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異世界転移で魔王勇者やってます  作者: 沖田 佐多春
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魔王の夢と勇者のゆく道

 夢を見た。 


 とある龍の夢を見た。


 その龍にはたぐいまれなる才能があった。

 

 同族の誰もがうらやむ力があった。


 しかし、その龍は争いを嫌った。

 

 自分の持って生まれた力を呪い命を絶つことも考えた。


 だがある時、獣人、白と黒のエルフ、鬼族きぞくと出会ったことで考えを改める。


 獣人は言った。「我々の国はにらみ合い、けん制し続け国を豊かにするための行動を怠った。」


 白と黒のエルフは言った。「人間はその間に新たな道具を作り、国を豊かにし今では我々の国を脅かさんとしている」


 鬼族は言った。「我々は獣人、エルフ、鬼族の国をまとめ人間の国に対抗できる統一国家を作りたいのだ」


 4人は言った。「どうか我々に力を貸してほしい。我らの祖国を守るために」


 龍はその考えに賛同し、その絶大な力をふるい三つの国をまとめ上げた。


 少しして人間が攻めてきた。


 人間は龍が振るう力に対抗するため異世界の人間を呼び寄せた。


 異世界の人間は龍との三日三晩の戦いの末あと一歩のところで敗れた。


 生き残った龍ももはや虫の息そう判断した人間が龍にとどめを刺さんと群がってきたとき龍は最後の力を使い、周りの人間をすべて吹き飛ばし息絶えた。


 そうして初代魔王ヴィーヴニルの一生は終わった









 side神崎(かんざき)裕也(ゆうや)

 最悪な寝起きだった。なんせいつの間にか鎖につながれて牢屋の中に放り込まれているし、よくわからない夢も見るし。先ほどの事で覚えているのは、自分が死にかけたこと、どこからか聞こえてきた声に従って自らの血で床の魔法陣に線を加えたこと、そのぐらいなものだ。


『鬼族に風穴開けたことも忘れんなよ』


突然聞こえた声に俺は牢屋の中は言わずとも通路にも向かい側の牢屋にも人はおらず隣の牢屋にも人がいる気配はない(・・・・・)


『俺はお前の体の中にいるんで肉体は持たねぇぞ』


「はぁ?誰だお前」


『よくぞ聞いてくれた。俺はお前さんの見た夢の龍、初代魔王ヴィーヴニルだ。正確にはその魂だ」


 え?今俺の体の中に魂が二つあるってことか?!


『そうそう、そういう事。ちなみにレベル上げなきゃ俺がお前の魂食いつぶしちゃうんで頑張れ』


 は?いや、え?ちょ、え?どういう事だ説明しやがれ。


『お前を生贄にした俺を復活させる儀式はまだ終わってないってこと。お前が書き加えた線のおかげで極限まで効果が遅くなってるだけでレベルを上げなきゃこのままだと俺の魂の大きさにつぶされて消えるってことだ。ちなみに俺は生き返るつもりは微塵もない。もし生き返っても何もしない』


えーと、つまりはレベル上げに、ステータス上げのほかに魂を守るためっていう理由がつくってこと、でいいのか。


『そういう事だ。・・・おい誰か来たぞ』 なんでわかるんだよ、とぼやきつつ耳を澄ますと確かにこちらに歩いてくる誰かの足音が聞こえた。


現れたのは、屈強な兵士、ではなくイリス・アル・クルーガであった。そして王女は開口一番に見惚れてしまいそうな笑顔でこう言った。


 「この国を滅ぼしてくださいませんか?」と。

 

 聞き違いかと思ってもう一度聞き返すも同じ答えが返ってきたので理由を問うと、「この国の民たちから搾取しまくって政治も汚職まみれなんでもうこんな国に滅びてしまえ」とのことらしい。魔王は最初のイリス王女のセリフ聞いてから爆笑していてうるせぇ。


 笑いから立ち直った魔王は王女に言う。まあ俺がしゃべってるんだがな。

 『無理だ』と これには俺もイリス王女も疑問を持つ。勇者の俺は強すぎる魔王に対抗するために呼ばれた存在ならばこの国を滅ぼすことなど簡単ではないのかそれの答えは簡潔に


『天使の匂いがする。そして天使の相手ができるどころか王女に勝つことができるかどうかも怪しいと』

俺はステータスを開くと


名前:神崎裕也

称号:魔王勇者

職業:魔王Lv200 勇者Lv1


レベル1

MP 200

筋力 200

魔力 190

物防 230

魔防 170

敏捷 240

器用 200


スキル

剣術A+ 槍術A+ 全属性魔法A 取得経験値増加A 解析A 濃縮EX


「・・・弱すぎるだろ、確かにこれじゃあ王女様に勝てるかどうかも怪しいな」


天使と聞いて心当たりがあったのか表情をさらに引き締めて聞いてきた。「ではどうするのですか」


『ひとまずこの国から出て、魔王国に行ってレベルを上げてから戻ってくる。そして王女イリス、貴方にもついてきてもらいたいのだが』


「私にですか?」 


『ああ何せ私が知っているのは500年前の事までしか知らないのだ道案内としてついてきてはくれないか』


「分かりました。私もこの国が滅びるのを待つだけでは嫌ですので」


そう言って牢を開けた王女の手を俺はしっかりと取った。

  






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