序章・事件
◆◆◆中学3年◆◆◆
「......で、あるので約327年前、奇跡の日におきた
世界改変で今や、世界の全人口の3割は魔法士になっている。君たちももう少しで中学を卒業する、それと同時に魔法士測定を受けることになるだろう。
前々から言われていたことなので知っていると思うがなれるのは、この中の約3割だ。魔法士に憧れるのもわかるが正直なれなかった時のこともいちよう考えておいてくれ。先生からは、以上だ。」
学校の教室で授業を聞いていた生徒たちは
先生からの現実的な言葉で少し気落ちもするが
小さい時から言われていたことなのでまだ受け止められてはいる。
「なあ、輪廻やっぱりあの先生いろいろまっすぐに言ってくるよな、少しはオブラートに包むとかないのかな?」
茶髪の男の子の俊哉がそんなことを言ってきた。
「まあ、そうかもしれないけど、ああ言われた方が
いろいろわかりやすくはあるけどね」
黒に少し青みがかった髪の毛をした、
男の子にしては、女の子に少し見える、中性的な容姿に成長した輪廻がそう答えた。
「そうよ、俊哉ぐらいのアホにはそれぐらい言わないとわからないのよきっと。」
母親がアメリカ人のハーフのせいか、少し大人な雰囲気を醸し出している、金髪ロングのアリサがそう俊哉を挑発するように言った。
「ちょっ、俺はそんなアホじゃねえよ、確かにテストの点数は、二人に比べたらあれだけど......」
俊哉は、最初は威勢良くいったが後半になるにつれて
弱々しくなってしまった。
「まあまあ、二人とも落ち着いて
とりあえず今日の授業は、終わりだし今日も3人で
どこか遊びにいく?」
輪廻はそう切り出し、聞いた
「そうね、みんなでまた俊哉の家にでも行く?」
「ok、俺はもうそれでいいよ」
アリサとへこんでしまった俊哉がそう答える。
◆◆◆放課後◆◆◆
俊哉の家は、そこそこ広くいつもみんなで遊ぶ場所となっていた。
テレビを見ながら俊哉がこんなことを言っていた。
「最近、人がいきなり失踪して、街中で見つかったと
おもったらいきなり暴れ出すって事件多いよな。」
「確かに、何かテロ組織でも動いているのかな?」
と、輪廻が冗談めかして言う。
「やめてよ、しかもその事件ってここからかなり近いし怖いんだから。」
アリサが本当に怖いといったふうに話す。
「噂では、ここらへんにいる、なんだっけ?
なんかの裏組織が行なっているって言われてるよな」
俊哉がそういう。
「うーん?ここらへんにいるっていったら
ヘブンかな?
近代じゃあ、裏組織なんて珍しくもないからね。」
輪廻が思考するようにうなりながら言う。
「でも、ヘブンがそういうことをするって聞いたこともないけどね。」
アリサが疑問をぶつける。
「でも、裏組織だろ?そんなことをやっていても、
おかしくはないだろ?」
俊哉がアリサの疑問に答えるように言う。
「まあ、それもそうね......」
アリサは、何故か弱々しくそういう。
「まあ、とりあえずこの話は終わりにして
ゲームでもしようか。」
輪廻がそう話を次に進める。
「おう、みんなでマ◯オカートやろうぜ」
俊哉がそう呼びかける
「じゃあ、そうしようか」
「そうね......」
「じゃあ、また明日な」
俊哉がそう言い玄関から送ってくれた。
「うん、また明日。」
「また、明日ね」
輪廻とアリサがそういう。
「よし、じゃあ僕たちも帰ろうか」
「そうね、もうおなか空いちゃってゲームをしすぎたわね。」
輪廻にそう答える。
あたりはもう、太陽が沈みくらくなっていた。
場所は商店街、当たりには人がいない静けさが広がっていた。
「なっ...」
(これは、人を寄りつかせない結界法か?
結界法なんて、Bランクの魔法だぞ。
しかも外に出られないようにつくっている。
でもなんで......。もしかして、俊哉が言っていた事件と関係があるのか?)
輪廻のは、驚いて声を出してしまっていた。
「どうしたの?輪廻?」
アリサは、いきなり声をだした輪廻に心配して声をかける。
「いや、なんでもない。」
輪廻は冷静にそう答えた。
「そう、それならいいんだけど。」
そんな時だった。
いきなり細い道から2人の男達が飛び出してきた。
そして、こちらにきずくと。
「おい、ここは危ないはやく離れろ。」
「おじょ、そこの女もつれてはやく逃げろ。」
男達はそういうと、出てきた道に向かい戦うような
姿勢をしていた。
「とりあえず、ここから離れた方が
いいんじゃないか?」
輪廻は、いちようある事情から戦う術を持ってはいるが、ここで見せる気にはならなかったので、
そうアリサに言う。
「そ、そうね。危ないものね」
アリサは、男達を心配しながらそう言った。
そういいながら、逃げようとするが何故か後ろに透明な壁があり逃げれない
「多分、結界がはられている。」
輪廻がそういうと
「そんな、結界法なんて高位の魔法じゃない」
アリサは、そう驚いたようにいう。
「グぁあ」
男の1人がこちらに吹っ飛んできた。
吹き飛ばされた方をみると目がちばしり、何かぶつぶつつぶやいているような男がいる。
(あの男、軽くみても魔力の量などからCランクの下位ぐらいは、ありそうだぞ。)
さっき吹き飛ばされた男の仲間が頑張ってそいつに
立ち向かおうとしているようだが、
魔法士と一般人では、戦闘力が違いすぎる。
何か武術を極めていても、せいぜいがDランクと
互角と言ったところだからな。
cランクからは絶対に一般人にはかてない。
「ヤバい、あの男の人も危ない。」
輪廻がそう言うと。
「そうよね......。輪廻、今まで黙っててごめんね」
そう言うとアリサは、腕につけていた。腕輪を外した。そうすると、アリサの魔力の量が増え、いや、
今まで腕輪で誤魔化していた魔力の量が正常になったと言うべきか。
「加速法」
アリサがそう唱えて走り出すと通常でないような
スピードがでる。
(でも、それでもDランクなみだ。年齢にしては凄いが、相手はCランクの下位、DランクとCランクには、壁があると言われているからどう戦うか。
救いなのは、相手が正常な判断が出来ていなさそうで動きが鈍いところかな?)
敵の男とアリサの距離は狭まっていき、そこでアリサが
「ファイヤショット」
魔法を唱える。
敵の男は、避けるがそれがすきになり
アリサは、間合いをつめ何かの格闘技で男に攻撃していく。
蹴りがアタマに決まると思った瞬間、
アリサが体制を崩す、その時に頬を何かがかすっていった。そして距離をとる。
「今のは、圧縮された水みたいだった。
相手は、たぶん圧縮系統水属性」
そう相手の魔法について考えていると、
相手が自分の前に大きな水球をだすとそれを一気に
大きくし当たりを霧が充満した。
(Cランクのミストっ!相手は、Cランクなの?
わたしも本気を出さなくちゃ)
「身体強化」
アリサがそういうと、体に赤色のオーラが立ちのぼった。私は強化系だから出来るだけ相手の懐にはいらなければとアリサは敵を探す。
そんな戦いをアリサがしている時輪廻は、
さっきあった男達2人と話をしていた。
「大丈夫ですか?」
輪廻がきくと
「あぁ、いちよう応急処置は、した。」
「あとは、お嬢が敵を倒してくれたらいいんだが
少し、押されているな」
男達はそう言う
「そういえば、さっきもお嬢って言いかけてましたけど、なにかアリサと関係があるんですか?」
輪廻がそう聞くと
男達は、やってまったというような顔をしていた。
「あ、あぁ、バレちまったもんはしょうがねぇ
俺たちはここいら一帯をしきるヘブンだ。そして、お嬢は、組長の娘だな。」
男は、そう包み隠さずいう。
「なっ、何をバラしてるんだお前、こいつお嬢の友達だぞ。お嬢の友達がへったらどうするんだ?」
男はそうお嬢の心配をしていう。
「まあ、アリサはアリサですから今まで通り行くので心配なく。」
輪廻は、そう答える。
「そ、そうか、お前地味に凄いんだな」
男は、少し驚いたように言う。
「そうですかね?」
「ああ、」
男達とそんな話をしていた輪廻だが、
アリサの心配もちゃんとしていた。
(もしものときは、僕がやったとバレないように助ければいいかそれにいまはアリサが押しているし大丈夫か)
「ハァア」
アリサは、回転げりを行うことで辺りの霧をどかしていた。
そして、相手の姿を見つける。
だが相手の男は、水を圧縮しアリサを狙う準備をしていた。そして、それが発射される。
(ヤバい、避けきれない、あぁこんなことなら輪廻に.....)
そんなことをアリサが考えているといきなり
水の弾丸がアリサの前でまるで壁に当たったかのようにかき消える。
(どうして?でもチャンスだわ)
相手も驚いているようで少し間抜けな面になっていた。
アリサは、そのうちに相手の懐に駆け込むと
腹を殴りつけた。
「グハァ」
強化されたパンチだ、一瞬で意識が刈り取られた。
そして、アリサも疲れで膝をつく。
(ふう、危なかったもう少し遅れたらアリサが死ぬところだった。)
そう、水球がアリサに当たるまえに消えたのは
輪廻の魔法によるものだ。
そして輪廻は、アリサに近寄っていく。
「アリサ、大丈夫?」
輪廻はアリサを心配する。
「えぇ、少し疲れただけだから大丈夫
輪廻はその、あまり驚いてもないのね」
アリサは、疲れながらもそう言う。
「まあ、少しは驚きもしたけどね」
「お嬢すいません、全部喋っちまいました。」
「そうだ、このバカが全部喋っちまいました。」
男達は、そう言う。
「まあ、いいわよ、そのうち言うつもりだったし。」
「「そ、そうですか」」
「とりあえずこの男縛っといて、あと片付けはよろしく。」
「「ヘイっ!」」
「輪廻、ありがとうね、その事を聞いてもいつも通り接してくれて。」
アリサはそう、輪廻に感謝する。
「アリサは、アリサだしね付き合いも長いしね
このこと俊哉にもいうの?」
輪廻がそうたずねる
「そうね、長い付き合いだし、俊哉にもいわないとね」
アリサがそう言う。
「とりあえずは、今日はもう家に帰ろうか
あの男の人達が警察も呼んでくれているはずだし」
「そうね、また明日学校でね」
「うん、また明日」
そう言って輪廻は、自分の家とは、逆の方向に歩き出す。
そして、通信用の携帯を取り出すのであった。
さて、コレから輪廻は何をしに行くのか?
楽しみですね
見切り発車なので自分でもわからない...。