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誰が姉を殺したの?  作者: 月食ぱんな
第三部:世界が終わる瞬間
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セールス上手な鍛冶屋さん2

 店内には、申し訳程度に剣身が銅、鉄などの物も置いてある。しかし、ミスティラル鉱石の産地らしく剣身は透き通る青白いものばかり。そして、そこそこなお値段がする短剣も、やはりミスティラル鉱石を使用している物のようだ。


「ふーん、魔法がかかってないとわりとお手頃なのね。あとは、柄の部分に凝った細工がされてると、高価になると」


 ショーケースの中を覗き込みながら一人呟く。


「何かお探しですか?」


 早速女性の店員さんに捕まった。


(従業員の売上げノルマでもあるのかしら?)


 大変ねと、心の中で同情しつつ、笑顔を作る。


「えっと、初めて短剣を買うんですけど」


「では、こちらなどいかがでしょう?女性用に柄に凝った装飾が施されている、人気商品でございます」


 彼女が勧めてきたのは、白木の柄にルビーと真珠をあしらった美しい短剣だ。


(なるほど。女性用は、宝石をつけて単価を上げる作戦か)


 個人的には、見た目より何より、重視する点は扱いやすさと値段だ。


「ぜひお手にとって、ご覧ください。因みにこちらの短剣は、宝石をあしらった装飾部分に、軽量化の魔法陣が組み込まれています」


「へえ、軽量化ね。確かに軽いけど、もう少しシンプルなのがいいかも知れないです」


 短剣を手に取りながら、さりげなく要望を伝える。


「ではお客様、こちらはいかがでしよう?」


 女性が再び短剣を取り出して見せてきた。今度は小ぶりの宝石がついた短剣だ。


「こちらの柄にはローズクォーツが埋め込まれております。剣に魔法を付与すれば、まるで戦乙女たちが舞を舞っているかのような、幻想的な光景を目にすることができるでしょう」


「へえ……戦乙女。それは素敵ですね」


 熱量高めの説明に、うっかり店員さんに好意的とも取れる返事をしてしまう。


「ええ、ええ!こちらの短剣は、その昔、戦地に赴く男性兵士の代わりに、我が国を守った戦乙女たちが使っていたとされる短剣のレプリカなんです。そもそもローズクォーツは、愛と美の女神アフロディーテの石とも呼ばれ、恋愛のお守りとして広く知られているものなんですよ。きっとお客様のご期待にも添えるでしょう」


 離れた場所で、店員さんと熱く語るアシェルに意味深な視線を送る女性。


「うーん、悪くはないけど、もう少し軽いのがいいかな……」


(別に恋愛のお守りの効果はいらないし)


 遠回しに断りを入れる。


「短剣に軽さを求めると、威力が落ちる場合もあるぞ」


 突然、背後から聞こえた低く落ち着いた声に、驚いて振り返る。

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