兄妹の二人部屋と外の部屋
朝、目を覚ました俺は体に重たい何かが乗っかっていることに気づいた。
「重い…」
目を開けた俺はのしかかっていた何かの重さに動きを抑えられていた。
「あ…明里!」
明里は寝ぼけて俺の部屋に戻って来たのか、俺に体を押し当てており離れようとしない。
「お…おい!」
「…ふっ」
俺の声に明里は寝言なのか微笑して抱きつく締め付けが強くなった。
「おい!そろそろ起きろ!」
俺は力づくで腕を振り解き、明里の頬を引っ張って起こそうとした。
「お・き・ろ!」
「ん〜!痛い痛い」
明里は当たり前のように俺の部屋の布団に入って来ており、一緒に寝ていた。
「だったらさっさと起きろ」
「嫌!」
明里はわざとかと思うほど抱きついてくる力を強めて必死に抵抗してきた。
「お…おい…」
俺が明里の体を意識して離れようとしていることを気づかれないようにしたが、耐えられず思わずたじろいでしまった。
「えぇ〜!もしかして兄者、実の妹の体で興奮している…とか?いやぁん!兄者のえっち〜!」
「お前の体に興奮するかよ!」
明里の揶揄いは、俺を煽ることに尽力していることがすぐに分かるくらい声から滲み出ていた。
「そんなこと言って〜」
「お前はそのくらいにしねえと後で恥ずかしがるだろうが」
明里の暴走する様子に俺は水を差して冷まそうとした。
「そんなことないよ!」
「離れろよ」
俺の言葉は明里にとって油を注ぐだけで冷めることがない。
「兄者に負けない」
「邪魔だ!」
俺は明里を引っ付けたまま、這いずってベッドから動いた。
「くっ」
「こんなのに力を入れすぎだ」
俺はようやく離れた明里と距離をとって確認のため振り向いた。
「大丈夫なのか?」
「平気…」
恥ずかしくなって来たのか明里は寝そばったまま顔を腕の上に伏せて隠した。
「だから言ってのに。着替えるからお前も自分の部屋に戻れ」
「…」
明里は返事もする元気がなくなったのかその場から動かず固まった。
「俺はもうご飯を食いに行くぞ」
「待って…私も行く」
明里はそう言うと部屋の扉に手を伸ばして開けた。
どうして明里がここにいたのか分からないが、昨日の話を聞いた後でも変わらない会話ができていた。
「あいつ、どうしてここにいたんだよ」
俺を置き去りにご飯を食べに行った。
「俺も行くか」
明里の後を追ってご飯を食べにリビングへ向かった。
「おはよう」
「晴翔、おはよう」
リビングには明里と母さんが台所で並んでたっており、食べる準備をしていた。
「兄者も食べるかな?」
「お…おう」
明里はさっきまで一緒にいたことをなかったことにするかのように話しかけてきた。




