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莉央ちゃん宅へGO 後編

大分間空いちゃってすみません

「はぁ...はぁ...仁くん仁くん仁くん...!いいんですよね!?好きにヤっちゃっていいんですよね!?」


俺は今美少女に押し倒されている所である。

前世では全く考えられない絵面だ。まさか押し倒すのではなく押し倒される側に回るとは人生何があるか分からないものだ。

それにこんな状況でも冷静にモノを考えられる自分にも驚きだ。この体に精神も引っ張られてるのかもな。


「...いいよ?この体莉央ちゃんの好きにして」


うおおおおおお!!恥ずかしい!!!なんだこのセリフ!超絶美少女が俺に言ってくれる妄想は前世で幾度となくしたけど、まさか俺が言うことになるとは...!


「...はぁはあ!」


...そんな恥ずかしいセリフ言うつもりはなかったのだが、俺に馬乗りになっているこの発情しきった表情をした女の子が妖艶でとても魅力的に見えて、つい口をついて出てしまったのだ。


「いきますよ...?」


『これが最後の忠告ですよ?本当にヤりますよ?』と言わんばかりの顔をする莉央ちゃん。ずっと願い続けてきた強い願望もいざ叶うとなった時、つい尻込みしてしまうのは人間の性というものだろう。いや、彼女が俺にエロい行為をする事を願ってたかは知らないけどね?そうあってほしいというただの俺の願いだ。


「うん、おいで」


そして相変わらず俺はかなり落ち着いているようだ。しかし本当にこの体性欲あんの?と問いたい。まあ欲望に駆られた男ほど見苦しい程はないので好都合と言えば好都合なのだが。


「で、では...!」


莉央ちゃんは覚悟を決めたような顔をする。


あぁ...ついに俺が本物の男になる時が来た。

俺の家族、友達、ファンの子たちごめん。今この瞬間だけは莉央ちゃんとのエロい行為を許して下さい!埋め合わせは俺の体でしますから!...すいません調子に乗りました。


「ふぅ...ふぅ...」


そんな事を考えている間にも鼻息が荒い莉央ちゃんが俺へと手を伸ばそうとしている。


き、きた。まずは何をなされるのですか!?


ドキドキしながらこれからの展開に胸を踊らせる。信じてますよヌプヌプ大運動会さん!


「うへ、うへへ...」


人はこんなにだらしない顔が出来るんだなと思うくらいの顔をした莉央ちゃんは、緊張からか興奮からか少し汗ばんだ手を俺へと伸ばし、そして、



とんっ。



と、俺の胸板へと手のひらを置いた。

そしてスリスリと上下に動かす。

それはまるで高価な骨董品を扱うかのように丁寧で優しい手つきだ。



...何?胸?真っ先に触るのは胸なのか。

莉央ちゃんの事だからいきなり俺の息子へと攻撃を仕掛けるのかと思っていた。男の胸なんて触って楽しいのだろうか?確かに弓道のおかげか最近胸板が少し厚くなってきて自慢ではあるんだけど。


初っ端からエキセントリックな行為を予想していた俺としては少々拍子抜けである。

まあ彼女も生粋の変態とはいえやはり緊張するのだろう。恐らく段階を踏んで行こうという事だな。



と、思っていたのだが。



「....ぐへ、ぐへへへ...。仁くんのお胸様...ようこそ....私がママでちゅよー....。仁くんのおっぱい硬いよぉ....はぁはぁっ...あっ、鼻血出そう...」


.....。


....えっと、うん?あれ?段階を踏んでいく作戦じゃなかったのか?見る限り既に狂いそうな程(もう狂ってる?)興奮していらっしゃる様子。俺の胸で何故そこまで...。



あー...まさかこの世界では男の胸の価値まで女性と逆転しているのか?...うーん、でも以前男用の水着をネットで検索していたら非常に少ないながらも前世のような上裸のスタイルの人もいると記事にあったんだけどなあ。殆どの人は防水Tシャツのようなものも着るらしいけど。

逆転とまではいかないけど、価値は上がってるという事かもしれないな。何でもかんでも逆転というほどこの世界も単純ではないか。

この世界にきて数ヶ月が経ったが、まだまだ理解が薄い。もっと勉強しなければ。


「このお胸様は今は私のものです...誰にも渡さないです...ふひひ」


「だ、大丈夫?莉央ちゃん」


「あぁ...ほっぺすりすり...仁くんの心音がぁ...」


「....」


「すーっ...はぁー....」


もう手遅れだこの子。俺の言葉も聞こえていないようだ。

今莉央ちゃんはヨダレを垂らしながら恍惚とした目で俺の胸に顔を押し付け思いっきり深呼吸している。...汗臭くないか少し心配だ。


「ふ、ふふっ...このまま生で頂きたいところですが、それは我慢して次はこっちを...」


胸から顔を離し、そう言いながら俺の息子様をチラリと見る。その眼差しはまさにハンター。狙った獲物は逃がさないだろう。


...いやいや何を冷静に解説してるんだ俺は!つ、ついに来るのか?おちんち...ゲフンゲフン。息子様に魔の手が迫っているのか!?お手柔らかにお願いします!


「...前に電車で仁くんに痴姦してしまった時以来です...あの時は混乱していてあまり記憶に残ってないですから...」


すると、莉央ちゃんが少し顔に影を落とした。さっきまで興奮状態だったとは思えないほどだ。

...彼女の言葉から察するに、恐らくまだ俺に痴姦してしまった事を引きずっているのだろう。だから痴姦の事を思い出して落ち込んでしまったに違いない。...決して記憶に残ってない事を嘆いているわけではないと思う。たぶん。


「こ、今回は好きにしていいからね」


とりあえずフォローを入れておこう。


「...はい。ありがとうございます仁くん」


うん、いつもの素敵な笑顔に戻った。莉央ちゃんの1番可愛い表情はやっぱりこれだな。

...まあ俺の息子様を好きにする許可を得て溢れんばかりの笑顔をしていると考えれば少し複雑だけど。


「では...失礼します...」


彼女はそう言いつつそっと手を伸ばす。


やっとだ...俺は今日男になる。

全国のチェリー君達、すまない。一足先に進むよ。


ゆっくり、ゆっくりと莉央ちゃんの手が迫る。


...静かだ。時計の秒針が時を刻む『カチッ、カチッ』という音しか聞こえない。まるでこの世界に2人だけしかいないようだ。

『ゴクリ』と莉央ちゃんが唾を飲む音が聞こえた。



そして、ついに俺の息子様に彼女の手が触れる。




ーーーーーその時。





『ガチャ』


「莉央ちゃんただいま〜お母さんが帰りましたよ〜」




部屋の扉を容赦なく開く音と共にそんな声が聞こえて来た。


「あぇ?」


「あら?」


いきなりの事態に莉央ちゃんがちんちくりんな声を出し、対して予想だにしない状況に扉を開けた女性が珍妙な声を上げる。


「「「....」」」


そして俺たちは固まった。

気まずい沈黙が3人の間を満たす。この部屋が再び時計の秒針の音に支配された。


....。

....ちょ、ちょっと待ってくれ。どういう状況?

頭が状況の変化に追いつかない。

だ、誰か説明してくれ。



「....お母さん」


すると俺の心の声を読んだかのようなタイミングで莉央ちゃんが掠れた声でそう呟いた。


...お母さん?

ああ、そういえばさっき自分でお母さんと言っていたな。

ははーん。なるほど、部屋の入り口で立ち尽くす彼女は莉央ちゃんのお母さんということか。なるほどなるほど。


うん。



...うん?





....親フラだとっ!?



【報告】第二回モーニングスター大賞の第一次審査をなんと通過することができました。

皆様の応援の賜物でございます。ありがとうございます。

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