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賑わいが残る放課後

絶対に負けたい。だがそう時に限って俺は勝ち残ってしまう。残っているのは二人。ジャンケンに負けようと考えて敵の考えを考えて裏目に出た俺と必死になろうとするアホな千佳(ちか)の信者。

「おい。飯塚(いいづか)!またお前が安堂さんとの幸せな関係を阻んでくるのか…」

こう言うことは何度もあるため戦うことが頻繁(ひんぱん)にあった。その度、俺が勝ってしまい、どうにも目の敵にされていた。

「俺はグーを出す。だからお前はパーを出せ!」

俺は負けるため佐伯(さえき)に指示をした。だが、アホはアホなので挑発と勘違いしていた。

「嘘をつくな!ここで俺がパーを出して。お前がチョキを出す。それが狙いだな!」

ちげえとツッコミを入れたいがこれ以上の発言は危険だったため、ジャンケンをする。

そして…。結果、案の定バカだった。

「どうして負けるんだ!何であいつの挑発に…」

俺は言う通り、グーを出した。だが最悪なことに勝ってしまった。

「じゃあ。男子は…飯塚、女子は…安堂(あんどう)だな」

「ふぅ」

嫌な役割になったことに後悔して座って一休みしていると千佳は睨んでいた。

「何だ?」

「知らない!」

千佳は怒ることも嫌味を言わないこともなく、そっぽを向いた。

「じゃあ最後に今後のスケジュールをコピーしたプリントを渡すな」

小野先生はプリントを配り、内容を参照した。

「じゃあ。授業は明日からだからな。寝坊するなよ」

小野先生は釘を刺し、ホームルームを終わらせた。

「で?」

「何がだよ…」

ホームルームが終わり、家へ帰る生徒が多い中、俺と千佳は静かになっていく教室の机で未だに休んでいた。

「別に」

「おい!飯塚!お前なんでまた俺の邪魔をしやがった!」

勝手に負けた佐伯が俺に八つ当たりしてきた。

「お前は俺の言うとおりにしなかったのが悪い!」

「何でだよ!ねえ。安堂さん!」

アホらしい話を聞いて嫌気がさした千佳は教室から出ていた。

「いないし…」

「荷物を置いてどこに行ったのかな?」

「トイレだろ」

「はあ?安堂さんはトイレに行かん!」

適当に言ったトイレを佐伯は否定した。

「きっとお花摘みに…いやもしら楽園…エデンへ…」

「安堂を殺すな」

佐伯はアホでバカなので考え方がぶっ飛んでいる。

「バカを言うな!安堂さんは女神…天使…エンジェル」

「そのままお前の連れていかれろ!」

どうにもアホには必要のない回路だったようだ。

そんな話をしていると千佳は帰ってきた。

「ん?どうしたの?」

帰ってきた千佳に佐伯は何かを感じたのかすぐに聞いていた。

「何でもない」

「あっそう」

俺は佐伯と目配せして千佳が教室から出るまで待った。

「あれは何だろうな」

「どうせ。腹が痛くて限界なんだろ?」

俺が冗談で言った言葉に佐伯は機嫌が悪そうに睨んできた。

「気にかけておくよ」

俺は開けっぱなしになった教室をそのままに家へと帰った。

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