし、自由になりたい、お金が欲しい、金持ち共が憎い、貧民なみんなを助けたい、異能力が欲しい…………沢山欲しいと欲張りだが、何も答えられずに居た僕は泉に喰われた。
泉に取り込まれて見たものはたくさんの妖気に包まれ妖怪たちが集まったのと同時に悪い空気が流れこみたくさんの叫び声が飛び交う。地獄絵図みたいな場所だった。
水に沈み底へ底へと落とされるなか泉は言った。『泉は悪魔であり、妖怪だ……私は力尽きた……お前は死す……そして私の力を血を持ってして……転生し……妖怪を束ねよ……欲深き少年よ……』
泉の中で声がスッと聞こえなくなったかと思いきや目の前に儚く可愛い少女がふわりと現れた。
『母は優しくて欲深い……素敵なあなたが治めてくれることを祈ります……』そう言うと、その日から新しく母の居ない僕の前で僕に母と名乗りそっと僕を抱きしめキスを交わすと泡のようにして消えた。
これからよろしくお願いします…