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ここが異世界?

(似たような毎日をどこか退屈だと思ってた、何も起こらないことを誰かのせいにしてた、だけど‥‥)


ドス!


「痛て〜な、何だよ」


「何だよ、じゃねー!なに昼間からボーッとしてんだ」


「何ってまぁ〜いろいろだよ」


このつまらない世界についてだなんて恥ずかしいセリフ、こいつに言えるわけがない、ここは軽くそらしておくことにした。


「そんなことより学校終わったし、いつものメンバーでカラオケでも行かね」


「あぁそうだな」


その日の夜、歌い疲れた俺に追い討ちをかけるように電話がかかってきた。


「樹、明日の朝私の家の前に来て話したいことあるから」


あいつの話など、おおよそ見当がつく一応恋人同士な訳だしそういう振る舞いも少しは必要だ。だからといって電話で日にちを決めるのはどうかと思う。


「あぁ、わかった朝向かうよ」


(朝起きたらこんなつまらない世界ではなく、いっそ異世界にでも転生してみたいな)


何の根拠も無いまま俺はとてつもなく大きなフラグを折ってしまった。


(もう朝か、いい日差しだ、いや眩しすぎるそれに体が痛い、いったいどうしたんだろう)


俺は、あのとき意識がもうろうとするなか、「大丈夫ですか」という声だけが聞き取れた。


(あのとき声をかけてくれたのはいったい誰だったんだろう)


また目を覚ますとそこには自分の部屋ではなく、全く見に覚えの無い光景が広がっていた。


「何が起こったんだよ、くそ」


独り言をいっているとドアも向こうから誰かの足音が聞こえてきてた。


「あ、気がついたんですね」


「あ、えっと‥‥あなたは?」


彼女は少し慌てたようにして答えてくれた。


「私はアイリといいます、この宿屋で働いています」


それからは、なぜアイリさんがあんな場所にいたか、ということを話してくれた。話によると、空から大量の水星が降ってきてその一部が近くに落ちたから見に来たということらしい。


(俺には正直そんな話をされてもよくわからん、とりあえずわかっているのは俺の他にも、あっちの世界から来ている人がいるってことだな)


「突然ですが、一番近い水星の場所に行きたいんですけど」


俺は、早くバラバラになったみんなに会いたくてアイリさんにお願いした。


「いいですよ、でもまずはギルドへ向かいましょう」


ギルドへ着くと俺はすぐに、係員の人のところへ向かった。そして認証登録をして、水晶にてをかざした。


「うわ!眩し、何だよこの光?」


「色は白ですので無属性ですね、能力は[完全記憶保持]ですね」


俺はその話を聞いた瞬間、無の感情になってしまった。それからの記憶は[完全記憶保持]を持っているのに覚えていない。


「もうすぐ水星のある場所なんだけど」


「うぁーーー、助けてくれーーー、そこの君このモンスターどうにかしてくれーー」


「え、あ、えっと、くそしょうがない!うぉーー」


助けたはいいけど、絶対に健だよなこいつ。


「悪いな助けてもらって、俺、[高藤健]って言うんだ。あんたは」


(もしかして記憶がないのか?でも自分の名前は覚えてる、もしかして向こうであった出来事だけ忘れているのか?いや考えてもしょうがない)


「俺は、神山樹だ、冒険者をしてる」


(顔と名前は知っているけどこいつからしては初対面の知らない人間だ、怪しまれないように振る舞おう)


それから健はお礼がしたいと聞かなくて、樹を自分が住んでいる家までつれていった。


「へぇ〜、ここが健の家か、以外とでかいな」


「まぁな、で、何を作ればいい」


「そうだな?、じゃあ、剣でも作ってもらおうかな」


冒険者になって間もないとはいえ、武器が初期装備というのは少し心もとない、それに向こうで親友だったこいつに作ってもらえるなら好都合だぜ。


「なぁ健も冒険者なんだろ、だったら俺と一緒に来てくれないかパーティに精練師がいるのは心強い」


「いいよ、何でだか分かんないけど樹は信頼できるんだ」


「じゃ明日門の前でな、次の街へ行きたい」


そう言い残すと俺は健の工房を後にした。夜までまだ時間があるので少し街を見て回ることにした。







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